表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/293

51話 復活

50話も書きましたが、少しでも文章力が上がったでしょうか?

設定の確認で見返した時に、誤字脱字パラダイスでへこむ今日この頃です…

場所をタルトの神殿内にある会議室に移し、今後の対策を話し合い始めた。

まず、口火を切ったのはオスワルドだった。


「我が領地の兵を全て集めても千にも満たないでしょう。

しかも、ゴブリンキングを越える相手に歯が立つとは思えません。

それは悔しいことに自分自身も同様ですが…」

「王都からの援軍は期待出来マスノ?」

「それは難しいでしょう。

片道に一週間は掛かるうえに、戦の準備も含めると間に合わないでしょう」

「まともに戦えるのは私とシトリー、リリス、カルン、桜華殿、琉殿、雪恋殿、ティートといったところか。

タルト殿はそれまでには戦えるようになってくれてると良いんだが…」

「俺はまだ、そのメンバーでは足手まといになりそうです。

残りの日数で少しでも強くなるよう努力します」

「聖女様は無理してでも我らを守るため戦われるでしょう。

真っ直ぐで優しい方ですから」

「オスワルドの言う通りだなぁ。

だが、うちらだけでは2万の軍勢を町へ行かないように止めるのは無理だ」

「確かにその通りデスワ。

でも、逃げる場所もないのですケドネ」

「そうですね…。

我らが時間を稼ぎ、出来るだけ王都へ避難して貰うしかないですね。

それでも、王都まで追ってきたらこの国が滅ぶかもしれませんが。

ノルン様、天使の軍勢に援軍をお願いできないのでしょうか?」

「この町が人間だけであれば可能だろうが、獣人や悪魔がいるから逆に挟み撃ちという形で、余計に手が付けられなくなるぞ」

「ハア?そんな奴等は返り討ちにしてやりマスワ。

でも、この状況で敵を増やすのは下策デスワネ」

「めんどくせえ奴等だなあ!

仲良くやれよなあ」

「鬼も天使から見たら討伐対象なのだが…」


なかなか打開策は出てこなかった。

それだけ戦力差が圧倒的だったのだ。

他のメンバーが戻ってきてから、翌日の朝に集まることにした。


その夜、タルトは自分のベッドの上で目を覚ました。

周りを見るとリーシャ、ミミ、リリーが同じベッドの上で寝息を立てている。


「目が覚めた、タルトちゃん?」


声の方を見るとモニカが椅子に座って微笑んでいる。


「モニカさん…私は…」

「まだ、無理しないでね。

怪我人の治療を終えてから、ずっと寝てたのよ」

「…そうだ。

沢山の魔物が攻めてくるんですよね?

あの後、どうなったんですか?」

「落ち着いて、この子達が起きちゃうわ。

こっちに来て、説明もするし何か食べないと」


タルトは静かにベッドから降りて、モニカに付いていく。

そのまま食堂に案内され、椅子に座ったがショックから立ち直れていないようだった。


「お父さん、タルトちゃんが目を覚ましたわ」

「おお、嬢ちゃん、具合はどうだ?

腹減ってるだろ、何か作るぜ」

「大丈夫です…食欲ないので…。

それよりもどうなったんですか?」


エグバートは話し合いの内容を簡単に伝えた。

明日の朝から他のメンバーも交えて、もう一回話すことも。


「そう…ですか。

明日は私も参加しますね…」

「はあ…そんな状態の嬢ちゃんだったら参加させられねえぜ」

「何でですか!

町が失くなっちゃうんですよ…。

このままじゃ皆、死んじゃう…」

「嬢ちゃんは聖女なんて呼ばれてるが、まだ子供だ。

飯も食えねえくらい元気がないならゆっくり休まないと駄目だぜ。

俺には嬢ちゃんみたいな力はねえが、それでも子供を守のは大人の仕事だ」

「それじゃ、エグバートさんが死んじゃう…。

もう誰かが死ぬのは嫌なんです!

