3章『彼方の瞳』:4
余計なことをごちゃごちゃ考えるような、付け焼刃な思考のごまかしは無しだった。
相手の思考読みのルールないしは条件のようなものが分からない以上、それらが通用するかは未知数。
故にアストラルは何の前触れもなく右方向に加速した。
加速の直前でそれを読んだホライゾンがサブマシンガンを連射し始めるが、ビームブースターを使用したアストラルは0.2秒で亜音速へ突入する。
高度を大きくとることで彼我の距離を広げていたアストラルには、いくら先読みをしようとも弾丸はすんでのところで届かない。
加速するアストラルを捉えるように偏差撃ちをするホライゾンの銃口を見据え、弾丸が命中する軌道と見た途端、即座に鋭角に軌道を変える。
ビームブースターを噴射しほぼ真逆へ切り返すように加速する。直前に察知し捉えようとする銃口から逃れるように、大きな螺旋を描いて距離を詰める。
ホライゾンは行動を切り替えるタイミングや行動自体はその能力によって先読みもできるが、具体的な動作までが未来予知のように見えているわけではないようだ。あくまでも「何をしよう」という飛鳥の考えを読むだけであり、それ以上のことは分からないのかもしれない。
接近中に放たれるサブマシンガンからの大量の弾丸をかいくぐり、機体の軌道に合わせてもう一方の武器から放たれたグレネード弾の爆風さえ利用して軌道を変える。
ただ接近だけを目的に、毎瞬の直感に自身の全てを預けて行動する。
飛鳥自身さえ直後に何をするのかはっきり分からないような無茶苦茶な思考を続けていても、ホライゾンは強引に射線を合わせて、アストラルを近づけまいと攻撃を加えてくる。
ごちゃごちゃした思考の中で最終的に選択される唯一解を抽出する機能でもあるのか、それともパイロットの経験がそれを成しているのか。いずれにしても、高速で軌道を変えまくるアストラルの動きを捉えるだけの技術はあるのだ。
「せぇあッ!」
直前で一瞬沈むような動きをして射線を逸らし、跳ね上げるような軌道で胸の中心へ向けフォトンブレードを振り上げる。
一瞬だけだが計画的な手順を踏んでしまったことに、背筋に冷たいものが走る。だが飛鳥の予想に反してホライゾンからの反撃はなかった。
あくまでも軽く機体をひねって斬撃を回避し、飛び上がるアストラルに銃口を向けてサブマシンガンを連射するだけ。
ヒットアンドアウェイのつもりだった飛鳥としては、それを無理にかいくぐって近距離戦に持ち込むつもりはない。背面のサブカメラからの映像を頼りに銃口から細かく機体を逃して行く形で、再び大きく距離を取る。
(しかし今の奇襲は……)
あちらとしても有効な迎撃ができる絶好のチャンスだっただろうが、いかんせんそれを行うだけの余裕が無かったのだろうか。肉を切らせて骨を断つということもできた状況で、それでも回避を優先した辺り、リスクは負わないスタンスか。
多少の被弾は覚悟していた飛鳥だったが、とっさの判断で攻撃を全ていなしていく手段を選んだからか大きなダメージには繋がらない。計画的な回避ができないという状況にはややヒヤヒヤするものがあるが、アストラルの性能に助けられながらもうまくさばけていた。
ホライゾンからの追撃が止むと同時、機体の軌道を大きく曲げて回り込むように再接近する。
サブマシンガンでさえアストラルのフォトンライフルと同等レベルの射程があるのか、切り返した時点でかなりの距離が離れていた。
迎え撃つように武器を構えたホライゾンに、アストラルは高速で接近しつつフォトンライフルで牽制を加える。かなり距離は離れているが、重光子弾は射程限界で弾体を維持できなくなり炸裂こそするものの、それまで威力の減衰はほとんどない。
射程ぎりぎりで放たれたアストラルからの攻撃を、ホライゾンは身をひるがえして回避した。
回避の合間にサブマシンガンを連射されるが、ホライゾンの迎撃にカウンターを合わせる形でフォトンライフルを放ち銃口を無理矢理アストラルから外させることで、強引に距離を詰める。
