ベルメリヨン戦争
平野に轟音が響く。
上空から白い光がいくつも降ってきて、平野で爆発をおこしている。
水色の髪に、黒いローブをまとった男が空中に魔法陣を描くと、壁でもできたように光が空中で跳ね返されて散っていく。
「遺跡に隠れろ!」
水色の髪の男が叫ぶと、同じように黒いローブの男が列になって遺跡の中に駆け込んでいった。
水色の髪の男も後を追い、遺跡の中に滑り込んだ。
「ソルダート、どうする?」
金属の肌の男が水色の髪のソルダートに聞いた。
「さっきの防御用魔方陣もそれほど長くは持たない。防御が効いている間にできるだけここから遠くへ逃げるぞ」
輪になって座っていた男たちがうなづき合い、ローブの裾を払って立ち上がろうとした瞬間、激しい揺れとともに遺跡の中に光が差し込んだ。見上げると天井はなく、薄青の空に竜が数匹飛んでいた。
「なんだ・・・竜か?」
「援軍が来たのか?」
「味方なら、あの竜に乗せてもらえば!」
口々に話し合う男たちに向かい、上空の竜は口を大きく開けていた。
そして、地面を焼き尽くさんばかりの火を噴いた。
「違う!竜騎士だ!」
「いいから森へ入るぞ!」
熱と衝撃で吹き飛ばされ散り散りになった男たちに、竜の背中に乗った人が杖から白い光を放った。
男たちの悲鳴は火と爆風に巻かれ、様々な物質が焼ける臭いと煙に変わった。
その後、焼き尽くされた平原と遺跡からは、ぼろぼろのローブと溶けた金属質の手足が回収された。