登場機体解説
今回は5部で登場した機体プラスαを解説しようと思います。
本編での描写が忙しいので、今回は軽く目を通してから読み直すと戦闘がイメージしやすくなるかも?
アーク・アストラル、アーク・ホライゾン
システム
・火器管制リンクシステム
泉美が戦闘中に即席で作り上げたシステムプログラム。
アストラルとホライゾンの火器管制をリンクさせ、双方の火器の状態(残弾や残りリロード時間)などがリアルタイムで把握できるようになる他、ホライゾンの読心能力を用いた偏差射撃をアストラルへと適用することが可能になるなど便利なシステムである。反動制御や照準補正などの基本的な武器の扱いに対する制御も共有化されるため、エネルギー供給の出力規格といった物理的制約が無い限り互いの武器を交換する事も可能になる。アストラルがホライゾンの火器を受け取って使用できたのはこれがあったから。
No.8 -H- アーク・ホライゾン (Ark-Horizon)
武装
・アマツバメ三倍解放
過流重光子狙撃銃『アマツバメ』の出力リミッターを解除し、ストックされた3発分のエネルギーを一撃に込めて放つ機能。一射でアストラルの装甲を叩き割る破壊力を持つ重光子弾を、単純に3倍の威力で放つためかなり強力。
しかし本来アマツバメは弾体を構成する重光子を渦状に流動させることで射程距離を大幅に伸ばしているのだが、リミッターを解除した状態ではその繊細な粒子コントロールが行えないため、射程がむしろ短くなってしまう。そのためこの機能を使用した状態では、過流重光子狙撃銃ではなく単なる高出力重光子砲という扱いになる。
出力が高すぎる弊害で武器自体への負荷が非常に大きいことや、3発分のエネルギー、つまりは残弾をまとめて消費してしまうこと、本懐である狙撃に対応しない上に発射反動まで極大であるなどかなり扱い辛い面が目立つため、滅多に使用されることはない。
No.3 -C- アーク・クランブル (Ark-Crumble)
コード:C
全長:11.3m
重量:8.6t
能力:『粉砕』…対象の粒子結合を破壊する能力。
・概要↓
オーストラリアの災害対策技術開発局が所有するアーク。パイロットはそこに所属するカミラ=キャンベル。
装甲と機動力を両立させることを目的とした設計の機体。実体装甲がかなり強く、機動力も良好。加速性能こそはアストラルには及ばないものの、最高速度では引けを取らないレベル。
アクチュエータ出力は随一で、バーニングにすらせり勝てるほどの凄まじいものがあるため、質量の大きな武器も難なく振り回せる。高い回避性能だけでなく多少の被弾を無視できる装甲を持つという機体の性格上、機動力と防御力に任せて相手を追いまわし近接戦に持ち込むスタイルを得意とする。
耐久力と機動力で一方的に有利な状況を作り出し、高い破壊力を持つドリルで攻め立てるという暴力的な戦闘が持ち味であるが、まともな射撃武器を持たないため、この機体以上の機動力を持つ機体に逃げながら射撃戦を展開されると打つ手が無いという尖りっぷりである。こういった弱点は同国のアーク・ナチュラルとの連携で解消を図っている。
機体の形状は建築機械を彷彿とさせる角ばったフォルムだが、単なる箱というより曲面をポリゴン化したような鈍角を中心に構築されている。カラーリングは明るめのオレンジと黒色が主であり、白いラインが随所に入っている。発光体の色は黄色で、コアの色は赤である。
武装
実質的な攻撃手段はドリル一択というロマン戦士。近寄れば銃なんて飾りなのだ。もはや機動兵器ではなく2足歩行の空飛ぶ重機である。
・スパイラルクランブラー
超大型電動回転螺旋槍。左腕に装備された巨大なドリルで、サイズは腕を下ろせば地面に突き刺さるほど。
能力との併用によって触れた物体を片端から粉砕する驚異的な破壊力を宿すことができるが、粉砕の性質を発揮するためにはドリルを回転させている必要がある。武器重量の大きさから回転のためのモーターなどで消費するエネルギーが凄まじく大きいため、それ以外の大出力武器の使用ができないという欠点をもつ。