近距離で押しつけるように放たれた連射を肩の装甲で受け止め、速度を一切緩めることなく突進したアストラルは、すれ違いざまに全身を使って勢いよくフォトンブレードを薙ぎ払った。
光刃の先がホライゾンの黒い装甲を掠めるが、やはり紙一重のところで回避されてしまう。アストラルも無理な追撃は行わず、ホライゾンの攻撃から逃れるように距離を離す。
アストラルの背に向けられる銃口から細かく機体の軌道を外しながら、距離を取ったところで再度ホライゾンへ向けて機体を加速させる。
風圧で海面を抉り飛ばし、ジグザグの軌道を描いて突撃した。
やることは同じ、ワンパターンだ。
それ故に思考が入り込む余地はなく、機械的かつリアクティブな動きで、迎撃に放たれる高速の弾丸を掻い潜り、ノンストップでホライゾンへと接近する。
時折、回避方向に合わせるようにサブマシンガンの銃口が差し向けられるが、装甲の厚いところで受けとめることで明らかなダメージを回避しつつ、ホライゾンへの接近を最優先し続ける。
フォトンライフルでの牽制でホライゾンのリズムを乱し、後手になる状況を機体の瞬発力で補って正面から肉薄した。
振るわれるフォトンブレードを身をひねるようにしてギリギリで回避したホライゾンは、ブレードを振り抜いた姿勢のアストラルに、グレネードランチャーから持ちかえた重光子炸裂砲の銃口を向ける。
「っ、させるかよ!」
即座に反応したアストラルは前方へ飛び込むように縦に機体をひねり、上下逆さまのまま右手のフォトンライフルを構えた。狙いはホライゾンの重光子炸裂砲。
引き金が引かれたのはほぼ同じタイミングだった。
両者の間で激突する白と青の重光子弾。
派手な光と絶大な圧をまき散らして、二つの重光子弾が炸裂した。
「くっ……」
煽りを受けて大きく弾き飛ばされたアストラルとホライゾン。空中で身をひるがえしたアストラルに向けて、ホライゾンは即座にサブマシンガンの銃口を合わせようとする。
「あっぶね!」
すぐに気付いた飛鳥はやや不安定な状態のアストラルを無理矢理に動かして、ホライゾンの攻撃から逃れようと一気に加速する。
だが、
(……追撃が来ない?)
先ほどまでは逃げるアストラルに射程限界までしつこく追撃を加えていたにもかかわらず、ホライゾンは武器を構えた状態で逃げるアストラルを見送っている。
何を企んでいるのかと訝しげな表情を浮かべたところで、通信を介して一葉の声が聞こえた。
『……弾切れですよ、アスカくん。バレットストック方式なら、たとえエネルギー兵器でも充填エネルギーの枯渇があります! あのサブマシンガンは、重光子弾のエネルギーを使いきったんですよ!』
「そういうことか、だったら今がチャンスってことだな!」
本来ならばホライゾンが持つサブマシンガンの有効射程圏内で、アストラルはその場で反転することで一瞬にして折り返す。
サブマシンガンの弾が切れたホライゾンが、近距離での迎撃に使える武器は実質あの重光子炸裂砲だけだ。このまま接近して、炸裂弾さえ回避すれば一方的な攻撃チャンスになる。
「うっしゃ! ぶっとばしてや――――――――へっ?」
掛け声とともに、ホライゾンの懐へ飛び込むべく再加速をしたアストラルの眼前で。
シュババババババババ! というどこか間の抜けた音とともに、ホライゾンの背中から一斉にミサイルが吐き出された。4発2セットの計8発だ。
「やっぱあるんだよなこういうのさぁ!!」
『アスカくん、一旦下がって!』
前方にビームブースターを噴射し宙返りをして機体の速度を打ち消したアストラル。
だがその間にも上空へ飛び上がったミサイルは弧を描く軌道でアストラルに向けて加速を始めている。
「チィッ!」
海面ギリギリの位置を飛行しながら、仰向けになったアストラルは放たれた8発のミサイルを視界に収める。すぐさま左手のフォトンブレードを折り畳んで二の腕部分に戻すと、脚部付け根の磁力吸着式マニピュレータからフォトンライフルを掴み取った。
