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第一章:息が詰まる家と夜の自由
小学校の私は、真面目で大人の言うことをよく聞く「いい子」だった。
でも中学校に入ると、何かが切れてしまった。近所では相変わらずいい子の顔をしていたが、夜はタバコを吸い、万引きやバイクの無免許運転、夜遊びを繰り返した。家では厳しい母がいて、夜の外出や外泊は許されない。私は息が詰まるような家を抜け出し、友達と夜の街へ飛び出す日々を選んだ。
仲間は小学校からの友達や新しく出会った子たち。最初は怖かったけれど、野宿や夜中の散歩は、家の中よりずっと呼吸が楽だった。母に逆らえず、叱られる日々の中で、夜中の自由は私にとって唯一の安らぎだった。