プロローグ
どこまで続くかわかりませんが、自由気ままに書いていこうと思います。
30世紀末、魔法による大規模な戦争が勃発した。
戦争のきっかけは、隣国同士による些細なもめ事だった。
A国とB国の境に突然現れた小さな泉を巡って、どちらの所有物にするかという問題が起きた。元を辿れば、どちらのものでもなく、神が所有する自然界のものであるので、そんなことでもめる方がおかしいと思うが、ことはそう単純ではなかった。
何事も自分のものというレッテルを貼りたがる人間の心と、政治的背景が絡んでいた。
もちろん、これらの報道が、小さなボックス型のスクリーンの中で流れた時、僕は想像もしていなかった。のちに自分が戦場へ駆り出されるなど………。
何万人との貧民を抱えるA国と、不治の病が流行していたB国では、泉という存在は喉から手が出るほど、輝かしい資源であった。泉をめぐり、両者互いに話し合いを続けた結果、両国はそれまで費やしていた時間と、口の筋肉を無駄にするという選択肢を選んだ。
そう、戦争が始まってしまった。
2国から始まった小さなもめごとは、戦争へと変わり、次第に参加国を増やしていった。やがて世界各国が参加する世界になった。何世紀も戦争から離れ、沈黙を貫き通していた国でさえも……。
結果は悲惨なものであった。
地球上にいた人口の8割の命が散り、また枯れた。多くの土地は破壊され、瓦礫の山となった。
小さな灯で始まった争いごとが、日に日に勢いを増し、もはや誰も止めることができなくなっていた。
そんな最中この戦争に終止符を打ったのは、戦争が始まってから14日経った時だった。どこかの国の強大な魔法を持つ者が、この地球上にブラックホールを生み出した。
ブラックホールは、みるみるうちに全てを吸い込んでいき、全てを破壊していった。
戦争の破壊とは比にならない破壊の力を目の当たりにして、人々はようやく気がついたのだ。
己の愚かさと、本当の”失う”意味を。
どこかの情報によると、この地球が終わりを迎える……つまり全てがブラックホールに吸い込まれるまで、あと4日だそうだ。あと4日で、本当の意味で全てが終わる。
誰も想像していなかった突然訪れた世界の終わり。
希望も何もなくなったこの世界で、あと4日間生きる僕。
そして、君。
これは、世界の終わりで出会った僕らの物語。
あと96時間………。
僕らの結末をどうか最後まで見届けてほしい。それが、僕らが生きた証になるから。