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4000兆回目の転生日記  作者: ゆるん
三冊目《監禁魔女王の解放》
76/102

3ページ,元凶は───

 『転移(レザス)』で北の方───魔族領へ行く。もちろん、相手は敵対意識をしているかもしれないので<(セレマ)>で姿を隠す。


 魔族の特徴としては、角があり、魔力も膨大である。目は赤く、金の瞳孔が開かれている。そんな存在がうじゃうじゃといるのが、魔族領。


 だが、そこは土壌が豊富で、経済が回っている。一つの国として存在する。人とは違い、一つの種族が一つだけの国を支えている。


 それでも他種族に対抗できるのは、その膨大な魔力であったり、忠誠心の高さであったり、野心の塊であったりと、他種族が持たぬような力が突出しているからだ。


 そして、その上、国民の幸福度も高い。魔王といわれる一つの王が絶対としてこの魔族領に君臨している。


 だが、魔王は一度死んでから次の魔王が君臨するまでに時間がかかる。それは、勇者の存在が居るからだ。


 勇者は、人の英雄としての代表格といわれる存在だ。それは、人の突然変異などとかが囁かれているが、それは些細な問題だ。


 決定的なのは勇者がいると、種族のバランスが崩れてしまうということだ。


 魔族としては、絶望的な敵が現れるということ。ただでさえ、いつ他種族に進行されるかわからない状況に加え、更なる敵が現れる。勇者というのは、圧倒的な強さ。歴代の中では、神に届く強さを持った勇者もいるそうだ。


 そんなバランスを保つため、神は魔王という存在を勇者と対になるように誕生させた。


 まあ、どっちも同じ生命だ。僕には関係のないこと。


「……パル、説明、多い」


「ああ、ごめんね?」


 確かにこんな活字ばっかりだと飽きたかもしれない。でも、必要な犠牲だったのだ。仕方ない。


 今、私が知りたい情報は、魔王がいるかどうか。それで今後の僕が動くべき行動が決まる。


 魔族の話し合いに聞き身を立ててもいいけど、それだったら細かい情報までは聞けない。自分自身から聞きに行った方が早い。


 私も、魔族の姿へと変える。角を生やし、目を赤くし、瞳孔を金へと変える。


 そして、<(セレマ)>の隠蔽を消す。


「こんにちは? ちょっといいでしょうか?」


 眼鏡をかけ、パッと見は好青年だ。


 屈強な魔族が二人。これでも平均というのだから人族にとっては恐ろしく見えるのだろうな。


「ああ、なんだ?」


「何か聞いておきたいことでもありましたか?」


「いや、実は私、魔王城に用がありまして……」


 魔王城、エーベラスト。魔王が顕在ならそこに住まうはずだ。


「……魔王城? 随分と若そうなのに優秀だな。なんだ? 魔王様の家庭教師かなんかか?」


「いえ、流石にそこまででは……」


「そうですよ、家庭教師なんていったら、それこそ"『(あか)魔人(まじん)』"よりも格上でなくては」


『赫の魔人』。魔族の中では屈指の実力を持つ集団。上位のものであれば、魔王に近い力をもつらしいが……


「それもそうか! 失礼した。魔王城ならあそこだぞ。あの霧の中だ」


 彼が指さす方を向くと、雲で大部分が覆われた場所だった。あれは、意図的に<(セレマ)>で雲を操作している。しかも、あそこが魔王城ってことが分からないように魔力も徹底的に紛らわしている。


 流石、王の根城か。


「ありがとう、またお願いします。ちなみに、お名前はなんていうんでしょうか?」


「ジュレリックです」


「サーマントだ。困ったらまた言えよ。教えてやるから」


「ありがとうございます」『いくよ、アメリ』

(セレマ)>でアメリに連絡する。しっかりと<(エーテル)>の形が僕の後ろにいる。


『……わかった』


 さて、これで魔王がいるということも分かった。任務は完了だ。


 人目のつかないところで『転移(レザス)』を使う。次は荒野だ。


「……なにするの?」


 風が吹き荒れ、人なんか一人居ない。なんせ、"酸素"すらない。ここは、別の惑星。


「ワームレルン、と言われる惑星だ」


「具体的な銀河数(ほしかず)は?」


「<虚次元世界>第9193回生アクトロノス、キューマ銀河の77256351星」


星数(せいすう)は?」


「ワームレルン90002」


「……ホントの秘境だね」


「だな」


 植物すら生えていない。


「……ということは、腕試し?」


「正解」


「見守ってる」


 魔王がいるということが分かったからな。戦争が激化しそうだ。なら、僕はそれを止める力を持たなくてはいけない。それこそ、一人で戦争を止めれるほどの。


 準備体操をして、トアノレスを召喚。


 まず一振り。空間がねじ曲がり、原子が分断される。核分裂が起き、それすらも切り裂く。やがて、絶対真空状態が生まれる。エネルギーさえも、そこに存在している物質すら、無くなった。


『パル、空気がなくなった』


 声が出せなくなったか。


『ごめんね、次は空気が無くならないぐらいには手加減するから』


 その辺の石ころを広い、上へ投げる。手ごたえはあった。見ると、上の惑星の衝突した。クレーターが出現した。惜しいな。もう少しで光速に届いたんだけどな。


『全力でやっちゃ、メ』


『分かってるよ、まだ1割も出していないんだから』


 でも、これくらいあればいいか。もうこれ以上やると惑星を滅ぼすことくらいやることないし。


 さて、ここで調べてみても別に時空間のズレはない。


 となると……あの惑星だけ。しかも、ズレているのは、多分あの星と、地球だけ。


 何故、この二つの星だけがおかしいんだ? 共通点としては……大規模転移。


 松林は作っていない。松林は、異世界に電波を届ける機械を作って、さらに貿易をしていた。そんな松林に<(セレマ)>を習う期間はなかったはずだ。それに、そんな記憶なんて松林にはなかった。


 ということは、エペラーか、エペラーの側近となるが、側近は違う。エペラーは人を信じていなかった。となると、エペラー自身になるが、それもない。


 エペラーはそこまで<(セレマ)>のセンスがない。


 そうなると……残りは……


 ───『では、よりよい関係を』


 ……あいつ等なら、もしかすると、大規模転移を作れるかもしれない。


 しかも、もし大規模転移を作れるのなら、そのデメリットもわかっているはずだ。……意図的に起こした方が正解といっていいだろう。


 取り敢えず、大規模転移の可能性が大だ。


『……考えはまとまった?』


『ああ、帰るよ、アメリ』


 あの聖教会とかいってるやつ? ───カシス教か……。そろそろ、本腰いれて調べないとな。


 あとは……気になるアイツもちょっと探ってみるか。

頑張る。なんとか

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