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フルリモート異世界転移  作者: 白魚みそ
2/2

接続できません

元の世界での話です。

気がつくと15時ぐらいだった。


午前中にポメでみんなとお喋りして……それから、魔法陣が光って……?私は夢でも見ていたんだろうか。お昼を食べ損なって薬を飲んでいないせいか、また熱が上がってきた気がする。PCを開くとポメとの接続が切れている。タイムアウトしたのかな。

一応、接続し直してみるが繋がらない。夢のこともあり、気になるので念のためスマホから繋げようとしてもダメ。

とても嫌な予感がする。


多少ふらつきながらも2階の自室から1階のリビングへ降りて、TVをつけると……。


『――――学校関係者の――――集団失踪事件として捜査を開始した模様です。

――――はい、現地に繋がっているようです。レポーターの阿武さーん!』

『はい、はい、阿武です。今、■■高校の目の前に来ております!取材関係者と保護者、近隣住民が押し寄せ、混乱が続いており――――』


私の学校だ……。そうだ、スマホを開いてポメに……繋がらない。

じゃあ、友達に電話…

『おかけになった電話は電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため――――』

だめだ。繋がらない。

今朝のことは夢ではなかったということ?集団失踪……気絶する前に見た魔法陣が関係するならば、ライトノベルや漫画、アニメ、ゲームによくあるクラス転移ってやつか。なーんだ。とはならない。

今もTVから流れる映像と、見たことのあるクラスメイトの父母の焦燥した表情を見て、ドッキリやフィクションではないということをまざまざと見せつけられた。今日うちのクラスで休みだったのは私だけだ。

友達のお母さんが、兄弟が、どんな思いをしているだろうか。たった一人、残った私は……。


「……大丈夫?布団で寝た方がいいんじゃない?聞いてる?」

「えっお母さん!おかえり……」


TVの前でぼーっと立ち尽くしている間に母が帰ってきたようだ。

「ただいま。学校のことニュースになっててね、急いで帰ってきたのよ?」

「お母さん、仕事大丈夫なの?」

話したいのはそんなことではない。けど、私の口から出てきたのはそんなことだった。

「職場の人も心配してくれていてね。仕事のことはいいから帰ってやりなって。」

「そっか。あの、さ、」

「うん」

「友達に繋がらないんだ。ポメもだめだった。」

「わかった。そしたら、学校から連絡があったらすぐ教えてあげるから。」

「……うん」

「軽くご飯食べて休みなさい」

「わかった。」と言ったところでぐぅぅとお腹が鳴った。

母の顔を見て、話をして。クラスのことが解決したわけではないけど、自分の体調や明日のことを考えるくらいの余裕は出た。ご飯を食べて布団に入り、目を閉じる。


熱の影響か、薬のせいかすぐに眠くなりウトウトしてきた。

微睡みながら私は東條くんのことを思い浮かべる。最後に見たときも東條くんはポメを持ってくれていた。東條くんとポメ……。


『―――我々、王国は……』

ワイワイガヤガヤ。

『国のために君たちを異世界から召喚したのだ。』


は?何?急に声が……とっさに目を開くと、クラスメイトと玉座が見えた。

・ポメ

茶色のポメラニアンをまんまるにデフォルメしたようなキャラクター。耳と尻尾、毛に埋もれてほぼ見えない短い手足が毛玉から直に生えています。何故か舌を出しっぱなしで笑っているようなまぬけな顔をしているのがチャームポイントです。

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