上空から迫りくるミサイル群の一つに向け、両手に構えた二挺のフォトンライフルから重光子弾を連続で発射する。
とにかく少しでもミサイルの数を減らそうという狙いで放たれた攻撃だったが、光弾が上空のミサイルを破壊することはなかった。
ズッ、とずれるような奇妙な軌道を描いて、飛来するミサイルが光弾の射線からその身を逃がしたのだ。
「なっ、避けやがった!?」
続けざまに6発もの弾丸をばら撒くが、全弾を集中的に浴びせた、たった一発のミサイルを撃ち落とすことしかできなかった。
そしてその間にも、残り7発のミサイルはアストラルへの距離を詰めている。
「こなくそッ、鬱陶しいったら!」
苦々しげに吐き捨てて、飛鳥は一旦ミサイル群の迎撃を諦める。
アストラルは両手にフォトンライフルを握ったまま、水面に対して仰向けからうつぶせの姿勢に機体を回転させると、ビームブースターも絡めて一気に加速する。
迎撃が間に合わない以上、一度距離を離すことで仕切り直しを図らなければならない。
だが相手はアークよりも遥かに小型の物体だ。いくらアストラルが高い推力と強力な慣性制御を備えているとしても、一般的なそれならともかく対アーク戦を考慮されたミサイルを単なる高速飛行で振りきることはできない。
3次元空間をフル活用してほぼ直角に近い無茶なマニューバを連続で行っても、ミサイル群は驚くほどの精度でぴたりと後ろをつけてくる。並みの戦闘機なら自壊していてもおかしくない動きにも関わらず、だ。
(迎撃回避なんざミサイルがやっていい芸当じゃねぇだろ!? それにこっちだってあのときよりスピードも機動制御も上がってるはずなのに……。明らかにバーニングのミサイルより性能が上じゃねぇか!)
音速などとうに超えたスピードで飛翔するアストラルに、7発残ったミサイルが随時突撃していく。
ビームブースターを絡めた鋭角ターンですら振りきれない凶悪な誘導性能に、飛鳥はコックピットの中で強く舌打ちをした。
真横から脇腹を噛みちぎるように襲い掛かったミサイルを、直撃の寸前で機体をバレルロールさせて大きく逃がすことで回避しつつ、距離をとってフォトンライフルで破壊する。
アークのような瞬間的な回避にはギリギリ対応していないのか、このタイミングでの迎撃ならば問題なく破壊できるようだ。
そのまま一切スピードを緩めず、戦闘機の曲芸機動をそのまま過剰にしたかのような常識外の動きで誘導を翻弄しようとするアストラル。
それでも残る全てのミサイルはまるで、全てが計算の範囲内だとでも言わんばかりに正確に食らいついてきていた。
『誘導制御に何かの補正が掛かっています! 恐らくホライゾン本体からの制御補正です!』
ミサイルが如何に高い機動性を誇っているとしても、アストラルの鋭角ターンで全く距離を離せないというのは異常な事態だった。
だがそれがホライゾンの能力でもって飛鳥の思考を読み、ターゲットであるアストラルよりも先にターンを始めていたというならば説明もつく。
「動きに完璧に追いついてくんのはそれが理由か……!」
忌々しげに呟いて洋上のホライゾンに視線を向けた飛鳥は、そこでホライゾンが左手にリボルバーグレネードを構えているのを見つけた。
既に一発撃ち込まれているから分かっているが、グレネード弾の弾速や爆発規模は相当なものだ。
今まさに引き金を引こうとするホライゾンの狙いから逃れるべく、機動を大きく横に曲げようとしたそのとき、追随していたミサイルの一つが先回りしてぴたりと横につけてきた。
「くっ……」
即座に反対側にと意識を切り替えた飛鳥の先を行く形で、もう一つのミサイルが行く手を遮るように後方から突出する。対応に迷った一瞬の隙をつくかたちで、アストラルの上下方向をさらにミサイルが封鎖する。
そして後方には、今もアストラルを追う2つのミサイル。
(しまった、回避方向が――――!?)