やだやだやだやだやだ…嫌なの…」


駄々をこねた子供みたいになってるのを、モニカが優しく抱き締めた。

頭を撫でると、大人しくなった。

エグバートはその様子を眺めながら、椅子に持たれかかった。


「町長は嬢ちゃんの笑顔を見るのが好きだったんだ。

早く元気にならねえと、町長も安心しておちおち眠れねえよ」

「…ジョンさんはいつでも優しく接してくれました。

どんな提案でも嫌な顔をせずに賛成してくれて…」

「町長の息子には、子供が二人いてな。

アイツからみたら孫に当たるわけだが、とても可愛がっていたんだ。

ある時、魔物の襲撃を受けて女の子の方が亡くなってな。

嬢ちゃんの事を孫娘に似ていて可愛いといつも言ってたな。

さすがに見た目は似てねえと言ったんだが、いつも笑顔でいる所とかそっくりなんだと」

「そんなことがあったんですね…」


エグバートは天井を見つめながら昔の事を思い出していた。


「町長とは俺が子供の頃からの付き合いなんだがな、昔から熱い男だったんだ。

ここは光と闇の領地の境目でな、当時から寒村でな。

襲う価値もなかったからか、時々、弱い魔物が現れるくらいだったしなあ。

町長はそんな村をもっと大きくしたいと、ずっと豪語していたんだ。

一人でも村を栄えさせるために色んな事に挑戦していたぜ。

魔物に田畑を荒らされても、諦めてなかったなあ…」

「ジョンさんらしいですね…」

「だがな、孫娘を失ってからは人が変わってしまったように元気がなくなったんだ。

本人も最近、言ってたが生きてたけど死んでいるのと同じだと言っていた。

村人は段々、少なくなっていたが最後の一人になってでも、この村を守ると言っていたから情熱は完全には消えてなかったんだろうな。

俺が店を続けられたのはアイツのお陰だしなあ」

「私も小さい頃から、いっぱい可愛がって貰ったのよ」


モニカが懐かしそうにしている。


「エグバートさんは平気なんですか…?

大切な人を失って…」

「辛いに決まってるだろう。

まあ、男として涙なんて流さねえけどな」

「ふふっ、あんな事、言ってるけどあの時、お父さん少し泣いてたのよ」

「なっ、何言ってやがる!

泣くわけねえだろ」


親子のやりとりにタルトの顔にうっすらと笑顔が戻った。


「そんな事はどうでもいいんだ。

あの悪魔三人娘が来たときは終わったと思ったぜ。

悪魔なんて初めてみたが、勝てる相手じゃねえし、逃げ切れる訳ねえしなあ。

さすがの町長も諦めたって言ってたな。

その時だ、嬢ちゃんが現れたのは」

「あはは…あの時は私も勝手に体が動いてました…皆を助けないとって」

「相変わらずだな。

村を救ってくれただけじゃなく、嬢ちゃんの提案であっという間に、村が発展していったよな。

あの時の町長は見たことないくらい生き生きしていたよ。

嬢ちゃんが生き甲斐を与えてくれたんだと。

どんなに大変でもその笑顔を見れば元気が出たらしいぜ。

その男が命懸けで作り、守った町を託されたんだ。

どんなに辛くても、俺に出来ることは何でもやらねえとなあ」

「タルトちゃん、辛かったら私が何時でも慰めるからね。

それくらいしか出来ないけど一杯、甘えて良いんだよ。

それは恥ずかしい事じゃないし、一人で頑張らず、もっとお姉さんを頼って欲しいな」

「…う…ぅ…モニカざん…エグバートざん…。

ぅぐ…ぅ…うわああああぁあぁあん」


タルトは暫く泣き続けた。

モニカは優しく頭を撫でており、エグバートも静かに見守っていた。

泣き止んだタルトの目には生気が戻っていた。


バチィーーン


タルトは自分の頬を両手で叩いた。


「もう…大丈夫です!

ジョンさんの為に町を守らないと!!」

「やっと、いつもの嬢ちゃんに戻ったな。

その笑顔を待ってたぜ!」

「あはは…ご心配をお掛けしました。

なんか、元気が出たらお腹が空きましたね…」

「待ってなっ!

元気が出る飯を作ってやる!」

「あーぁ、もっと甘えてて良いのに。

妹が出来たみたいで可愛かったなあ」

「えぇっと…また、落ち込んだときにお願いします!

なんかお母さんみたいでした」

「お母さんって、まだ、そんな年齢じゃないからねっ!」

「「ふふ、あはははは」」


タルトはとにかく一杯食べた。

失っていた元気を取り戻すように食べた。


「その小さい体の何処に入るんだろうなあ」

「本当に良く食べるよねぇ。

その割には成長しないよねえ」

「何かこれ以上、成長しないし歳も取らないみたいなんです」

「何それ!ずっと若いままなんて羨ましい!

