44話 児童誘拐事件簿1
大晦日をどのようにお過ごしでしょうか?
今年最後の更新になりますが、来年も宜しくお願いします!
ガブリエルとの戦闘後、帰ってきた他のメンバーも集めて、反省会を行った。
まずは、いなかったメンバーへ今日、起こったことを説明した。
「はっきりいって私より魔力量が多かったと思います。
量が多いから強いわけではないですが、一人ではあっさり負けていたかもしれません…」
「いやっ、タルトは良くやったぜ!
うちらは一撃喰らって、しばらく動けなかったし謎も解いてくれたしなあ!」
「全く、その通りだ。
タルト殿がいなければ、全滅だっただろう」
「大天使といえば悪魔の第一階級と同等の強さと聞きマスワ」
シトリーは過去に第一階級とあったことを思い出す。
当時は会うだけで動けなくなるほどの力の差を感じたのだった。
「まだ、他にもあんなに強い人がいるんですね…。
その上には神様もいますし…」
「俺にはとても分からない上位の話ですが、出来ることがあれば、何でも言ってください!」
「ありがとう、ティート君。
そうだね、やれることを頑張るしかないよね!
みんなも何か対策等を思い付いたら、いつでも教えて下さい!」
「一つ良いか?
タルト殿は動きが素人で無駄が多いように感じる。
鍛えれば見違えると思うんだが」
「それは、うちも思ったぜ!
どうみても素人で、勿体ねえんだよなぁ」
タルトは只の女子中学生なのだから、仕方のないことである。
日頃から体育しか運動などしていなかったのであった。
しかも、インドア派で休みも家にいることが多かった。
「うっ…そうですよね…。
ノルンさんや桜華さんに教えて貰うようにしますね…」
「勿論、協力はさせて貰おう。
他の者も苦手な事などを教えあって、レベルアップを図ろうと思う」
「まあ、妥当な考えデスワ。
ワタクシも近接をもっと鍛えることにシマショウ」
お互いに苦手な事や教えられる事を共有し、今後の鍛練の計画を話した。
戦いの疲れもあり、この日は早めにお開きになった。
翌日、朝から昨日の続きを始めた。
夜にぐっすり、寝たことでいろんな意見が飛び交った。
1時間ほど話したところで、部屋に自警団の若者が入ってきた。
「お話し中、失礼します!
火急の用件がありまして…」
「そんなに急いで、どうしたんですか?」
「実は、学校に通っている子供が行方不明になったそうです。
今朝、学校に来ないので、家に確認したら朝早くに学校に向かったそうで…」
「それは直ぐに探さないとっ!
手懸かりは何もないんですか?」
「それが連絡を貰って、直ぐに捜索したのですが何も見つからずに…。
ですから、聖女様へお知らせした方が良いと思いまして」
「それは奴隷商の仕業かもしれないですね。
子供をさらって、奴隷として売る輩がいるんです。
俺達、獣人の子供を人間が捕まえて売っているから、気を付けるように聞いたことがあります」
「確かに、さらわれたのは移住してきた獣人の子供です!」
「すぐに周辺の村も含めて、関の検問を厳しくするよう通達してください!
あとオスワルドさんにも事の顛末を伝えるように!
私は取り敢えず現場に向かいます」
タルトはノルンとシトリーに周辺の調査や聞き込みを依頼し、自分は急ぎ、現場へ向かった。
途中で行方不明の子供の家によると母親が対応してくれた。
「聖女様…リタが…何卒、お助けください…」
母親はすがるようにタルトに懇願した。
「リタちゃんというのですね。
私達が全力でお探ししますので、もう少し待っていてくださいね」
泣き崩れる母親を宥め、先を急ぐことにした。
「どう、ティート君、匂いは追えそう?」
「そうですね、まだ、あまり時間が経過していないので、大丈夫そうです」
ティートを連れてきたのは、警察犬のように匂いが追跡出来ると思ったからだ。
獣人は人間より五感が鋭く、特に犬系であると嗅覚に優れていた。
ティートでも、そこまでではないが追跡くらいは出来るので、リタの持ち物から匂いを覚えて追跡を開始した。
真っ直ぐに学校へ向かっていたが、人通りの少ない路地を抜けた辺りで痕跡が消えていた。
「すいません…ここで匂いが途絶えてます…」
「馬車とかに乗せたとかかな?
でも、馬車の速度より速く関の検問強化を指示したから、オスワルドさんの領土からは出てないはず何だよね」
「俺もそう思います。
何処かにほとぼりが冷めるまで、潜んでるんでしょう」
「人もかなり増えたから、犯人の居場所特定は困難だよね…。
一旦、皆と合流して今後の対応を考えようか」
予め決めておいた集合場所に行くと、既に他のメンバーも集まっていた。
「現場を見てきましたが、おそらく、途中で馬車に乗せたみたいで手掛かりなしでした…」
「やはり、そうか。
聞き込みでは不審者の目撃情報はない。
最近は流通が活発だから、商人に化けているのだろう」
「申し訳ございマセン、タルト様。
商人の馬車は多すぎて、誘拐した者を特定することは出来ませんデシタワ…」
「いえ、私も何も出来ていません…。
この近くに潜んでいると思われますから、何とか見つけましょう」
「そうだなぁ。
奴隷目的ならすぐに殺したりはしねえだろうからな。
ただ、時間がたつと衰弱するかも知れねえぞ」
「そうですね、心に傷がついたら大変ですから急がないと。
どんな小さな手掛かりでも良いので、徹底して探してみましょう」
再度、解散し情報収集を続けた。
だが、これといった有力な情報は得られなかった。
夜も更け、今日集まった情報を整理し、解散することになった。
タルトはお風呂に入った後、一人自室で今日の事件を考えていた。
(手掛かりがないけど、何とか見つけないと。
この世界では奴隷制度が普通にあるんだよね。
リーシャちゃんも初めて会った時、奴隷商人に捕まっていたんだっけ…。
この国はそんなに盛んではないし、王様にお願いしたら禁止にしてくれたから、油断してたのかも…。
私のせいで嫌な思いをした人もいるだろうしな…異世界だから文化が大分違うから、考え方も相容れないこともあるよね。
しかも、本当に必要な時に魔法が役に立たないだから…)
『マスター、前にも話した通り、そんな万能な物じゃありませんよ』
「それは分かってるんだけど、無力さを感じて自分が嫌になりそうなの…」
「マスター…」
コンコン…
「ん、誰だろう?
どうぞー、入ってください」
ドアが開くとリリーが一人で立っていた。
無言のまま部屋に入り、タルトの前で止まった。
「どうしたの、リリーちゃん?」
「タルト…お願い…ある」
タルトです!
来週のサザ…ではなく、次回は主人公なのに出番がないようです…。
誘拐事件に新たな動きがあるようですので、楽しみにしていてください!




