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第9話

迎えに来てくれたアレックスの顔色が悪い。


「アレックス、体調が悪いのなら今日のパーティーは取りやめにしましょうか」


「いや、大丈夫だ。パーティーで挨拶したい方がいるからね」


「なら早めに切り上げて帰りましょう」


「いいのかい?最近パーティーに積極的に行っているから・・・・」


「アレックスもわたくしが男漁りをしていると言いたいの?」


私はキツイ言い方をしてしまった。



「違うよ。急に積極的になったから驚いているだけで・・・・私ではダメなのか」


最後の方は小さな声だったので何を言っているか聞き取れなかった。


「今最後の方はまったく聞こえなかったわ。もう一度話してくれる?」


「いや、何でもない。そろそろ行こう遅れるよ」


アレックスは私を馬車に急き立てた。





今日はエリーザの実家ララファエット伯爵家のパーティーに出席したので、主催家に挨拶に行く。


「フェリシア、やっと結婚する気になったようで、嬉しいわ」


エリーザの実母であるラファエット伯爵夫人が、笑顔で挨拶で伺った私に言ってきた。


「おば様、わたくしは姉の結婚相手を探しているのです。我が家も落ち着きましたから、姉を助けて我が家を盛り立ててくれる良い殿方は、いらっしゃいませんか」


「まぁ、シャルロッテ様が結婚する気になったの?」


「いいえ、ですが跡取りが我が家にも必要ですから、わたくしが動いているのですわ」


「そうなの?今日は主人の仕事の関係者、王城の政務官も多いから、フェリシアのお眼鏡にかなう殿方がいるかもしれないわよ」


それはいいことを聞いた。


王城の政務官は次男以下家を継げない人が多い。今日はチャンスのようだ。


しっかり探さないといけないわ!




「フェリシア・・・」


「アレックス」


アレックスが私を呼ぶのと同時にアレックスを呼ぶ男性がいた。


「アレックス、仕事の関係の方ではないの?わたくしは大丈夫だから行った方がいいわ」


「しかし・・・・」


「この会場内にいるのだから大丈夫よ」


「わかった、すぐに戻るから、ただ会場内に必ずいてくれ」


「もちろんよ」




アレックスと別れた私は、のどが渇いたので飲み物を取りに移動していたら、ランドール伯爵夫人のナターリア様とばったりと出くわしてしまった。


今日はいい日だと思ったのに、嫌味ばばぁと出会うなんてついていない、心の中で私はため息をつく。


「フェリシア様、今日もアッテン帝国の生地で作ったドレスなのかしら」


「もちろんです、ナターリア様。マストロ商会が力を入れて販売しておりますから」


「生地を見たいといったら、マストロ商会の方は来てくれるかしら?」


いつものように臨戦態勢で気合を入れていたのに、嫌味ばばぁが下手に出てきておかしい。


だけど商売の話だから、私も話を合わすことにする。



「もちろんですわ。ドレスを作られるのなら、レイ様のお店にも生地を卸しております。実際、このドレスもレイ様のお店であつらえたものですわ」


「まぁ⁈そうなの。ではレイ様のお店に行かせていただくわ。情報をありがとう。あなたも頑張るのよ」


ナターリア様は最後に意味不明の言葉を残して去っていった。


あっ、頑張りなさいって、もしかしてナターリア様も私の噂を知っているということなの。


ため息をつきたいが、ここはパーティー会場。


気を抜いてはいけない場所だ。



再度移動は始めると、顔見知りに会い、少し会話をしてから移動するを繰り返した。


実際に水を手にした時には喉がカラカラだった。


グラスの水を一気に飲み干すと、今度はアリーサ様が一人で私の目の前に現れたが、いつもの取り巻きがいないどうしたのか?


「誰かさんのせいで、最近のわたくしは1人ですのよ」


私がアリーサ様の後ろを見ていたことに気づいたアリーサ様は、ツンとした言い方で喧嘩を売ってきた。


その嫌味が言いたくてわざわざ私に絡んできたのかしら。


正直うざい。



「まぁ、それは存じませんでしたわ。わたくし1人で参加なんてできませんわぁー」


私の嫌味に一瞬顔を歪めたが、アリーサ様は扇子で顔を隠した。


「今、あなたも1人ではないの!」


「喉が渇いたので飲み物を取りに来たまでですわ。すぐに戻ります」


アリーサ様の扇子を持つ手に力を入れたようだ。



「何かおっしゃりたいことがあるなら、言っていただけませんか」


もうあんたの相手も、いい加減やめたいのだよね。


アリーサ様は口の周りを扇子で隠しているが、口をぎゅっと結んでいるように見える。


そして私の方を見て意を決したように話し出す。


「アレックス様を袖にされてまで、結婚相手をお探しだとか? アレックス様に興味ないのであれば、いつまでも思わせぶりな態度を取らすに距離を置いてくださいませ」



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