表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

動物嫌い

作者: 玉吉

私は、動物が嫌いだ。

動物園に行っても牧場に行っても、まともな動物を見たことが無い。

物陰に隠れていこちらからは見えない状況だったり・・・・ちっさく隅っこで丸まって・・・まるで、でっかい饅頭のような姿しか見たことが無い

釣りに行っても魚を釣ったことが無いし・・・

森に出かけて罠を仕掛けても・・・獲物が取れたことも無い

私は、農夫で畑を耕しているが・・・良い事もある・・・柵を作らなくても動物に作物があらされることは無いって事だ

私の能力は虫や病気には効きにくいようだが・・・

もちろん、家に動物はいない・・・どっかに行ってしまうので・・・・


そっか!

ちょっと副業を思いついた・・・私が穀物倉庫に行けば、ネズミが逃げ出したりしないだろうか?

うむ、試してみる価値がある・・・


早速試してみたら、大当たりだった・・・町に飼われていた動物が逃げ出す事件も起きたけど・・・・

ネズミ駆除の副業をしてるうちに・・・


冒険者が集う酒場にこんな仕事が・・・・

コボルトという犬の顔を持つ半人半獣の怪物が坑道に群がって困っているというもの・・・・屈強な冒険者が何度も挑んでいるクエストだそうだ・・・・

聞いた話によると、それほど強くないモンスターらしい、一匹一匹は・・・・

いったいどのくらいいるんだってほど数がいるらしい・・・冒険者のほうが退治してて疲れてしまって・・・・クエスト完了とはいかないとのこと・・・


半人半獣なら私の能力・・・半分は効くかな?っと、安易な考えで、クエストを受ける・・・・コボルトとかいうモンスターを見たら引き返しちゃえばいいやぐらいな気分で・・・・


早速その坑道に出かける・・・・坑道に着いた・・・・着いちゃった・・・・モンスターはいない・・・一匹も

遠くの山のほうに移動していく団体さんが見えた気がしたが・・・・


ということで、クエスト完了・・・あっけない感があったが・・・・



なんとなくいい気になった私は何か私でも出来そうなのはないかなぁ~って事で、狼男退治のクエストを受けてみた・・・・

報酬は貰えなかった・・・・私が狼男が出たという町に近づいた時、一人の男が理由も言わず町から引っ越したらしい・・・それからその町では狼男は出なくなったそうだ・・・退治してないからダメってことらしい・・・


帰りしなに吸血鬼に娘さんが襲われたとか言うお金持ちが騒いでいるのを見た・・・私には何も出来ないと思うので、たいへんだなぁ~っと・・・帰路を急ぐことに・・・・私は森で道に迷って夜になってしまった・・・野宿は恐い何とか建物は無いかなぁ~っと・・・古びた城が遠くに見える・・・あそこに泊めてもらえないものだろうか?城に向かってみる・・・・近づくと・・・・城が逃げる・・・あからさまに・・・消えて離れたところに現れる・・・・そういえば吸血鬼の・・・私は襲われたくないので城を追っかける・・・ひたすら・・・ひたすら

あれ?あの城チッサクなってない?見た目に小さくなってく城・・・消えて現れるうちに間取りが減ってる・・・次の日のお昼まで追っかけたら・・・森の外に出ていた・・・そして目の前には納屋が?確か城だったのだけど・・・ここ小さくなるとは?納屋の中にはいってみる・・・・中には豪華な棺おけが一つ・・・・カタカタと揺れていた・・・

私は声を掛ける「あの~?もしかして?吸血鬼さん?」

相手の言葉は、予想外な言葉だった!。

「許してくれ、もうあの町には行かない。あの娘にはもう何もしない。」

大当たりだったようだ・・・私が城に近づいたとたん恐くなって逃げ出したんだそうだ・・・・吸血鬼も動物の部分があったんだろうか?城を多量の魔力で移動させてるうちに・・・魔力が無くなって・・・建物が小さくなってしまったらしい・・・力がなくなった吸血鬼・・・・棺おけ開けて見てみたかったが、私はただの農夫・・・襲われたらと思うと・・・約束してもらったことを守ってくれるように言って・・・その場を去ることにする


