表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

作者: 稲榎 江弥

 ――出現 ギョウシ


 昼下がりの理科室。蛇口が付属されている黒いテーブルの上に配られた課題プリント、何の変哲も無いこれまた黒色の光学顕微鏡、そして濁った水の入ったビーカー。それらを使って、今日の理科の実験は微生物や細胞を見て、それをスケッチすることになっている。

 濁った水は昼休みに理科の教師が校内に作られたビオトープから採取したものだ。この水の中には、教科書や資料集を見る限りでは「ミジンコ」とか「アメーバ」とやらがいるらしい。

 顕微鏡を組み立て、調整するのに五分も要らない。接眼レンズや対物レンズを装着、反射鏡で顕微鏡内の光の明るさが均一になるように調節、あらかじめ準備しておいたプレパレートをステージに取り付け、ハンドルでピントを調節する。上手く見えたらもうこの時点で比較的大きい細胞の形が判別可能になる。

 僕は細胞を探した。彼らに出会いたくてたまらない。そんなはやる気持ちを抑えながら慎重に調節を繰り返した。焦れば焦るほど見ている円形の景色が乱れて、彼らに会う時間が遅れてしまう。

 あ……、見つけた。薄茶色の丸い円の範囲に半透明の細胞たちが。

 ゆらゆら揺れているものもあれば、じっと動かないものもいる。それは透明であったり、緑色であったり。ただし少し観察しスケッチするには幾分範囲が広い気がした。僕は反射鏡で少しでも明るく、対物レンズで倍率を上げ、ハンドルで調整した。さっきよりもはっきりと細胞が見えるようになった。

 そのまま右手で鉛筆を持って、僕はプリントに細胞の形を模写し始めた。対象は緑色の、名前もわからないような微生物だ。後で資料集を見て微生物の名称は確認しよう。

 こういう孤独な作業は嫌いではない。授業である以上わいわい楽しみながら行う、というのに小学校の頃から違和感があった。それに、中学生になった今でも、幼稚園児と精神年齢が変わらないくらい馬鹿騒ぎをする同級生と一緒になって騒ぐくらいなら、一人を選んだほうがマシだ。

 細胞を描いている行為は、白紙の海から島を出現させているみたいだ。今でもたまにやる遊びだけれど、架空の土地を自由帳に描き、そこから線を入れて分割、オリジナルの市町村名を書き加え、鉄道の路線と駅、それに港や空港などを点や線で表現し、どんな街が出来上がるだろうかというのを想像して楽しむことを、昔からしていた。この細胞スケッチはそれと似ている。

 あの細胞の島はこの地点が中心街で、きっとこの気泡の辺りが小学校の校舎とグラウンド、そしてこの港からあの細胞まで船が出ているのだ、と想像できる。こういう細胞の島ならゼラチンに似た土地だろうから、きっと街は作れないかもしれない。でも、ただゼラチン状の土地に寝そべることも気持ちいいかもしれない。この現実世界の、特に学校みたいに硬い四角四面の建物に囲まれた世界にはないものが、顕微鏡の中で広がっているような気がした。

 そもそも丸みを帯びた有機物が、無機質で角が立つものの中で生きているという事実がおかしい。歪な曲線でさえ許してくれない世界では生きにくい。曲線を正直にありのままに収めたいのに、囲う側が形作られていれば、曲線は嘘をついて直線になってでもその形に合わせようとする。

 細胞の島なら全て自然に受け止めてくれるだろうか。例えば、そう、僕とか……。それが出来たならゼラチンに沈み込んでも構わない。

 そんな有り得ないことを考えながら、再び細胞を描く作業を行うために、僕はまた顕微鏡を覗いた。



 ――凝視 ボウカン


「この紙をすぐに校長先生に渡して下さい。お願いします」


 私のクラスの井原君が、授業中にいなくなったのに気付いたのは、私が最初でした。

 ふと教室を見渡すと、廊下に続く扉の前で観察をしていた男子の姿がどこにも見当たりませんでした。みんなはどうやら観察や他愛も無い話で盛り上がっていて全く彼の不在に気が付かなかったみたいでした。

 すぐさま私は彼がいたであろう場所へ、私の場所が窓際だったので教室の端から端を歩いて、やはりいなくなっていたことを確認しました。理科の谷町先生が私に「どうしたの?」と聞いてきたので、彼がどこかに消えたのだ、と説明しました。先生は即座に授業を中止しました。

 先生は教室内にいたクラスメイト全員を座らせ、私以外に彼について気が付いた者がいたか、を調べました。誰も手を上げませんでした。

 話題は、ペアとして彼と一緒に実験を行っていたはずの男子、澤村君はいったい観察の時間何をしていたのか、へと移りました。澤村君曰く「俺はナンキチとキョータのところで一緒にいたし。だって井原がずっと顕微鏡独占してたから何もすることなかったんだ」とのこと。

