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嫌いなままのあの夏が。  作者: 鈴嶺華奈
2/6

1、私の人生はここから苦かった。

須藤瀬奈(すどうせな) 小学一年〜

優菜(ゆうな)とは気づいた時にはもう友達だった。

学童もクラスも一緒だったし、席だって近かった。

毎日学校と学童で一緒に遊んでいた。

そんなある日、私は優菜とドラのもんのへび太の話になった。

廊下で楽しく話していた時。

「へび太ってさ、いつもしすかちゃんにほっぺた叩かれてるよねー」

「そうだねー」

「なんかさー、えーっと...あ!そうだっ!」

私は廊下を歩いていたクラスメイトを見つけて優菜の方へ連れて来た。

「ねぇねぇ、ちょっとごめんね」

しすかちゃんの真似をして優しくその子の頬を叩いた。

「ゆうちゃん、こんな感じだよね?」

「うん、そんな感じだよね」

私と優菜は楽しく笑っていた。

「急にごめんね、痛くない?」

「...大丈夫」

「ばいばーい」

「あ、うん」

私は優菜とその後も話した。

すると次の日の朝の会で私と昨日頬を叩いた友達が先生に呼ばれた。

「瀬奈さん、昨日お友達のことビンタしたらしいですね」

「?...ビンタってなんですか?」

私はビンタなんて言葉知らなかった。

急に先生に呼ばれた事だけが不思議だった。

「ビンタは頬を叩く事です」

「そうなんですね。ビンタしましたがそれがどうしたんですか?」

「どうしたんですか?ではないです!謝りなさい」

よく(わか)らなかった。

なぜ怒られているのか。

痛かったら昨日「大丈夫」ではなく「痛かった」と言えばよかった話だ。

今思えばこの時点でこの子は嘘をついていることになる。

「ごめんなさい」なら昨日行ったはずだ。

じゃあそれは何だったんだろうと思った。

でも、みんなに見られている以上謝ったほうがいいと判断した私は、謝った。

「...ごめんなさい」

「...許せない...」

「じゃあこれからどうしたらいいか二人で考えなさい」

私と友達は教室の端に追いやられた。

「ビンタしない、(ひど)いことしない」

「...うん」

二人の空気は異様だったことを、今でも鮮明(せんめい)に覚えている。

それから、優菜はずっと一緒にいてくれたけど、一部の人は私を()けるようになっていた。

その時ビンタしてしまった友達とは、一切話さなくなった。


私の人生はここから苦かった。

次回は 2、不安な日へのカウントダウンは、もう始まっていた。 です。投稿日は未定です。

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