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異世界転移で魔王の身体にされました  作者: 鳴海 蒼
第1章 魔術師になるということ
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5話「成長速度」

「…………疲れた」


 異世界転移してから数日、魔力弾を放出する日々です。

 本日は反撃されずに狩れる兎や狐等の小動物を狙っている。

 先日に覚えた初級術式の探索を使用し、魔力弾で狩る作戦なのだが野生の本能に驚きを隠せません。動きが早すぎて魔力弾が当たんねー。


「おい、魔導書。あんたの周囲にいる生物を感知して、その場所に撃ち込むって作戦が悪いんじゃないのか?」


「いえ、魔力弾の速度と動く生物に対する狙いの精度に問題があるように見受けられますが?」


「ええっ? なんだよ、それ?」


 もっと速度を上げて、狙いを正確にするのは言うほど簡単じゃねえよ。俺が不満そうに敵意を向けると嘆息したようにあっさりと解決策を導き出す。


「そうですね。現状、マスターの魔力弾放出は二段階で行われています。

 魔力弾を作るので一段階。

 魔力弾を撃ち出すので二段階。

 これを短縮して行って下さい。そろそろ、創造力向上の良い機会です。

 魔術師は既成概念に囚われてはいけない生き物なのですから」


(また、殺気を放ちすぎで獲物が逃げ出そうとしているのですが、言わないでおきましょう。余計に気持ちがたかぶる事になりそうですしね)


 既成概念に囚われるな、か。

 なら、魔力弾を真っ直ぐ撃ち出すよりも獲物を追いかけるように創造すればいいんじゃないか? それに探索魔術に集中していて、無属性しか使っていなかったな。

 速度に適性な属性と探索魔術を併用すれば、仕留めるまでに位置を見失う事もなくなるしな。



 獲物を探す為に再度、歩きながらの探索魔術使用、しばし探索すると小さい標的を発見!


 ここでう駆ける意識を集中して、命中するまでは探索を展開しつつ、魔力弾を放出。


「新魔術、疾風追尾弾しっぷうついびだん


 先程までと同様、獲物は逃げ出すがそれでは俺の放った魔術の速度には到底及ばない。

 ピギャッッという変な悲鳴がし、見事に命中したようだ。よし、成功だ! 創造が上手くいけば、大抵の魔術行使は出来そうだな。保有魔力量が多い身体に感謝だな。



 予想以上の術式展開にマビノギは驚いていた。

 追尾型の魔力弾っ!!

 中級以上の魔術師と呼ばれる者達が好んで使う術式。

 術式使用には初級と中級の壁と呼ばれる二重魔術が必須といわれている為だ。


 しかも速さと相性の良い属性の風系を選択するだけではなく、術式事態も発展させているですって!

 術式成長の範囲に留まらない真白の成長速度に。身体があれば、身震いしている程、感情が高揚していた。


(ふふふふふっ、面白いです。面白いですよ、今度のマスターも。今後、初級と偽って中級術式を教えていきましょうか? それとも、地道に初級を教え、自身で発展させるのを楽しむか、悩みますね。ちょっと試してみましょうか)


「あんたのアドバイスもなかなか有用だったぜ。無事に食料確保だ」


 真白は手に仕留めた兎種のノリスンを持ち、満足いく結果に嬉しそうだった。


「マスター、お見事ですね。直射型から追尾型に変更した創造力は素晴らしいです。もし、宜しければ単発だけでなく複数の標的がいる場合は連射をされてはいかがでしょうか?」


「普通に撃ち出すのは直射型といわれているわけね。そういえば、一番近い場所にいるやつを狙って、単発でしか撃ってなかったな。折角だから色々とやってみようか」


 その後、連射魔術も成功し、無属性の魔力弾(以後、魔弾)や水弾も追尾型で試してみたが速度では疾風には及ばなかった。

 属性による得意分野がある事を理解し、食料確保という狩りは順調に進んでいった。

 俺が調子に乗って、木々に囲まれているにも関わらず、使ってはいけない火弾で周囲の草木が燃え広がるまでは。


 慌てて、水弾の発展系である魔術を使用しようとした瞬間、空から大きな水流が降ってきた。


「おい、お前! そこで何をやっているんだ?」


 これが異世界で初めての人間との邂逅かいこうであった。



『真白の使用可能魔術』


・魔力弾→魔弾(無属性)、火弾、水弾、風弾

・追尾弾

・連射弾

・強化魔力弾→疾風弾

・探索

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