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マッチ売りの少女、葵の死に戻り(完)

 私は目を覚ますと、雪が降りしきる、最初にいた広場に立っていた。見渡してみても、お城や家周辺には光が輝いていて、クリスマスを楽しんでいる家族ばかりだった。


「相変わらず、この場所か……」

 うつむきながら、バックの中に入っていた大量のマッチを見つめた。この世界には幸せなんてあるのだろうか。闇に照らされながら、雪が舞う。空は星で輝いていた。だけど、私の瞳には星は映らない。寒さだけが私の肌、心を冷たくさせていた。


 寒さからか、マッチを手に取ると、火をつけた。それが私の分岐点だったのかもしれない。

 そう気まぐれ。なぜそのマッチに手を出したのか、私自身、今まで裏切られたのもあるかもしれない。ただ、私は……。


「なんで、どうして、どうしてなの、おばあちゃん」


 私の目は見開いた。目の前には子供の頃に死んだはずのおばあちゃんが立っていたのだ。今まで存在すらなかったのに。なんで。どうして。

ふと、手に付けたマッチを見た。そのマッチはたまたま黒の箱に入っていたマッチだったのだ。


 火が消えると、私を優しくしてくれたおばあちゃんは消えていった。黒いマッチ箱の本数は22本になった。だけど、私は黒いマッチ箱からマッチを取り出し、火をつけた。


「おばあちゃん、会いたかったよ。会いたかった」

 私はおばあちゃんの胸に飛び込んだ。暖かい。まるで実物が存在しているようだった。

おばあちゃんが私の頭を撫でると、

「よく今まで頑張ったね。葵。ようやった」

 そうつぶやきながら、まるで女神のような笑みで私を見つめていた。それを見ると涙が止まらなかった。

「だっ、だって、そうするしか、……。なかったんだもん」

 私は泣きながらも笑みを浮かべながら、瞳を見つめていた。だた、火が消えるのが速い。私が一言、言い終わるころには、すでに消えていた。

「も、もう一回。もう一回だわ」

何本も何本も、火をつけては、おばあちゃんを出して、私は今までのことを話していた。

「あのね。おばあちゃん、私、いろんなことがあったんだよ……」


 あれからいろんな話を、おばあちゃんにして言った。寒さを忘れて、今まであった出来事を話していた。数秒で消えるマッチをすかさず、擦っては消えての繰り返しだったのだけれども。

 私自身は会えるだけでも幸せだった。するともうすでにマッチは一本になっていた。


「もう、一本になってしまったわ。もしかしたら、他のマッチでも……」

 私はバックの中に入っていたマッチ箱を手に取り、マッチを擦った。だけど何も起こらなかった。

 既におばあちゃんは消えていた。

「やっぱり、あのマッチだけなのかな。もう残り一本なのに」

 瞳から涙がぽとり落ちた。だけど、私は決めていた。最後の一本だとしても、会いたいのだ。だって今まで会いたかった、ずっと一緒に居たかった人なのだから。


 私は黒いマッチ箱に入っていたマッチを擦った。その瞬間、私の目の前は真っ白になったのだけど、横にはおばあちゃん、私を生んでくれた母親、父親の姿が見えた。

なんだか幸せな気分だ。今まで感じる事のない胸のときめき。ここはさっきまでとは違う。暖かい。心までポカポカする。遂に私は幸せを手にした気がした。

 おばあちゃんがニコリと笑った。その笑顔で私は確信した。このまま一緒に居られるのだと言うことを。

 ただ一つ言えるのだけど、最後のマッチを擦った瞬間、私はこの世界をサヨナラしたということを。

終わりです。初めて終わられられた気がします。ここまで読んでくださりまして、ありがとうございます。

これからも頑張ります!!^^

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