図書室の化け物
「せんぱーん」
「誰が戦犯だ、先輩と呼べ」
「こんなものを見つけたのですが、どうすれば良いのでしょうか」
「何だ」
僕は、春画騒動と言う、江戸時代の梅毒の発生に至った
主説の僕の解釈版を、先輩に渡した
「嘗めてるの、私の新訳春画騒動の方が、まだ信憑性が高いわ
それじゃあ、エイズの都市伝説じゃない」
「そうですか、じゃあ」
僕たちの背後に、いきなり、窓際眼鏡堂が、現れ、巨大な、書物を、目の前の一つだけある
大きな机の上に、荷台から、降ろすと
また、書物の森に、消えて行った
「幽霊みたいですね」
「怒るよ」
「先輩がですか」
「違う、あいつ、俺の嫁は、幽ちゃん」って、本気で言うくらい
現実駄目なのよ」
「虚構ですね」
「早く探しちゃいなさい」
僕は、先輩と遊ぶのを切り上げ
目星をつけていた
地図を取り出そうとしたが
あまりにも、高い所にあったため、飛びついた途端
挟まっていた資料が
狭く暗く何処か、トイレに行きたくなる、そんな空間に、綺麗に散らばった
「馬鹿ね」
鬼のような目つきで、先輩は僕を、見下していたが
そんな僕の顔に、一枚の紙が舞い降りた
「何だろう」
手に取ろうとしたとき
「あっあああ」
と、何やら、森の奥から、化け物のような声が
地下室にこだますのと
先輩が、ビクリとしている僕に
襲いかかったのは
同時だった




