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理想が現実に?─1
偽母に急かされ、僕は学校に向かうため、家を出ることにした。
「…!?」
思わず言葉を呑んだ。
そこには、宙に浮く自動車、見上げるほどに高いビル群、緑の豊かな自然公園があった。
「…なんだ、これ?」
今まで気付かなかったが、左の手首にリングが装着されていた。触ってみると──
「…!?」
──どこからか、いや、手首のリングからモニターが写し出され、現在地や目的地である学校へのルートが示されていた。
『これが…夢の世界…!?』
どうやらこちらの世界は、都市の近代化と自然の保護が実現された世界──
まさに「夢の世界」だった──