第71話:王都到着
馬車の外で待つことになったので馬車を出ると自分達の馬車の他にも後ろに数台の馬車が並んでいるのが見える。
俺達が乗っていた馬車の前にはジルバさん達が乗っている馬車がありその前には門番が何やら確認をしている馬車がある。
多分だが、違法な物とかを持ち込んでいないかなどを確認しているのだと思う。
馬車から出た俺達だが、後ろに並んでいる馬車の御者から視線を感じるが、いつもの事なのでティアーナ達は気にせずに待っているようだ。
少しして確認をされていた馬車が進み出したのでジルバさん達が乗る馬車が進み出し先程、確認されていた馬車が止まっていた所で馬車が止まりジルバさんが馬車から出て来て門番と話をしている。
門番と話を少しした後、門番達はジルバさん達が乗っていた馬車を調べ始めた。
門番が馬車を調べ始めた時にジルバさんが俺達の方に歩いて来て話しかけてくる。
「白夜様。王都に入ってから私が王都で経営している店に来て貰えますか? オークションの日時などについてお話しますので」
「分かりました。ですが、場所が分からないのですが」
「馬車に乗っていてくだされば大丈夫です」
「分かりました」
「それでは、先に王都に入って待っていますので」
そう言い終わると馬車の方に向かって行く。
ジルバさんが馬車に着く頃に馬車の確認が終わっていたのでジルバさんは馬車に乗り門を通る。
ジルバさんが乗る馬車が進み出したので俺達が乗っていた馬車が進み出しジルバさんが乗る馬車があった所で止まる。当然、俺達も馬車について行く。
門番がティアーナ達を見たままピクリとも動かなくなったので声をかける。
「すみません。大丈夫ですか?」
「あ、あぁすまない。ジルバさんから君達のことは聞いているから馬車内の確認だけさせてもらう」
「分かりました」
俺がそう言うと門番達は馬車の確認をしていく。
しばらくして終わった見たいだ。
「通っていいぞ」
そう言われたので俺達は馬車に乗る。
少しして馬車が進み出した。
俺達は馬車から降りずに馬車に乗ったままジルバさんが王都で経営している店に向かっているのだが、何故か俺はオリヴィアに膝枕をされているのだ。
オリヴィアに膝枕をされているのだが、やはりティアーナとセレーネとも違う太ももの感触だ。
それに、オリヴィアはまだ14歳にも関わらず色々と成長している。
何故か知らないが、この世界の人は俺が居た世界よりも成長が早いのだ。
それに、オリヴィアから聞いたのだが、この世界の人族では成人が15歳で結婚出来る歳も15歳らしいのだ。
ティアーナとセレーネに成人って何歳? って聞いたのだが、天使族と堕天使族も人族と同じ15歳で成人だそうだ。
ティアーナとセレーネに「「私達! 結婚出来るんですよ!」」と何故か強調して言われたが、多分だが自分達は大人だから的な意味なのだと思う。
何故かその時にオリヴィアが「私も後、少ししたら」と小声で言っていたのが聞こえた。
そんな訳でティアーナとセレーネは成人しているという事だ。
俺はもう成人だからある程度のことは好きに出来ると思ってしまったのだが、俺は人族でも天使族でも堕天使族でも無く吸血鬼族なので15歳で成人なのかが分からない。
それに、吸血鬼族は俺以外居ないみたいなので確認する方法が、限られてくる。
例えば本で調べるとか知ってそうな人に聞いてみるとかあるのだが、はっきり言って面倒臭いのでもう俺は成人したと言うことにして置く事にした。
馬車が止まったので馬車から降りる。
馬車を降りると迷宮都市にあったジルバさんの店よりも少し大きい店が目の前にあった。
俺達が馬車から降りて直ぐにジルバさん達も馬車から降りてきたので話しかける。
「ジルバさん。ここがジルバさんの店ですか?」
「そうですので、着いてきてください」
「分かりました」
俺はジルバさんについて行きジルバさんが経営している店に入る。
店の中に入り周りを見るとホテルのロビーのような感じだ。
ジルバさんは店に入るとカウンターに向かいカウンターに居た人と少し話してから奥に向かう。
すると階段がありそれを登って行く。勿論、俺達はジルバさんについて行く。
ジルバさんについて行くといくつかある扉の前で止まり扉を開け入る。勿論、俺達も部屋に入る。
部屋の中はテーブルがありテーブルを挟むようにしてソファーが2つ置いてある。
ジルバさんがソファーの所まで行き俺達の方を向く。
「どうぞお座り下さい」
ジルバさんはそう言い奥の方のソファーを手でしめして言う。
「分かりました」
俺達はジルバさんの横を通り過ぎて奥の方のソファーに座る。ティアーナ達はソファーには座らずに俺の後ろに立っている。
俺がソファーに座ってからジルバさんがソファーに座ると扉がノックされティーカートを押して女性が入ってくる。
その女性は俺とジルバさんの前に飲み物を置いて「失礼しました」と言い部屋から出て行く。
「それでは、話を始めましょうか。白夜様」
「はい」
「まずはオークションが始まるのは6日後になります。時間帯は朝から始まりますので早めにここに来て下さい」
「分かりました」
オークションって朝から始まるのか、てっきり夜に始まるものだと思ってたよ。
「次にオークションが終わる時間帯は分かりません。今回、どれくらいの商品があるのかによって終わる時間帯は変わってきます」
夜まで続いたら昼食ってどうなるんだろ? それに、休憩ってあるのかな?
