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日常は、どこに?─3
──ここはどこだ?──
それだけじゃない。よく見ると、母の顔は見たことのない他人だった。
『これは悪い夢だ』
夢生は自分の頬をつねった。
「…痛くない⁉」
どうやら夢のようだった。
「早く目を覚ませ、僕!」
「それには早く眠らなければならないわ」
「!?」
話しかけてきたのは母、いや、母らしき他人だった。
「ここは夢の世界。私は夢生の夢の中の母よ。」
「夢の中の…母さん!?」
「夢生が目を覚ますには、こちらの世界で1日を終わらせる必要があるの。こちらの世界の夢は、向こうの世界になっているわ」
『こっちの夢は、あっちの世界?』
正直頭が混乱していた。見知らぬおばさんにそんなことを言われても、鵜呑みにはできなかった
「とりあえず学校に行ってらっしゃい。遅刻するわよ」
「えっ!?」
こちら側の母に促され、急いで学校へと向かった──