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07話 釣りに行こう

二人は釣りに行こうと準備を完了して移動手段について話し始めた。


「リーシャちゃんはこの動物の名前分かる?」


タルトは昨日のトカゲもどきを指差してきいた。


「あっ、はい。

りゅうしゃをひくおとなしいまものでたしか…‥ マストドンだったかと」

「馬車じゃなく竜車かー。

扱い方も知ってる?」

「ごめんなさい…‥わかりません」

「いいよ、気にしないで」

(ウルは何か知ってる?)

『昨夜、マスターがおやすみ中に近くにいたマストドンと会話をしておりました。

竜車を引くことくらい簡単かと』

(この魔物と会話できるの!?)

『ある程度の知恵がある動物なら可能です。

竜車を引くぐらい賢いようです』

(では、ウルに任せて竜車でしゅっぱーつ!)


湖に向かう道中で木の実や香草など収集もおこなった。

しばらくすると大きな湖のほとりに到着した。


「まずはこの辺で餌となる虫を探そう!」


タルトは水際近くの石をどんどんひっくり返していった。


もぞもぞ


「キモッ!

分かってたけどやっぱり触りたくないかも…‥」

『本当にマスターはアウトドアに向いていませんね…‥』

「タルトさま、この虫をつかまえればいいんですか?」

「リーシャちゃんは平気なの?

捕まえた虫をこの鎖を加工した釣り針に取り付けてくれるかな」

「わかりました!」


リーシャは虫をつかむと釣り針にどんどん付けていった。


(ところで、この糸は本当に大丈夫なの?)

『どのような魚がいるか分かりませんので断言は出来ませんが、現代の釣糸が出来る前は麻などの繊維を利用していました。

似た植物を使用しましたのである程度は耐えられるかと』

(やってみないと分からないって事ね。

肉食じゃないと良いんだけど…‥)


ヒョイッ、ポチャ

ヒョイッ、ポチャ


…‥


「釣れないねーーーー」


タルトは水面を見ながら呟いた。

リーシャは蝶々を追いかけて遊んでいた。


『マスターは忍耐力が無さすぎです。

釣りというのはそもそも…‥』

(ウル、おじいちゃんっぽい…)

『おじいちゃんとは失礼ですね。

確かに永い期間存在しておりますが』

(ところでここに魚いるのかな?)

『話をすぐに変えるんですから…‥。

魔力感知では水中に反応があります。

餌が異なるのかもしれませんね』

(そっか、なら別の手段で捕まえよう!)


タルトは変身してステッキを構えた。


「レーダー反応に向けて魔力弾改め…‥

マジックバレットッ!!」


ヒュッ、、、ドン!


「連射ーー!!」


ヒュヒュヒュ、、、ドドドン!

…‥

ぷかーー


「やった!成功!」

「タルトさま、すごーーーい!

さかながいっぱい!」

『マスターはある意味、柔軟性があるのかもしれません…‥』

「さっき威力を落として殺傷力を弱める練習しておいて良かったよ!

あれだと連射も可能だしね」


タルトは空を飛んで魚を回収していった。


「大量だし帰ろうか!

今日食べる分以外は保存用として干物にでもしよう」

『マスター、少しお待ちください。

湖畔で地面に手を着いてもらえますか?』

「こう?」


タルトの手の下がうっすらと光、白い結晶が現れた。


「きれーーい」

「これって…‥塩の結晶?」

『この辺は川から運ばれたナトリウムが堆積しておりましたので、集めて結晶化しました。

干物を作るなら塩分を使えば保存期間が延びます』

「おおぉーー!

料理の幅が広がっていいね!」

「これっておしおなんですか?

こんなにいっぱいはじめてみました」

『この世界では調味料は貴重なのかもしれません。

中世では胡椒は金と同等の価値がありましたから、ここでも同じだと思われます』

「じゃあ、帰って美味しい魚をいっぱい食べようね!」

「はい!たのしみです。

ここでしたしょりをしちゃいますね」


リーシャは魚の内蔵を取り除き水で綺麗に洗った。


「リーシャちゃん、魚に塩を刷り込もうか。

これで腐りにくくなるんだよ」

「ふあぁー、タルトさまはものしりなんですね」

「あはは…‥」


ウルの受け売りだった為、素直に喜べないタルトであった。

下処理を終え魚を荷車に積み込むと帰途についた。


パチパチッ


塩と香草で味付けした焼き魚を堪能し、残りを木に吊るして干物の準備をした二人は焚き火を囲んでいた。


「リーシャちゃんの服は魔法で洗浄出来るけど、ぼろぼろのフードだけだから新しいのを探さないとね」

「リーシャはこれでもだいじょうぶです…‥」

「だーーめ!

リーシャちゃんは可愛いからお洒落しないとね。

昨日の竜車が通っていた道を辿れば町に着くと思うんだよね。」

「まちですか…‥すこしこわいです…」

「大丈夫だよ、私が絶対に守るから!

一応、フードを被ってれば分からないんじゃないかな」

「…‥はい…タルトさまをしんじます」

「良し、じゃあお風呂に入って寝よう!」


すぽーん


「えっ、えっ、ふあぁーー!?」

「それーー!」


じゃぽーん


「相変わらずフニフニのスベスベな柔肌だねーー」

「くすぐったいですっ、タルトさまーー」

「このへんかな?この辺が良いのかな?」

「ふあぁーっ、しっぽはだめですってばー…‥」


…‥


こうして夜は更けていった…‥

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