四方を取り囲まれた獲物の眼前で、ホライゾンがリボルバーグレネードの引き金を引く。直撃すればそのまま連続で攻撃を叩きこまれ機能停止に追い込まれるだろう、絶体絶命の状況。
爆薬の檻の中で、ついに決定的な破壊がアストラルに迫りくる。
脳が空白の悲鳴を上げた。
『アスカくん! 加速してすれ違って!!』
「っ! ううぅぉおおオオオォォォオォオォッッ!!!!」
迷う余地も、考える余裕もなかった。
機体のどこをどう動かすのかすら理解せぬまま、飛鳥は真正面へのただ純粋な加速を望んだ。極度の焦りから来る茫漠な意思から、彼の求める結論を導いたアストラルが最大出力でビームブースターを噴射した。
四方を覆うミサイル全てを置き去りにして、想像を絶する加速でもってアストラルが砲弾のように前方へ飛びだした。
迫りくるグレネードに、真正面から突撃する。
「ああああああああああああああああああああああああ!!」
直撃の寸前、ミサイルの檻を突破したことで確保した空間を利用し、アストラルは紙一重のところで強引に機動を捻じ曲げる。胸のコアを掠めるギリギリの位置で飛来するグレネードとすれ違った瞬間、一切の失速なく左わきの下からフォトンライフルの銃口を向ける。
ターゲットは、機動制御能力を持たないグレネード弾。
「まとめて吹っ飛べ!」
怒号と共に放たれた光弾が背を向けるグレネードへと正確に着弾した。直後に飛翔していたグレネードが破裂し、爆風を周囲へまき散らす。
当然それはアストラルを追っていた複数のミサイルを巻き込み、連鎖的に巨大な爆発を空中へ描き出した。
『やっぱり、今のアクションには補正制御も対応できない……?』
「えっ、今なんて――――」
何かを思案した様子の一葉の呟きが聞こえ、飛鳥がそれを訊き返そうとしたとき、海面近くでホバリングしていたホライゾンが再び背中のランチャーから8発のミサイルを発射した。
「チィッ、しつこいんだっての!!」
一度ある程度の高度に上昇してから追尾を始めるタイプなのか、並んで垂直に飛び上がるミサイル群。
(追尾が始まってないってことは、あの時点では機動補正も掛からないはずだ!)
