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18 好戦的な二人

「えっと、つまり偶然その姿で第二王子に見つかってしまい、弁解も出来ないうちに外に出されて、急いで中に戻ろうとしたらあの魔法のせいで入れなかった、と?」

「・・・はい。その通りでございます。」

「・・・・・・由奈、取り敢えず言わせてくれ。」

「・・・はい。」

「お前、最初に見つかったのが俺でよかったなぁ!!」

「ほんと、それなって感じです・・・!」

ジョズさんの心からの叫びに私も心から共感する。

いや、ほんとそれな!!ジョズさんが私を最初にみつけてくれなかったら今頃どんな目にあっているか・・・!

思わず身震いをする私を見てジョズさんはポンポンと私の頭を撫でた。

「ほんと、良かったよ・・・」

安心したように、優しく笑うジョズさんを見て思わず私はうるっときてしまう。

「ジョズさん、ステネさん、本当に保護してくださってありがとうございました。今日中にはなんとか出て行けるようにするので、それまであと少しお世話になります。」

「ん?おいおいおいおいおい!ちょっと待て?!なんで出て行くとかいう話になってんの?!」

「へ?」

座ったまま2人にぺこりと頭を下げるとがっ、とジョズさんにすごい勢いで肩を掴まれた。

「な、なんでも何も、政府が街にきたらお2人に迷惑がかかるじゃないですか!まあ、この姿じゃ聖女候補だとはバレないと思いますけど、パイネマを匿ってると分かったら100%おふたりに迷惑がかかるでしょう?」

私の説明にジョズさんとステネさんは何故か同時にため息をついた。

・・・え、なに?


「由奈ちゃん、あのね。私達はさっきも言ったけどパイネマを保護するのはこれが初めての事じゃないし陛下のご意向も知っている上で私達はこの活動をしているの。」

「は、はい」

優しい声色で私に話しかけてくれたステネさんに私は素直に頷く。

「だから、今更由奈ちゃんがここで保護されてようが何しようが、私達は困らない。分かる?」

「で、でも私結構厄介な人物だと思うんですけど・・・。この世界の常識なんてないし。」

「なら、尚更よ。この世界の常識なんてないからこそ私達と一緒にいた方がいいわ。」

「由奈、お前が俺たちに迷惑かけたくないのはわかった。でも、そんなのは今更なんだ。俺たちは俺達の意思でパイネマを保護してる。だから由奈がどんなやつだとしても俺達は由奈を護りきる。分かったか?」

2人は真っ直ぐな綺麗な瞳で私を見た。

数秒後、私はぎこちなく頷いた。


「分かり、ました。本当にお世話になります・・・!」

勢いよく、そして今まででいちばん深くお辞儀をすると、ジョズさんは何も言わずにぽん、と頭を撫でてくれた。

ジョズさんは割と直ぐに頭を撫でてくるけど、今はなんだかそれがすごく落ち着いた。



コンコン



と、そこにドアをノックする音が聞こえた。

私は思わず身体を強ばらせる。

「由奈ちゃん、奥に隠れて」

ステネさんのいつもより低い声に私は頷いて奥の部屋へと隠れた。


私が隠れたのを確認したステネさんが「はいはい、今開けますね」と、返事をした。


私は息を潜めて耳を澄ます。

すると、ジョズさんではない男性の声がした。

「あの、こちらにジョズはいますか?」

「・・・俺ならここにいるが?」

男性の声に応じたジョズさんの声がする。

・・・ん?あの男性の声どこかで聞いたような。

首を傾げながら変わらず耳を澄ませていると、男性の方が「宿舎を訪れたらここにいると聞いた。・・・お前、パイネマか金髪翠眼の女性を見なかったか?」とジョズさんに問いかけた。

「いんや、見てねぇよ。・・・なんだ、わざわざそんなこと聞くためだけにここまで来たってのか?」

ジョズさんは男性の質問に訝しげな声で応える。

「・・・誰がそれだけのためにお前なんかに会いに来るか。お前がパイネマの少女と門の前で話していたという情報が入ったんだ。確かに、俺とあった時お前は女性と話してただろ。」

その男性の言葉に私はあっ、と思わず声が出そうになった。

・・・そうだ!この声はジョズさんと話している時に会った反パイネマ派の幹部だ!!


考えてみればあの人の良さそうなジョズさんがあんな不機嫌そうな声で接する人なんて限られてる。

・・・幹部の人がどうしてここに?

私は改めて二人の会話を聞くため、集中する。

「確かにかっわいい嬢ちゃんと話してたが、それが何か?なんだ、この国にはパイネマと話しちゃいけないって言う法律なんてあったけか?」

「・・・ちっ、お前は本当にいちいち癇に障るしゃべり方をするな。別に問題はそこじゃない。どうせお前だってあの話は聞いてるだろう。」

「あの話だぁ?」

「秘密裏に召喚されていた聖女候補の1人が行方不明になったことだ。・・・明確な証拠はないが、陛下は政府に反感を持っているパイネマが攫ったのではないのかとお疑いになっている。」

・・・あのくそ豚、やっぱり頭空っぽだったか。

私は盗み聞きしながら思わず半目になる。

大体どうやって政府に目の敵にされてるパイネマが私たちの部屋までこれるのよ。


と、そこまで考えた私はあれ?と首を傾げた。

・・・そういえば、第二王子は私が聖女候補の部屋の前にいた事誰かに言ってないのかな?今出た名前は陛下だけだし。

でも、あの時の私パイネマの姿だったし、割と怪しかったと思うんだけど・・・。

うんうん、とうなっていると、「ふざけているのか!!」と男性の怒声が聞こえてきた。

え、何?!


いきなり聞こえてきた大きな声に私は慌てて声の方を見る。

こっそりと覗くと見覚えのない私と同い年くらいの眼鏡の男性がジョズさんを見て怒鳴っているのが見えた。

「お前はいつまでそんなことを言っているんだ!そんなんだからお前はいつまでも門番をやることになるんだ!」

「ハッ、俺はお前みたいに自分の信念を曲げて上のやつらにヘコヘコ頭下げるくらいならずっと門番でいいね。」

「・・・いつか絶対にその選択肢を後悔する日が来るぞ」

「お前こそ」

眼鏡の男性はジョズさんの言葉に舌打ちをして、無言で扉を閉めた。

数秒の沈黙の後、ジョズさんが「もう出てきていいぞ〜」と緩い雰囲気に戻って私に声をかけた。

「あ、あの・・・、ジョズさん、あの人に何を言ったんですか?」

思わず私が聞くと、ジョズさんはいたずらっぽく笑った。

「聖女候補をパイネマが攫ったんじゃないかって言うから、いつまであんな頭空っぽのやつに仕えてるんだか、って言ってやっただけだよ。」

「え、そ、それって・・・やばくないですか?」

私が顔を青くさせるのを見てジョズさんは笑みを深くした。

「あ、やっぱり?ちょっと言いすぎたとは思ったんだよね」

「あら、あれくらいがちょうどいいと思うわよ。ジョズが言わないなら私が言おうと思ってたもの」

ジョズさんの言葉にさらに慌てる私の横でステネさんが意味深な笑みを浮かべながらそんなことを言った。



・・・・・・ふたりともぉぉ!!好戦的すぎですから!



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