後輩くんと私①
わ、先輩、お疲れ様です。先輩も、まだ残ってたんですね。
あ、あはは…いや、今月締め切りのものが溜まっちゃってて…はは…
ちょ、ちょっとだけ、大きな案件もあってですね…まあ、少し忙しいかなー、、、
うわっ、冷たっ…て、あ、お茶?
僕に、くれるんですか?!
あ、ありがとうございます…!
いただきます…
ふう、おいしい…この時期、冷たい飲みものは体に染み渡りますね。
先輩も…いつも帰るの遅いですよね
あ、いや、まあ、僕もときどき遅くなるけど、いつも先輩の姿を見かけるなあと思って…
いや、僕はときどきですよ、そんな毎日、遅くないです。
今は、締め切りが近いから…て、先輩、あ、ちょっとそれは…
うわ、見られた…修正箇所ばっかりの報告書…
い、いや、まあ、たまたま今日ちょっとミスっちゃって…報告書のやり直しくらっちゃいました。
でも、たまたまですよ?!
え、先輩、僕が怒られるとこ見てたんですか…?!ひ、ひええ…
そんな、毎日は怒られてないですよ!ときどきです、ときどき…
はあ、なんかかっこ悪いところ見られてるなあ…
…そんな笑わないでくださいよー、うう…
せめて先輩の前では、かっこつけさせてほしいのに…
って、なんでもないでーす!!
そういえば、このお茶の応募シール、先輩集めてましたよね?
このアーティストのライブ行きたいって、言ってませんでした?
え?!い、いやあ、たまたま誰かと話しているのを小耳に挟みまして…
けっして、先輩をいつも見てるってわけじゃない…んです…よ…
い、いや…けっこう見てる…かな…?
て、聞いてないし…あーはいはい、どうぞどうぞ、シール持ってってください…
はい、じゃあ、ありがとうございました…って、
待ってください、先輩って、まだ残るんですか?
僕もう少しで終わるんで、よかったら飲みに…
あ、もうすぐ帰る?そ、そか…お疲れ様です〜…。
はあ…