表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

後輩くんと私③

あ、先輩も今帰りですか?お疲れ様です。

…あー、先輩ってこのあと…あ、え、エレベーター来ましたね、とりあえず乗りましょう。



それで、先輩…このあと、予定あったりしますか…?

あ、ああ…そうか、残念…


(ガコッ)


う、うわっ…!!と、止まった…?なんで?サイレン鳴ってるし…

とりあえず、緊急ボタン押して、全ての階のボタンを押して…


あ、通信が!エレベーター突然止まりました!なにかあったんでしょうか?

えっと、乗客は2人です、…ええ、特にケガは…

原因が…わからない?はあ、これから確認するとなると、それなりに時間かかりそうですね…

そうですか…わかりました、待ちます。はい、よろしくお願いします。


はあ、サイレンだけでも鳴り止んでくれてよかったのかどうなのか…


先輩、大丈夫ですか?

座り込んじゃって…その、薄い、ストッキングにその床は冷たいんじゃ…

立てない…?そんな涙目になって、もしかして…すごい怖かった、ですか?


手が冷たいし、震えてる…怖かったんですね。

大丈夫ですよ、まあ、こんなこと滅多にないですけど、エレベーターっていうのは落ちたりしないようによく工夫されてるんです。

残念ながら階と階の途中で止まっちゃったみたいで、ドアこそ開きませんが…


ああ、泣かないで。先輩。僕がついてますから…


あ、僕の鞄の上に座ってください。

あと…、先輩が嫌じゃなかったら、隣に座って、肩を抱いていてあげますよ…?


ほら、よしよし…ふふ、先輩って意外と怖がりですね。

僕は…意外と冷静?うーん、まあ、変な音がしたわけじゃないし、多分ほんのちょっとした不具合だろうなー、と思ってるだけですよ。

少し我慢すれば、きっとすぐここから出られます。

…僕の言うことじゃ、信じられませんか?


じゃあ、信じてください。

あと、手を出して。僕の手で温めてあげます…


少し、落ち着きました?

あれ、また涙こぼれちゃった…


ちゅっ


…あ、ごめんなさい…かわいいな、と思ったらつい…

ふふ、目がまん丸。もしかして、驚いて涙ひっこんじゃいました?


ね、もう一回して、も…って、ああ…こんなときに外部との通信が…


はい、はーい、2人とも無事です。ええ、そうですか…はい。

わかりました。


先輩、今の聞いてました?

少しエレベーター動くそうですけど、向こうが操作してるだけなんで心配しないでくださいね。

危ないから、まだ立たない方がいい。

僕も隣にいますから…


(ガコガコッ)


大丈夫ですか?

先輩、ほら、ドアがやっと開きますよ…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