アストラルは即座に振り向くと、両側のビームブースターを肩越しに前方へと向ける。
システムを砲撃モードへと変更し、間髪置かずに重光子ビームを照射した。
ミサイルの進行方向に置くように放たれた照射ビームは、そこを通過しようとするミサイルのうち3発を高熱で焼き払う。
だが撃ち漏らしたミサイルは上空で鋭く機動を曲げ、それと同時にホライゾンが足を止めたアストラルに向けてリボルバーグレネードを発射した。
追尾してくるミサイルから距離を離そうと加速したアストラルのギリギリの位置で起爆するグレネード弾。
爆風をくぐりぬけて加速を始めたアストラルを、後方から5発のミサイルが追いすがる。
そして今度はホライゾンも容赦がなかった。
ドンッ! ドンッ! と連続でグレネード弾を発射し、アストラルの進行方向を阻害するように遠隔操作で起爆する。
飛鳥は発射と砲弾の軌道を見てから機体の速度を微修正するも、直撃を狙うのではなく爆風の余波をぶつけるようなやり方では流石に回避しきれない。
煽りを受けて姿勢を崩したところに、一気に加速したミサイルが抉り込むようにアストラルに突撃した。
高速飛行を続けながら、機体をひねり足を振り回してなんとか直撃だけを必死に避けるアストラル。
飽和ギリギリの回避行動の最中にも、フォトンライフルをデタラメに乱射してミサイルの迎撃を試みるが、破壊できたのはせいぜい2発。
その間にもグレネードによる攻撃はなされ、ついに直撃寸前の位置で発生した爆風を受けてアストラルが大きく姿勢を崩した。
「クソッタレ、だったらよォ!」
爆風の勢いで水面に叩きつけられそうになったアストラルは、とっさに右手のフォトンライフルを脚部のマニピュレータに戻すと、間髪いれずにハンドストライクを発動させた掌を海面に叩きつけた。
ハンドストライクから発生する莫大な圧によって、水中に向かう大きな水流が形成される。そのピンポイントな領域へ飛び込むことにより、アストラルは最小限の衝撃で海中への突入に成功した。
まとわりつく泡を速度で振り払う。あわよくばミサイル群が海面での激突で壊れてくれれば、とささやかな期待を込めて背後を振り向いた。
しかしそこでは、残る3つのミサイルが何事もなかったかのように海中を高速で潜行していた。
『水中対応……、潜行ミサイルですか!』
一葉はそう言うが、実際はそれほど単純なものではない。
大気中でアストラルに食らいつくほどの驚異的な機動性そして追尾性を見せたミサイルが、そのまま海中を潜行してターゲットを追尾し続けている。
それを支える技術も、やはり半端なものではないだろう。
(ともかく、海中で振りきるってやり方は無理だ。向こうも機動性は落ちてるだろうが、水中じゃあフォトンライフルで狙い打つのもままならない)
だったら、とばかりにアストラルは一気に加速すると、潜行するミサイルから大きく距離を離して海上へと飛び上がった。
「こいつで……」
空中でひらりと宙返りをしたアストラルは、両手で両腰のプラズマバズーカを支えていた。
砲口が狙いをつけているのは、アストラルが飛び出したことによって海面に広がっている波紋の中心点。
「吹っ飛べよッ!」
波立つ海面を、アストラルを追う3つのミサイルが揺らしたその瞬間、プラズマバズーカの砲口が強烈な衝撃と共に超高温のプラズマ弾を発射した。
機動補正を受けたミサイルがその射線から逃れるように向きを変えるが、明らかに遅い。
海面に着弾したプラズマ弾が収束から解き放たれ、想像を絶する巨大な熱が爆風のように辺り一帯を埋め尽くす。
放出された高熱を浴びた3つのミサイルが一斉に起爆し、海面をさらに激しく揺らした。
――直後、
『アスカくん、左です!』
「んなろっ――――!」
視線だけをそちらに向けたアストラルの眼前で、放たれた最後のグレネード弾が驚異的なスピードで迫りくる。
とっさに握ったままだったフォトンライフルをグレネードに向けて発射するが、光弾が着弾したのは銃口のすぐ近く。
グレネード弾が至近で大規模な爆発を起こした。
「ぐっ!?」
直撃寸前の位置で爆風を浴びたアストラルには、ほとんど衝撃を逃がすことができない。
【左腕フォトンライフル、耐久限界突破】
アストラル本体はなんとか爆圧を耐えたものの、銃口の目の前で起爆されたせいでフォトンライフルが煙を上げていたのだ。
「くっそ、やられちまったか……」
忌々しげに呟いた飛鳥は、もう使えないフォトンライフルをアストラルの磁力吸着マニピュレータに戻して、そのまま左手を振るってアストラルを覆う爆発の煙を払う。
煙が晴れたその先では、サブマシンガンを手に持ったホライゾンが、静かにその銃口をアストラルへと向けていた。




