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第三十二話 増加
あの日。
助けなくていいと言いながら国王が空から落っこちて来た日。
竹葉は短い時間の中で考えて考え抜いて助ける選択肢を取り、国王をどうにかこうにかしてお姫様抱っこで受け止めようとしたのだが、その前に突然発生した花の竜巻が国王を優しく受け止めて地面に下ろして地面に寝かせた。
花の竜巻に少しだけ吹き飛ばされた竹葉は安堵しつつ体勢を整えて、これからどうすべきかを思案していたところ、地面に寝かされていた国王がいきなり立ち上がり、一緒に行くと言ったのだ。
すごく震えた声音で。
けれど真顔で。
秘密の竹林へ一緒に行く、と。
(2022.10.14)