・フォトンオートキャノン
文字通りの重光子機関砲。右腕部に直接取り付けられており、装甲の一部が展開する事で銃口が顔を出す仕組み。
出力は低く、攻撃というより牽制用の武器であるが、それ故にダイレクトフィル方式が採用されておりリロードは必要ない。
No.14 -N- アーク・ナチュラル (Ark-Natural)
コード:N
全長:8.2m
重量:5.6t
能力:『修復』…機体から失われた物質を高速で修復する能力
・概要↓
オーストラリアの災害対策技術開発局が所有するアーク。パイロットはそこに所属するラクラン=オスカー=ウッド。
機体の武装の大部分がカーボン素材で構成された特殊な装備ラインナップである。そのため多彩な火器を備えながらもかなりの軽量化に成功している。また水中での高速移動に適した設計がなされており、他のアークが本領を発揮し辛い水中での戦闘が得意。
水中戦闘を得意としてはいるが、本分はあくまで機動射撃戦ではなく弾幕支援である。近距離戦闘は決して得意ではなく、格闘戦はむしろ苦手な部類。そのため近距離を護衛してくれる機体の後ろから大量の弾幕で敵を攻撃する事で真価を発揮すると言える。この辺りはホライゾンに通ずるところがある。
能力の『修復』は機体から失われたものを修復する能力だが、特に炭素含有の物質の修復速度が非常に早い。逆に金属素材はやや遅いといった特徴がある。軽量故に威力に欠けるカーボン材を弾丸に使用しているのは、こういった理由から。
機体の形状はイルカやサメのような水生の哺乳類を彷彿とさせるフォルムであり、カラーリングは水色をベースに黒の模様が描かれており、黄色の発光体を備えコアの色は白。背中には背びれのような姿勢制御装置兼ブースターまである。
武装
水中での戦闘に対応する実弾武装を多数装備しており、また機体特性上敵性が自身より上方に居ることが多くなるため、敵が上に居ることを想定しているものも多い。炭素含有の弾丸やミサイルは使用しても高速で再生してしまうため、実質弾切れとは無縁。単発火力は総じて低め。
・3連ミサイルランチャー×2
背部に装備された、小型高速のカーボンミサイルを発射するミサイルランチャー。後述の重光子狙撃砲と一体になったユニットとして背中に2つ装備されており、羽のような形になっている。燃料、及び爆薬には炭素を含有する物質が使用されており、外殻は全てカーボン繊維を使用した素材によって構成されている。そのため能力との兼ね合い上、ミサイルの再構成は非常に早く、戦闘中に撃ちきりとなることはない。
・重光子狙撃砲
砲身のやや長い重光子狙撃砲。基本は上を向いているが、砲身の向きを変えられるタイプで、最大でほぼ前方に向けることもできる。威力はそれほどでもないがやや精度が高めで弾速が早い。射程もかなり長めだが、重光子砲という性質上、この機体のスタンダードである水中から使うと射程は極端に短くなる。水中からでも使用できるように砲身先端に高熱で水分を一気に蒸発させる小型の短射程プラズマ砲が装備されているが、その場合エネルギー消費が増える。
・ビームカッター&カーボンマシンガン
長さの短い重光子刃を発生させる装置と、カーボン弾を使用した高速連射型のマシンガンがセットになった携行型の武器。個々の威力は大きくないが、持ち換えることなく射撃と格闘を切り替えられるため取り回しは非常に良い。
・カーボンライフル
カーボンマシンガンに比べて大型でバレルの長いライフル。使用する弾丸はサブマシンガンより大型だがやはりカーボン弾。
・フォトントライデント
長い柄の先に重光子刃の発生装置が取り付けられた武器。重光子刃は三叉の矛のような形状をしており、やや広くヒットポイントがある。ただし威力に突出したところはない。二つを連結させて使用することのできる武器で、普段は分離した状態で脚部装甲の内側に収められている。そのまま使用すると細めの矛を形成するが、連結させると刃が大型化し威力が上昇する。