「ジルバさん。もしオークションが夜まで続いたら昼食ってどうすればいいんですか? それと休憩ってあるんですか?」
「昼食の時間になると一度休憩となりその間に昼食を取るということになります。それと休憩ですが、朝から昼までの間に2回休憩があり昼から夜までの間に4回の休憩が設けられます」
ふむふむ。ちゃんと昼食の時間もあるし休憩もあるのか、なら良かったよもし無かったらかなり疲れそうだしな。
「次にオークションをしている最中に会場から一度でも出ると再度、会場に入るには休憩時間になった時だけですのでご注意下さい」
「分かりました」
「最後になりますが、仮面は買いましたか?」
最後に仮面を買ったかの確認かよ。
「えぇ、ちゃんと買いましたよ」
「そうですか。それは良かったです」
ジルバさんはホットしているようだ。
多分、俺が仮面のことを忘れていると思っていたのだろう。
「事前に知っておくことはこれくらいですね。後はオークションが始まる前に説明されるので大丈夫だと思います。もしわからなかった場合は聞いて下さい」
「分かりました。その時はお願いします」
その後、ジルバさんと特に会話をすることなく俺達はジルバさんが経営している店を後にした。
ジルバさんが経営している店を後にしたあと俺達は宿屋を探しているのだが、周りの視線が凄い。と言うよりも俺達を見た瞬間に男女問わずに俺やティアーナ達に目が釘付けになり俺達をずっと目で追っている。
王都なだけあって迷宮都市よりも人が多いいこともあり恥ずかしい。
今の所はまだティアーナ達にナンパをしようとする愚か者は居ないが、もう少ししたらナンパしてくる人が出てくると思う。
そんな事を思っていると3人組の冒険者だと思われる装備をした人が俺達の前を塞ぐようにして話しかけてくる。
「おい! そこのお前ら俺達が気もちいい事してやるから来いよ!」
そう言い俺の横を通り過ぎてティアーナの腕を無理矢理に掴もうとした瞬間に俺はティアーナの前に移動して男の腕を掴み少し強く握る。
「イデェデデデ!」
俺は腕を離す。
「な、何しやがる!」
「いや、それはこっちのセリフなんだけど」
「はぁー、舐めてんじゃねーぞ!」
「いや、お前なんか舐めたくもないわ」
「このクソヤローが!」
そう言い男は殴りかかって来るので男を蹴る。
男は少し吹き飛んだ後、気絶した。
それを見ていた残りの2人は背中を向けて逃げ出したので気絶した男に近寄り逃げ出した男2人に向かってサッカーボールでも蹴るように男を蹴る。
男は飛んで行き逃げ出した男2人に当たる。よし! ストライク!
結局、男達は3人とも気絶した状態で道に放ったらかしで宿屋探しを再度再開する。
宿屋を探し始めて少ししてから宿屋を見つけたので部屋が空いているか聞いてみた所一人部屋が1つと3人部屋が1つ空いているとのことで合計で2部屋借りることにした。
ほんと良かったよ。やっとあの地獄から開放されたと思った時だったティアーナの口から変なことが聞こえてきた。
「それでは誰が一人部屋になるかを決めますよ」
セレーネとオリヴィアは真剣な顔でコクリと頷く。
俺はそれを聞き待ったをかける。
「ちょっと待った!」
ティアーナ達が俺を見る。
「ティアーナ、セレーネ、オリヴィア。俺が一人部屋で寝るからな。これは決定事項です!」
「な、な、何故ですか!」
珍しくティアーナが動揺している見たいだ。
「偶には一人で寝たいからだよ」
「分かりました。ですが、明日は私達の誰かと一緒に寝てもらいます。 いいですね!」
ティアーナに何言ってもティアーナが言ったようになる気がしたので諦めることにした。
「分かったよ」
白夜は下を向いていたので見えていなかったが、ティアーナ達はガッツポーズをしていた。
そんなことがあったが、今日はゆっくり休めるようになったので良かった。
それに、最近何故か眠くなるんだよな。実際に迷宮都市から王都までほとんど寝てた気がするからな。
多分だが、全王様が言っていた器と魂が馴染み始めた影響なのかもしれない。
多分だが、もう少ししたら完全に魂が器に馴染むのだと思う。
ま、あくまでも多分なんだけど。
俺の部屋の前にティアーナ達の部屋があるので良かった。
俺は手続きをして借りた部屋に向かう。
部屋は2階にあるので階段を上りいくつかある部屋の中から俺達が借りた部屋を見つけ俺達はそれぞれ部屋に入る。
部屋の中はベットしか置かれていない。
ベットしか置かれていないので部屋が広く感じるが、それはそれで良いな。
いつもならティアーナ達も同じ部屋なので少し狭く感じるし緊張もするせいであまり休めた感じが、しなかったてど今回は一人なのでしっかりと休めるよ。
よし! 早速だけど寝るとするか。眠いし。
俺はベッドに向かいベッドに転げ目をつむり夢の世界に旅立つ。
白夜がベッドで寝始めた頃、ティアーナ達は。
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オリヴィアが深刻そうな顔で言う。
「ティアーナとセレーネに聞きたいことがあるのだが」
「突然どうしたのですか? オリヴィア」
「何ですか? オリヴィア」
「最近の主の様子が変な気がするんだ」
「?」
「?」
ティアーナとセレーネはなんの事か分かっていないようだ。
「ティアーナとセレーネは気づいていないのか? 最近の主が異常に眠そうにしていることに」
「その事ですか。実は私も気になっていましたが、白夜様、自身も原因が分からないみたいですよ」
「私も気付いていましたけど吸血鬼だから昼間は眠いのだとばかり」
「一理ありますね」
「そうだな、私はセレーネが言っていることが、正しいと思う」
「私もですね。それに、寝ている白夜様を見るのは癖になりますからね」
「そうですね。私も癖になりましたから」
「私もだな」
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