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一日少女 犬ver

作者: ねこねこ帝国

私、リンナ。

あてもない捨て犬だったところを、

アキちゃんに救ってもらったの。

すごく寒くて、凍え死にしそうな夜に

たまたま通りかかったアキちゃんんに

助けてもらったんだ。

あの時、私を見つけてくれなかったら

ダメだったと思う。

アキさんは昼は漫画家として、絵を描き書きしてるようで、

私のこともたびたびマンガに書いてくれてるようで

うれしいよ。

それで、ある日犬神さんに祈ってみたんだ。

一日でいいから、人間の女の子になって、

ご主人と色々話してみたいって。

ダメ元でお願いしたら、

そのまま引き受けてくれたのにビックリだった。

約束の日、私はうずうずして待ちわびていた。

ついにご主人のアキちゃんと話し合える。

これほど、うれしいことはないです。

朝、目覚めるとかわいい女の子になってました。


リ「リンナです。いきなり言っても信じてくれないかな」

ア「ううん、なんとなく信じれるよ」

リ「何で私を拾ってくれたんですか?」

ア「心細さそうにしてるあなたをほっとけなかったの」

リ「犬の神に一日だけでもいいから、

人間の女の子にしてくださいってお願いしたら

こうなったんです」

ア「へえ、あたしのために、わざわざ

人間として姿を現してくれたんだ。今日どうする?

忘れられない一日にしようよ」

リ「花が見たいです」

ア「いいね。あとさ、敬語じゃなくていいよ」

リ「これからはタメ語でいきます」

ア「あはは、言ったそばから、やっぱり敬語」

リ「私ったら、つい」

ア「気軽に楽しもう。まさか飼い犬が

人間になって現れてくれるなんて夢のようだな」

リ「こうして、話し合えるの、喜ばしいです」

ア「仲良くしようね」

リ「はい!」

ア「それじゃ、花を見にとっておきの

スポットに案内するよ」

リ「わあ、ありがとう」

ア「リンちゃん、かわいい」

リ「アキちゃんこそ、かわいいよー」


町外れにある広い公園に、

水色の花が咲き乱れる場所がありました。

私はご主人といっしょにいれる幸せを

かみ締めながら、花畑ではしゃぎました。

ア「一日だけじゃなくて、もっと

人間のままでいてくれたらいいのに」

リ「そうできたらいいんだけどね」

ア「目隠ししてやるー」

リ「あわわ、前が見えませんー」

ア「ねえ、あなたを飼えてよかったって思ってるよ」

リ「私もアキちゃんが大好きだよ」

ア「うれしいこと言ってくれるじゃない。

ついついなでまくっちゃうけど、イヤじゃない?」

リ「いえいえ、もっと触ってください」

ア「なら良かった」

リ「いつもなでてくれるの、うれしい」

ア「実は前に飼っていた犬に

あなたがそっくりで、拾ったんだ」

リ「そうなんだ、今はそのワンちゃんは?」

ア「2年前に亡くなっちゃったかな」

リ「すいません、気まずいこと聴いちゃって」

ア「しかたないよ。知らなかったわけだし」

リ「私が家に来てよかったですか?」

ア「当たり前に決まってるじゃん」

リ「大好き大好き大好き大好き大好き大好き」

ア「うふふ、ありがと」

リ「アキちゃんが漫画家目指したのは

何がきっかけなの?」

ア「なかなか仕事が見つからないときに

ひたすらマンガを立ち読みして、

人生の彩りをもらえたんだ。

だから恩返しがしたいなーって」

リ「よく、私をスケッチしてましたよね」

ア「だって大好きなんだもん」

リ「今日ここにいれてうれしい」

ア「私もだよ」

リ「ワンワンワーン」

ア「あー、犬みたいに自由気ままにすごしたいな」

リ「ふふふ、犬の生活も悪くないですよー」

ア「締め切りが迫ってると、もうとことん

現実逃避したくなる」

リ「その点、犬は仕事に追われないから楽っす」

ア「はああ、本当にいいよな。

そろそろ公園を後にしようか」


その後、夜明けになっても、

人間の姿のままでした。

これはどういうことなのか。

ア「あれ、まだ人間なの?」

リ「どうやら戻れなくなったっぽい」

ア「でもいいじゃん。

いっしょに町に出かけたりんできるんだし」

リ「まあそれもそうですね。

この際パーッと遊んじゃいましょう」


そんなこんなで私の前途は多難だ。

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