第四十二話 沈潜
「いいいいいやあああああぁぁぁ!!!」
おかしいなあれおかしいなおかしいな。
こういうのって意識がなくなった後にちょっと長い時間をかけてから目覚めたらもう地面についているんじゃないっけ横たわったまま目が覚めて見知らぬ光景を前にしてここはどこだとか呟くんじゃないっけそうじゃなかったっけ。
おかしいなあれおかしいなおかしいな。
俺はいつまで落ち続けるの永遠に落ち続けるの悲鳴が途切れるまで落ち続けるの悲鳴が途切れたら落下は止まるのどうなのそうなのそれともやっぱり死ぬまで落ち続けるのそうなのどうなの。
それにしてもまっくらくらだけどまっくらくらしかないんだけどしかも両手両足をばたつかせても何にも触れないんだけどいや空気には触れてるけど空気しか触れてないけどどうなんですかねどうなんでしょう空気しかないんでしょうか。
いえ秘密の竹林だって思ったんですけどね秘密の竹林だから竹林だらけだって思ったんですけどね竹が一本も見当たらないんですけどねまあまっくらくらだから見えないだけで実際には竹がすぐそこに存在しているのかもしれませんけどねどうなんでしょうねどうなんでしょう。
っていうか俺だけですかねここに居るの原符さん居ないのかな俺だけ来れちゃったのかなどうしてかな原符さんを頼るなって事秘密の竹林に行くまでは原符さんの力を借りていいけど着いてから自分でどうにかしろって事そうなのきっとそうなの。
そうなのならば自分でどうにかしないとね悲鳴を上げてる場合じゃないよまあ止められないけどどうしようもないよねでもこうやって悲鳴を上げている中でも思考はふんだんに動いているからね自分やればできるじゃんこのまま考え続けるんだどうすればいいどうすればいいどうすればいい。
(2023.3.22)




