第3話:ステータス
俺は現在、安らぎ亭という宿に向かっている。
冒険者ギルドから、すぐの場所に、安らぎ亭という看板だと思われる看板を見つけその建物の扉を開けて入る。
安らぎ亭は賑わっているようで、笑い声がや話し声がチラホラと聞こえてくる。
受付に行くと40代前半ぐらいの、おばちゃんがいたので話しかける。
「すみません。泊まりたいんですけど」
「1泊3食付きで銅貨8枚だよ。何泊だい?」
「3泊です」
「そうかい! じゃあ大銅貨2枚と銅貨4枚だよ!」
懐から取り出すようにして大銅貨2枚と銅貨4枚を取り出して、おばちゃんに渡した。
銅貨10枚で大銅貨1枚になるのか。
「ちょうどだね。うちは、宿屋兼酒場をしてるから、食事は食べたい時に酒場の方に来てくれれば、用意するよ! あ、でも朝早すぎたり夜遅すぎたりしないように注意しなよ! 2階の一番奥の部屋が空いてるよ。はい、これ鍵! 無くした場合は、大銅貨5枚払ってもらうよ!」
「わかりました」
おばちゃんに言われた通りに、2階の一番奥の部屋に向かい、中に入る。
部屋は、ベッドが置いてある、だけだが、思ったよりも広く綺麗だった。
ここを教えてくれた受付嬢さんに少し感謝した。
あっ、そういえば名前聞いてなかったな。
明日に冒険者ギルドである、戦闘訓練に参加しに行くからその時にでも、聞けばいいか。
その頃冒険者ギルドでは
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「くしゅん!」
「どうしたの? 風邪でも引いた?」
「大丈夫だよ、ただくしゃみが出ただけだから」
「そおー? 大丈夫ならいいけど、さっき冒険者登録しに来た子、かっこよかったよね! 私、ずっと見惚れてたもん、いいな〜羨ましいな〜あんな人と話せて!」
「明日の戦闘訓練に参加することになってるから明日、また来るわよ」
「あっ、そっか!」
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明日は、冒険者ギルドで行われる戦闘訓練に行くけど、どんな事するんだろ?
【全王】様がこの世界は剣と魔法の世界と言ってたから、魔法も存在するだろう。
魔法使って見たいな。
人によって魔法適性みたいなのがあったりするのかな?
そんなふうに考えていると【全王】様が言っていたことが気になってた。
そういえば【全王】様が固有スキルが貰えるとか言ってたよな。
どうやったらわかるんだ? おっ、なんか頭の中で俺が、どんなスキルを持っているかがわかるぞ。
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名前:白夜
種族:吸血鬼族(下級吸血鬼特異種)
年齢:15
性別:男
適性:無、火、水、風、闇、氷、雷、影
スキル
【刀術】【異世界言語】
レアスキル
【二刀流術】
種族スキル
【不老】【再生】【吸血】
固有スキル
【強奪】【眷属化】【眷属強化】
称号
【転生者】【最後の吸血鬼】
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あれ? 何か、15歳になってる。
まっ、別に気にしなくてもいいか。
赤ちゃんになっているよりも、マシだしね。
それよりも、このステータスって強いのかが、とても気になる。
これじゃあ、このステータスが強いのかが、全くわからないな。
でも【刀術】と【二刀流剣術】が何であるのかが分からない。
他のスキルは種族スキルと固有スキルだけど、何であるのかは何となくわかる。
種族スキルは、種族が吸血鬼族だから、あることが分かる。
固有スキルは、神様がランダムでくれたスキルと、くれると言っていた固有スキルだよな?
多分だけど、まあいいか。
そのうちわかると思うし。
適性はたぶん魔法が使える属性だと思う。
それと、どんなスキルかは自然と分かる。
スキル
【刀術】:刀を扱いやすくなる。
【異世界言語】:異世界の言葉が喋れるようになる。文字も書けれるようになる。
レアスキル
【二刀流術】:二刀流を扱いやすくなる。
種族スキル
【不老】:老いることが無い。
【再生】:身体が自動的に再生する。
【吸血】:血を吸い魔力を回復できる。吸血鬼特有の喉の渇きを潤す事ができる。
固有スキル
【強奪】:殺した相手の持っている、自分が使えないスキルなどを奪う。(レアスキルなども含まれる。)
【眷属化】:自分に絶対的な忠誠を誓っている者を眷属にすることが出来、スキルを与える事がある。(魔物や精霊なども眷属にできる。)
【眷属強化】:自分の強さによって眷属を強化する。自分が進化した時などに眷属が強化される事がある。(【眷属化】を持っていないと獲得できない。)
称号
【転生者】:異世界から転生された者に与えられる称号。【異世界言語】が獲得出来る。
【最後の吸血鬼】:この世界で唯一の吸血鬼族に与えられる称号
今の俺が、どれぐらい強いのかが、知りたいな。
あっ、でも明日には戦闘訓練をしに行くからその時にわかるか。
お腹減ったしご飯でも食いに行くか。
フードを被り部屋を出て1階に降りたところ、冒険者だとおもわれる人達が酒場で言い争いをしていた。
周りは特に気にしていなかったり、酒のつまみがわりにしていたりしている。
俺は、気にせずに酒場の空いている席に座ってメニューを見た。
文字が読めないので、どんな料理なのか分からないし、美味しいのかが、わからなかったので、お任せにしてもらった。
だいたい3分ぐらい待つと料理がやって来た。
「お待たせしました! オークステーキです!」
俺はオークステーキと聞いて失敗したかな、と思いながら仕方なく、オークのステーキを切り分け、フォークで刺して恐る恐ると、言った様子で口に運ぶ。
思っていた味とは違って、かなり美味しかった。
俺が、オークステーキを美味しく食べていると、言い争いをしていた冒険者だと思われる人達がまだ、言い争いをしていた。
だが、それがヒートアップしたのか、殴り合いになっていった。
周りにいた人達も酒のつまみがわりと言わんばかりに「もっとられ!」「いいぞ! いいぞ!」と言い出し収拾がつかなくなって来ていた。
そこに、騒ぎを聞きつけたのか警備隊だと思われる人達が5人ほど駆けつけて来て殴り合いをしていた冒険者を連行して言った。
俺は、オークステーキを食べ終えて自分の部屋に戻った。
明日冒険者ギルド行われる、戦闘訓練に参加する事になっているので、少し早めにベットに入り眠りについた。
後で知ったのだが、基本的に魔物はランクが高いほど、魔物の肉は美味しいようなのだ。
オークは、ランクは高くないがその肉はランクの割に美味いことがわかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。