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理想が、現実に?─2
「す、すげぇ。」
先程までの動揺は、すでに驚嘆と感動に変わっていた。いつも玄関を開けてみる風景──目の前の田んぼ、錆びれたバス停が、近代的な、かつ自然と調和した都市へと変わっていたのだから。
───驚いていると、バス…のようなものが目の前で止まった。
「早く乗りなさいよ~」
「え!?これなに!?」
「通学バスよ~。乗らないと遅刻しちゃうわよぉ~」
いつも自転車を20分こいで向かっていたが、これは楽でいいや!バスに乗ることにしよう。
こんな気持ちはいつぶりだろう。新たな世界に期待と不安を抱きながら、バスの階段に足をかけた──