 ナンキチとキョータというのは澤村君の仲の良い友達のことです。どちらにせよ、ペアを組んでいたにも関わらずに別のペアのところへふらふらと行ってしまうのはよくない、と先生は注意しました。そういう問題ではない、と私は反論したくなりました。

 井原君はお手洗いに行ったんじゃないか、という意見が出たので男子二人が近くのトイレに見に行きました。二人は一分半くらいで理科室に戻って、開口一番「いなかった」と先生に告げました。

 そもそも扉の開く音すら、授業中誰も気が付きませんでした。引き戸なので音で開閉に気が付きやすいはずだったのですが、彼がいなくなったことに私が気付いた時、そしてその前に彼がいたのをこの目で見た時も、私は彼の背後にある扉が閉まっているのを見ていました。構造上、彼はこの理科室にいないとおかしいはずなのです。

 そもそも彼は授業を途中で投げ出して勝手に教室外へ出る、といったことをする人間ではありません。精神年齢が幼い男子の中では比較的真面目で大人しく落ち着いていて、さらに成績も良く、簡単に言えば「優等生」という言葉で位置づけられるだろうと思います。サボりをするなど絶対に無いだろう、と私を含め誰もがそう考えたのではないでしょうか。

 けれど彼も人間だから、きっと何か悩んでいることがあったのかもしれません。つい教室から出たくなるようなことが。

 隣にいた私の友達のユミちゃんが「そういや井原君、イジメられてたじゃん!」と叫んだことをきっかけに、話の方向性が変わりました。

 イジメとはどういうことか、と先生がユミちゃんに聞くと、澤村君たち三人が先週校舎の裏手で井原君に対して暴力をふるっていたのを見た、と答えたからです。勇気のある告白だと思いました。下手すれば次は自分もやられてしまうかもしれないというイジメの恐怖があるにも関わらず、声も震わせず毅然とした態度で堂々と言い放ったユミちゃんはすごく格好良いと感じました。

 もう一度澤村君たちは先生に問われました。イジメをしていたのか、いなくなった直前に何かしたのか、と。

 澤村君は「イジメじゃない!あの時はただじゃれあって遊んでいただけだ!」と顔を赤くして必死に答えていました。ユミちゃんは小さく「嘘言うな」と呟いていました。何を見ていたのかわかりませんが、きっとユミちゃんには明らかな暴力行為に見えたのでしょう。見方や立場によって同じ行為でも何通りも捉え方が変わってしまうことを幾度となく経験しているからこそ、一方的にどちらが正しいのか、と断定する訳にはいきません。たとえ友人であっても。

 その次の質問に対しては、言葉を濁しつつ「ただ……俺の分もスケッチやっといて、とは言った」と澤村君は非を認めたような発言をしました。

 ユミちゃんは「課題を他人に押しつけるなんて何の意味も無いじゃない!どうせ井原君に嫌々やらせたんでしょ」と追求しました。

 ところが「井原は何も言わずに俺のプリントまで預かったから、OKなんだなあと思った」と澤村君は反論しました。

 確かに彼は無表情というか感情を表に出すような人間ではなく、時折冷酷な印象を与えてしまうのも事実でした。私も彼を「そういう人間」であると理解するのにしばらく時間がかかりました。だから、イジメがあったことなど誰も気が付かなかったのです。誰も彼が悩んでいることすら気が付かなかったのです。誰かに「助けて」と叫ぶような性格でもなかっただろうし、ある程度のことなら我慢しているようにも見えました。我慢というか大人みたいに上手く隠している、と言う方が正しいかもしれません。

 私は悔やみました。こんなことになるとわかっていたなら、委員長である私が、あまり人の近づかない彼にも心配して接してあげていれば、もっと私個人として仲良くしていれば、もっと好意を表していれば、あわよくば告白をして私と彼が恋人になっていれば……。きっと悩んだり我慢したりすら忘れてしまっただろう、と。

 私はすぐにその思念を振り払いました。なんて不謹慎なのか。結局それは私自身の都合でしかなく、どこにも彼の気持ちなど入っていない、身勝手で見苦しく醜い押しつけでした。そういう気持ちを抜きにして、私は彼自身を心配しなければならない。

 やっぱり私は自分のことしか考えられない子供だと思います。我慢が足りない、と考えたばかりだったのに。けれど「授業中ずっと彼を見ていて、目を離した次の瞬間にはもう彼の姿がなかった」ことがきっかけで彼がいなくなったのに気づいたので、あの時ばかりはそれで助かったと思います。

