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 サトルは、腫れ物に触るかのように尋ねる。

「うーん、そうだね。難病指定の病気だよ。筋力がね……徐々に低下して、関節と脊椎(せきずい)拘縮(こうしゅく)(変形)が生じちゃうんだって。普通に座ることも出来なくなるから、最終的に寝たきりで、車椅子生活になるみたい。呼吸機能も弱まるから、そのうち人口呼吸器とかも必要に——」

 アヤは、そこで一旦言葉を切った。そしてもの悲しい表情を浮かべ再び、喋りだす。

「ごめんね。こんな、ヘビーな話。聞きたくないよね」

 サトルは、必死に首を横に振った。

「そんなこと……ない。だた、いきなり過ぎて、頭が追いていかないっていうか……」

 実際、そうだった。まるで現実感がない。いきなり、非現実な世界に放り出されたような感覚。

「だよね。突然、こんなことカミングアウトされてもねって話だよ。ただ……山代くん

には、どうしても知って欲しかったんだ。あなたは、私にとって『特別な人』だから」

 そして、重苦しい空気を破るように、アヤは勢いよく立ち上がった。サトルが視線を上げると、そこには先ほどまで暗さを微塵も感じさせない、彼女の笑顔があった。

「見て!雪が降ってるよ。うわぁ、外は絶対寒いだろうなー!」

 窓に視線を移しながら、彼女は嬉しいんだか、嫌なんだか測りかねる態度をとった。



 家へ帰宅したサトルは、半ば放心状態でベッドにダイビングする。

 寝転がえり天井を見上げながら、彼は別れ際にアヤと交わした会話を、ぼんやりと思い出す。

 まず心配だったのは、彼女が学校に通学して大丈夫なのか?という点だった。それに着いてアヤは「無理を言って、通学を許可してもらった」と答えた。身体の異変に気づき、病院で精密検査を受け、病名の告知を受けたのも、つい最近なのだと知った。

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