ふと沸いた疑問、そして、生徒会があらわれた!
校長先生、いや魔法学園だから園長(学園長ってつけないと幼稚園か動物園みてぇだな)なのか……の話って、どこでも、こんなに長いの?
(やべ、ヨダレ垂れてる。)
こんなあたしでも最初は緊張してた。せっかく仲良くなれそうだったフローレはクラスが違った!!し。とりあえず隣の女の子を真似して振る舞ってみる。相手は困ってたっぽいが、とりあえず笑って愛想振り撒いてみた。
(キャラちげーし……)
めんどくせぇ。けど、女相手にできるだけケンカはしたくない(あたしは弱いものいじめはしない主義だ)あたしとしては、余計なトラブルはごめんなのだ。
(ケンカ売られると困るんだけどよ……)
王子とか要らねえから、放っておいてほしい。
(いやいっそ、あたしがやっちまえば早いのか?)
鉄拳制裁するのは構わない。が、気になるのはあたしに両親がいる(らしい)ってことだ。
(いまいちオヤって感じ、しねえけど。)
転生したばっかだし、ぶっちゃけ親子の情なんて沸きゃしねえ。それでも、なんとなく思い浮かぶ両親(設定)は穏やかそうな、いかにも善人っぽい人達で、あたしが王子を鉄拳制裁したせいで、その人たちまで責められるのは、なんとなくイヤだなと思った。
(そうだよ……だから腹立ったんだよクソが。)
水色若白髪は、あたしのことをバカにしただけじゃない。あたしの親まで“笑い者になる”って言いやがったんだ。
(ん、……?)
なぜ、そんなことワザワザ言ったんだ?――と、なんとなく妙な感じがしたけど、よくわかんねえから、まあいいや。
(あー、やっと終わった!)
長かった。それに、けっこう暑かった。
(魔法で冷房とかかけらんないの?)
このヒラヒラの服も不便だ。
「いた!ちょっと……レイチェル!」
妙に慌てた知っている声に振り返ると、フローレだった。
「あなたクラス間違えてるわよ!先生が探して……」
(あー、だから、隣のコがあんな変な顔してたんだ。)
納得したあたしを見てため息をつき、それからハッとしたようにあたしを見た。
「あら、また……やられたの?」
(はい?)
だから、違うクラスに紛れていたのね、可哀想に……と涙ぐむフローレが何を言ってるのか、あたしにはさっぱり理解できない。
「あなたがあんまり可愛いから……みんな羨ましいのね。でも、あんまりだわ――。」
そう言うと、自分が肩にかけていた綺麗な……布?をあたしのスカートに巻きつけてきた。
(ん?)
「入学式で、スカートを汚して破くなんて、あんまりだわ……。」
(へ?)
痛かったでしょう、ケガはしていない?と優しく気遣ってくれるが、あたしには何がなんだかさっぱりわからない。
(スカート……汚れ?破け……)
よく見ると、確かに膝のとこが汚れているし、スソがちょっと破けてるような気もする。
(あー、引っかけたかな?)
水色若白髪を鉄拳制裁したときだろう。それ以外考えらんねぇ。
「あー、いや、これは……」
別に誰かにいじめられたわけでは……と言いかけたとき、周囲から奇声が上がった。
「生徒会の方たちよ!」
キャーキャーと、黄色い声ってやつだ。
(アイドルのお出ましか?)
生徒会?――どこかで聞いたような……。イヤな予感を感じたあたしが、黙ってその場を立ち去ろうとしたとき、だった。