表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換えた結果

作者: 木村城士

 私はブラック企業で働いている。

 夜勤ありで生活リズムは不規則。さらに残業も多く、それでいて給料は雀の涙だから割に合わない。

 今年入社した新卒が半年で半分辞めるぐらいだから、どんな底辺職かはお分かりいただけると思う。

 これで職場の人間関係が悪かったら私もとっくに辞めているところだが、その点に関してだけは何故か悪くないのが不思議でならない。

 まあ、辞めたとしても転職は年齢的に難しく、仮に転職したところでどうせ同業他社ぐらしか雇ってくれないだろうから、転職活動なんてとっくに諦めている。

 さて、こんな仕事をしていると口癖になる三つの言葉がある。

 それは『眠い』『だるい』『帰りたい』だ。

 『眠い』は単純に眠いから。拘束時間が長いので、家に帰って雑用を片付けているだけで自分だけの時間が足りなくなる。それで睡眠時間を削るから、余計昼間に眠くなってしまう。

 『だるい』もその言葉通り。貴方も九時から翌九時まで仕事をやってみればわかる。だるさが半端ない。

 そして『帰りたい』は上記二つの言葉から自ずと導かれるだろう。

 この三つの口癖だが、ある日同僚との会話で話題になったことがある。その時、彼はこんなことを言った。


「言葉がネガティブだから余計にマイナス思考になる。ポジティブな言葉に言い換えればプラス思考になるんじゃないか?」


 ああ、それはあるなと思い、仕事中に二人で考えた。それで思いついたのが、


「眠い」→「今夜はよく眠れそうだ!」

「だるい」→「今日は頑張ったな!」

「帰りたい」→「帰ったら何しようかな!」


 これで多少はプラス思考になるだろうと二人して爆笑したが、実際にプラス思考になったかどうかというと……なるわけがない!

 『ブラック企業』を『ホワイト企業』と言い換えて待遇が良くなるだろうか? それと同じことだ。

 しかし、くだらないことを話のネタにして、同僚と会話を楽しんだのは良い気分転換になった。その点だけは間違いなくポジティブだったと言える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