 結局どこに彼は行ったのか、わからないままでした。理科室の空気は「井原君がいなくなったのは澤村君たちのせいである」という認識で包まれていました。

 もう一度、先生は全員に彼を捜すよう命じました。

 しかし、男子中学生が隠れられる場所など限られ、平均より比較的背が低いと思われる彼でも、隠れることが出来るのは掃除用具入れとか理科準備室とか棚の下とか窓の外にあるベランダなどしかないです。もちろん、みんながそこを捜したし、ましてや他に隠れられる場所など考えもつきませんでした。

 私は、ほとんど一瞬で消えた彼のことを考えました。そう、先生に説明した言葉通り彼は「消えた」のでした。まるで漂っていた霧がさあっと晴れるようでした。先生はどこかに「いなくなった」というニュアンスで捉えたみたいでしたが。

 彼は直前に何をしていただろうか、と私は考えました。最初からそうしたら良かったのに、と自分自身で責めました。時間が経ってショックから立ち直って冷静になったので、今更だと思いながらもう一度振り返りました。

 そういえば、顕微鏡を見ていたような……。

 私は、こんなことが起こるのだろうか、と自分のファンタスティックな想像に驚きました。可能性云々ではなく絶対に不可能なことのはずなのに、もしかしたらという望みも捨てきれない自分が意外だと思いました。

 だから私は、自分の考えが正しいのかを確かめたいこともあって、彼の使っていた顕微鏡に顔を近づけて、接眼レンズに目を当てて覗きました。



 ――傍観 シュツゲン


 ひやりとしているのに、背中から伝わる柔らかい感触のおかげか、経験したことのない心地良さが身体の中を血流に乗って巡る。

 気がつけば目の前が真っ暗でどうしたものかと考えたが、腹筋を使いながら上半身を起こすと光が見えたのでとりあえず安心する。暗闇は落ち着く時と落ち着かない時があるけれど、少なくとも突発的に世界が暗くなったら落ち着かない部類に入る。

 理科室で実験をしていたはずなのに、顕微鏡を覗いた瞬間、身体のコントロールが利かない上にぐるりと世界が回転したかのような、眩暈に似た感覚に襲われて、さらに頭に血が上りつつ風が頭上から足へと流れていくのを感じながら、意識を失った。

 あれは真っ逆さまに落ちていたのだろうな。どういう物質かは判別できないが、少なくとも感触の良い地面の上で寝そべりながら、そう認識した。遊園地にあるジェットコースターに乗ったことがないので逆さになって落ちる経験がなかった。おそらくあれは初めてのことかもしれない。まあ、二度と経験しなくてもいいか。胃の中のものがこみあげそうになるくらい気分の良いものではない。

 僕は立ち上がろうと試みた。質感がどうも滑りやすいみたいで、果たして上手くバランスをとって立てるのだろうか、と一瞬心配になったけれど、いざ立ち上がってみると弾力のある地面であったために、立つにも歩くにもさほど悪影響がないことがわかった。

 辺りを見回した。

 空は闇夜のごとく暗く、白い月が浮かび、地は真白に輝いていた。判別できないがどうも地には水が溜まっているみたいで、だから水のある部分は「海」と名づけることにした。海の白さは目に毒ではないかと思えるほど眩しくて、近づいて直視したら失明の危険があると直感した。遠くから見てもおそらく眩しさはあまり変わらないだろうが、頑張れば目は耐えられるだろう。だからなるべく遠くの方を見た。

 海にはいくつか島のようなものが浮かんでいた。それはどれもがやや半透明で、内部には気泡のようなものが見えた。何個かは緑がかった色をしていたし、何個かはどうやら動きを持っているようだった。僕は足元の地面を見た。やはり周りの島みたいなものと同じく、半透明でやや緑色をしていて、そして気泡が見えた。

 見たものを総合的に考えて、一つの結論に至った。

 この世界は、顕微鏡に設置したプレパレートの中ではないか。

 自分がさっき想像した島みたいな世界に入り込んでしまったのではないか。

 それは違う、と考えた。第一、どうして僕は息が出来るのだろう、という疑問が生じる。プレパレートは二枚のガラスの間に水を挟んでいるはず。ガラスに乗せた水分の上に小さなガラスを被せるのだから空気が吸える訳がない。偶然というかガラスを被せる際にミスをして空気が混じってしまった、その空気のある部分に丁度自分がいる、と考えるなら、たしかに息は出来るかもしれない。しかし、それでは呼吸するにも空気の量に限界があるだろう。酸欠の危険も否めない。

 それにもし顕微鏡の中に吸い込まれたというなら、身体が異常なまでに縮小したことになる。この異常な世界の広大さから察するに、ミクロ、いやナノレベルまで小さくなっているかもしれない、と予想する。

 どちらにせよ自分はとてつもなくSFか夢みたいな世界へと迷い込んだようだ。そして、なんとなくこの場所の居心地は満更でもない上に、むしろずっとここにいたいとさえ感じ始めていた。


