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第二十九話 竜巻




 城が中央に築かれたわのいしの国と森の間は、年中竜巻が起こる地帯であった。


 春は花の竜巻。

 夏は茶の竜巻。

 秋は葉の竜巻。

 冬は雪の竜巻。


 基本的に害がなく通行が可能な小さくて、またか細くて優しい竜巻が起こっているのだが、季節を問わず、時々通行が不可能な大きく厳しい竜巻が起こる。

 前触れもなく、突然。

 ゆえに、ほとんどの人々は安全な場所から鑑賞するだけに留め、どうしても森か、森の向こうへ行く必要がある人々は魔女の道具を使って通り過ぎていた。

 竹葉もまた、同様に。

 そして。


「捜さないでくださいって置手紙だけではなく、菓子も一緒に置いておくべきだっただろうか?」


 気弱な精神とは裏腹に力強く歩を進める足の持ち主の国王は、数え切れない程の小さな花の竜巻を引き連れて歩いていた。

 目的は一つ。

 原符に、そして、竹職人を目指す竹葉に会う為であった。


「しかし。遠いな。一日で辿り着けるだろうか?」











(2022.10.12)


 

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