そうこうしてるうちに、どこで聞きつけたものか?王様から呼ばれた・・・私、ただの農夫ですよ?でも呼ばれたので行ってみることにする・・・・

王様から言われた事は・・・ドラゴンを退治して来い

ドラゴンっすか?あれ、ものすごい強いモンスターですよね・・・私ただの農夫

無理無理

どっかの有名RPGじゃあるまいし・・・・

お断りしようとする私の前に積み上げられるお金・・・・

お金・・・お金・・・さらに積まれるお金

いやまあ、もしかしたらトカゲの大きいのって考えれば・・・・

この依頼を受けた。

王様は、その国で一番強い戦士と魔法使いと僧侶をつけてくれた・・・以来の確認と途中までの護衛だそうだ・・・ありがたいなぁ~

旅の途中でその人選がもしかしたら・・・厄介払いだったんじゃと思うように・・・知性のかけらも無くひたすら肉を食う脳みそまで筋肉だった戦士と、壁にぶつかっていても気がつかないビン底めがねで・・・本から目が離れない・・・いつもブツブツ言ってるいろんな意味でイッテル魔法使い・・・放蕩であった女の人には声を掛ける浪費家の僧侶・・・必要経費の全てが王様宛なのが助かるが・・・・

しかし彼らは強かった!途中で会うモンスターのすべては彼らによって倒されたからだ・・・私はもちろん逃げ回っていた・・・

私がいるのにモンスターがなぜ出るんだと思う人もいるだろうけど・・・・巨人とか大きい虫とかそういうのには・・・私の能力効かないのですよ・・・・・


そうこうやってるうちに、ドラゴンが住むという洞窟に・・・

私の弱さを知ってる彼らは、私をおいてドラゴン退治に・・・・ドラゴンを倒すとドラゴンスレイヤーって称号がもらえる、これが凄いものらしくて・・・・彼らは目を輝かせて・・・・まぁ、ドラゴンに私なんか何ができるかわからないしここにいたほうがと考えたりしてたのだが

しばらく、洞窟の外で待っていた私は・・・・かすかな戦闘の音・・・大きな悲鳴×3が聞こえた後・・・・あたりに静寂が広がった・・・・

あぁ、想像できる事が多すぎる~

私は二者択一を迫られた・・・・


洞窟の中にはいる、逃げる・・・逃げるの場合、ここにくる時にあったモンスターに襲われれば・・・・私には命が無い。

選択肢・・・・もともと一つだったのかもしれないと・・・鬱々な気分になりながら・・・・洞窟に入ってみる


洞窟の奥のほうに行ったら黒焦げになってるけど・・・かすかに生きてる3人組・・・・よかった~

いやよくない!!

「おろかな小さきものめ!!ここまで来た事を永遠に悔いるがいい!!」と、いいつつ

ドラゴンが目の前に~

大きく翼を広げつつ、大きく口を開けた口の中には炎の光球がぁ~


私は走馬灯ってものがあるのを・・・はじめて知った・・・・生まれてコレまでの色々な体験が・・・・

魚釣りに行ってもつれない

団子や饅頭のようになった動物達・・・・



そうじゃん!

私、生まれて初めてだ!!

だって、こいつ逃げないじゃないか!!

私は逃げない動物に対して満面の笑みを浮かべた


「な、なぜ笑う貴様!!」光球を飲み込んでドラゴンが怒鳴った。


そうだよ、火で焼かれたり噛まれたり・・・あの大きな爪で引っ掛けられたらあっという間に・・・・

どうせ死んじゃうなら、この逃げない動物をよく見ていたい・・・そして、私にとって今までない体験生きてる動物に触ってみたい・・・・

コレがかなうなら死んじゃっても良いじゃないか


私は喜びに満面の笑みを浮かべドラゴンに触れに行った!!

触れた!!鱗は硬いけど・・・確かに鋼より硬いといわれることだけはある。

でも、なんとなくシットリ感が・・・・



さぁ、触ったぞ!!もう後悔は無い!!

本望だ!!

流行り病で死んじゃった・・とうちゃんかあちゃん・・・結婚してないけど妻よ・・・・いないけど愛する子供たちよ

父ちゃんがんばったよ!!


洞窟内に悲鳴がひびいた


私か?断末魔の叫びとはこういうものか?


「ひぃぃぃぃぃぃ!」


悲鳴をあげてたのはドラゴンだった

「許してください!!命だけは助けて!!ここにある宝物でもなんでもあげるから~」


あれ?

生きてた・・・私は生きてるぞ~


回復した3人組とドラゴンの溜め込んだお宝を持って・・・王様に報告しに戻った・・・・


私は、ドラゴンスレイヤーの農夫になったw

私は動物が嫌いだ、かわいかったドラゴン以外は・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