 無音に近い静けさが僕の周りを包み込む。僕の呼吸音と水平線の向こう側から聞こえる風の唸りくらいだ。風は吹いてないからか海に波は起こらない、よって波の音も聞こえない。あまりに静か過ぎるので不安感が募るかというとそうでもなく、煩わしい学校のざわめきに比べたら落ち着ける空間だった。強いて希望を言うならクラシックの静かなBGMが欲しいところだ。それは頭の中で流すことにした。口ずさんでもいい。

 静けさは、ここが一人だけの世界なのだと実感させた。

 僕はまた細胞の地面に寝そべった。ただただ流れる時間に身を任せていたい。何にも縛られず、しがらみもなく、法も罪も罰も必要はなくて、他人と触れ合う必要もなくて、自分だけを大切にして、自由にして、わがままにして生きたい。この世界の外では決して自分に許されなかった制限を解放したい。

 ここまで一人で、かつ静かであると、何かを考えたくなる。

 常日頃から自分は周りと一緒になりたくない、周りと同じようには見られたくない、と考えていた。喧しいのが苦手で、落ち着きを求めていた。教師や大人と話していると子供とは違うと実感させられた。

 成長したらこんなに人間は落ち着くのだろうか。逆に考えると子供の頃に存在したパワーが失われているのだろうが、むしろ大人はその有り余るパワーを含めて自分の心を上手くコントロール出来ているように感じた。

 そして自分はまだまだ未熟なのだと突きつけられる。大人たちが自分に向ける視線は「子供扱い」だと気づかされる。どんなに大人びた口調や態度を装っていても一般的な子供の枠から外してはくれない。それが怖い。

 大人だけではない。澤村という同じクラスの男子がいるが、彼はわざと僕を遊び仲間に入れようとする。澤村は僕だけに悪戯を仕掛ける。彼の目線は「子供扱い」する大人の目と一緒だった。彼の存在が怖かった。落ち着きたい心をいとも容易く乱していく。子供は子供らしくしていろ、とでも言われているみたいだった。彼の家は歳の離れた兄が二人いるらしく、そういう環境で育ったからそんな大人のような目線で同級生を見るのかもしれない。


 考え事をしてぼんやりとなっていた頭を、ぞくりとした寒気でいきなり覚醒させられた。

 月だと思っていた場所から目が浮かんでいた。

 目は一瞬見えなくなったかと思うと、二倍以上大きくなって迫ってきた。もう一度同じことを繰り返し、目は巨大になった。

 筋肉が上手く動いてくれなくて、頬の上が引きつり、目を閉じたいのに目蓋が急速に凍りついて動かない。大きく開かれた口からは荒い呼吸音が聞こえてきた。

 巨大な目は一旦消え、白い月に変わり、また巨大な目が現れる。何回も何回も現れては消え、を繰り返した。

 見るな。

 そう僕が呟いた時、風とは違う呻き声が聞こえてきた。しかし判別できないことはなかった。

「イーハーラークーンガーコーコーニーイーマースー」

 絶えず目は消えたり現れたりを繰り返す。

 見るな見るな見るな。一人になりたいんだ。大人になりたい子供、というこんな気持ち悪い立ち位置にいる僕を見るな。一人が約束されたから色んなことを考えられたのに、恥ずかしい自分を覗き見るな。

 耐えられない。視線が、目が、怖いんだ。ただ怖い……。

「ドーウーシーテ、コーンナーコートーニー」

「タースーケーナークーチャー」

 そんな地にも響くような深さを帯びた巨人の声が聞こえてきた時、地面が大きく揺れた。地面から飛ばされそうになった。しがみつきたくても心許ない滑らかな地面しかなかった。同時に空と地面の白黒が逆転した。BGMならオーケストラでスペクタクルな演奏になっているだろう。世界の終わりのような女声コーラスまで聞こえてきそうだ。

 ドンと下から衝撃が来た後、ぴたりと揺れが収まった。乱れっぱなしだった息は過呼吸といってもおかしくないほどに不安定になっていた。ちゃんと酸素を取り入れているのかさえ疑わしい。

 天は白く、地は黒い。それはつまり理科室の白い天井と黒いテーブルなのだと感じた。ガラスのせいで薄ぼやけた肌色と白い下半身の巨人がうごめいているように見えた。顕微鏡という名の黒い巨塔も水平線の彼方に見える。

 その水平線の辺りから大きな直線が差し込まれた。虹の末端みたいに幅のある銀色の直線。

 その直線が何をしたいのか、ということはとっくに理解できていた。

 やめてくれ、と願うけれど、それ自体無駄なこともわかっていた。

 きっと世界は僕を一人にしてくれないのだろう。


初投稿作品です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