お姉さんにその秘訣を教えなさい」


そこに飛び込んでくる者がいた。


「姫様が!姫様がいなくなった!

誰か見ていないか!!」


雪恋は動揺を抑えられないようであった。


「落ち着いてください、桜華さんがいないんですか?

最後に見たのは何時ですか?」

「少し前に別れて自室に戻られたのだが、気になって行ってみると戻った形跡がないのだ…」

「こんな時間に行くとしたら…」

「まさか…お一人で藜様の所に行かれたのでは!

ご自分を犠牲に町を守ろうと…」

「場所は分かりますか?

直ぐに追いかければ、歩いてるでしょうから追い付けるはずです!」

「頼む!姫様を救ってくれ!

代わりに私の全てを貴公に捧げよう!」

「私が抱えて飛びますので、道案内お願いします!」


二人は急いで飛び立っていった。

高速で飛んでいるとボンヤリと明かりがひとつ見えた。

街道を町とは逆方向に真っ直ぐに進んでいるようだった。


「あれですね、襲撃があるのにこの道を通る人はいません!」

「すまん、接近して降ろしてくれ!」


一気に近寄ってみると桜華が一人で歩いていた。

行く手を阻むように進行方向側に降り立った。


「やっぱり来たか…」

「姫様!一人でどちらに行かれるおつもりか?」

「決まっているだろう、馬鹿兄貴の所だ。

このままじゃ打つ手なしで町が滅んじまうからなあ。

うちが狙いなら迷惑描けないように直談判するしかねえだろぉ」

「ここは絶対に通しませんよ、桜華さん!」

「ほう、いつも通りに戻ったみてえだな。

だがな、みんなの命が掛かってんだ、力ずくでも押し通るぜ!」

「止めてみせます!」


タルトはステッキを構え、戦闘体勢に入る。

一気に上昇し、一直線に桜華に向けて凄い勢いで下降を始めた。


「何のつもりだあ!

そんな真っ直ぐに突っ込んできて、舐めてるのかあ?」


桜華は居合い抜きの体勢のまま、タルトを見据えている。

どう見ても策もなく、ただ突っ込んで来るようにしか見えなかった。

どう対応するか悩んでいると、あと少しという距離で更に衝撃的な事が起こった。

何とタルトの変身が解け、普段着に戻ったのだ。

あの勢いで地面に衝突すれば、人間ではひとたまりもない。

桜華は無我夢中でタルトを落ちてくるのを、受け止めたのだった。

勢い余って、二人は重なるように地面に倒れた。


「いてて…おい、タルト、大丈夫か?」

「な、何とか…」

「何てむちゃしやがるんだ!

あのままじゃ死んじまうだろ!!」

「絶対に受け止めてくれると信じてましたから」

「全く…おい、そろそろ離れろよ」

「嫌です…一緒に帰ってくれないと、ここで泣いちゃうんですから。

大声で泣いて、小さい子を泣かした悪者にしちゃうんですから」


タルトは桜華に抱き付いたまま、離れる気が無さそうだった。


「参ったねえ…泣く子には勝てねえよ。

こんな手でくるとは、予想外だ」

「そうですよ、まだ諦めるには早いです。

予想外の手が残ってるかもしれないじゃないですか。

それに私の心配をしてくれたように、桜華さんの事もみんな、心配してるんです!

だから、自分を犠牲にするなんて絶対に、ぜーーったいに駄目です!」

「…分かったよ。

お前を信じるぜ、死ぬときは一緒だぜ」

「誰も死なせないよう頑張るんです!」


二人の戦いを見守っていた雪恋もほっとしている。


「雪恋も心配かけたな、さあ、町に帰るか」


「タルト様、姫様を救って頂き忝ない。

約束通り、この命をお預けする」

「えぇーーー、そんなの良いですよぉ…。

そうじゃなくても、助けに行きましたし」

「私めに二言はありません」

「桜華さん、助けてくださいよぉ」

「こいつは頭が固いから無理だなあ。

まあ…なんだ…頑張れ」

「そんなぁーーー」


静かな森にタルトの声が響き渡るのであった。

桜華だ、

あんな攻撃方法は反則だよなあ?

次回は面白い策を考えてくれることに期待だな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