表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/43

第二十八話 国王




『なあ、魔女』


 数十年前の。

 前王を倒したそなたは、そなたの勇ましい心はどこへ行ったのであろうな。

 完全に失くしてしまったのであろうか。

 それとも、深くふかく内へ隠れてしまったのであろうか。


『魔女よ。私は怖い』


『怖いのだ』


『私は、前王のように』


『罪、なき者たちを』


『早く。竹の刃を。竹の刃で早くあれを。すべての元凶を壊さなければ』


『魔女よ。早く。竹職人に。原符に創らせるのだ。早く。多く』


『けれど。竹職人は。竹職人は原符だけで、いい。原符だけで』


『いや。原符だけでは。だめ、だが。多く存在しても。多く存在してしまえば。私が。いいや。それも運命。必然。か』







「まったく。何を考えておるのか」


 わのいしの国の城の国王の執務室にて。

 魔女は机に置いてあった手紙を読んでは、花の竜巻に隠されて見えない森へと視線を向けた。


「探さないでください、と書かれてもな」


 まさか位置は把握されていることを忘れているわけでもあるまいに。












(2022.10.12)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