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レイチェル・アラヴァスタ  作者: リルル・ガランド
1/2

魔力根源(レヴァンティン)

またこりずにホラー書いています。よかったらお読みください。

魔力レヴァン根源ティン


全てはこの言葉から始まった。


「あなた、レイチェルが、レイチェルが・・・化物に」と、母は言う。

「う、うわ、うわわわわ。」と、父は木の棒を持って殴りかかってくる。

痛みは感じない。頭を殴られたのに。

喰ってしまえ・・・。私じゃない私がそうささやく。

私じゃない私が怯えている父を見ている。立ち上がれない母を見ている。


私は父を食べた。


私は母を食べた。


泣くという事も無く、次の日を迎える。町に出ると・・・ハンターに追われた。


ハンターが私を追っている。


逃げてるけど・・・。


追いつかれる。


ここで死ぬかな。私、レイチェルは後ろを向く。


「ほらほら、もっと早く走りな」


あはは。その上、遊ばれてる・・・。


「げひゃひゃひゃ。嬢ちゃん、追いついちゃうぜ~」と別の声も聞こえる。


べちゃっ。


こけた。転倒した。


よそ行きのリボンのついたお洋服・・・。


膝までワンピース。


ピンク色。


汚れちゃった・・・。


起き上がれない。私は嬢ちゃんじゃない。もう16歳、今日が誕生日だけど。

地面を見ながら私はぼやく。


「あ~もうあきらめたのか?」と、また別の声がする。


頭にターバン・・・白い布を巻いた男たちとハゲ。


ヒゲもじゃ。ハゲ。片目無し。また私じゃない私が見ている。


何だろう、この人たち。


父ちゃん・・・レヴァテの導きって何?


魔力レヴァン根源ティンと、書かれた紙を見せながら「名前を知っているだけでもいいんだ。口で唱える事・・・それが大切だよ。何てな、実は父ちゃんも知らないんだ」


魔力(レヴァン)根源ティン」と、私は唱える。


「何だ?」「ひっ」「!!」


男たちはそれぞれに驚いた。黒い塊が男たちを包んでいく。


私は起きた。自分の黒髪をさわる。

「まずぅ・・・」

私の口から血がこぼれている・・・。


たぶんこれで2度目。

さっきまで私を追いかけていた男たちの足首から下がある。

父ちゃん・・・また人間を食べました。

母ちゃんと同じ味がする。

心が汚れてたのかな。知らない。

レヴァテの導きって何?暗闇の中を歩くこと?あっ雪だ。

赤い雪だ。暗闇の中、赤い目が光る。

3つの赤い目が。

少女の姿をした化物はアラヴァスタの都市の中へ消えて行った。


次の日、世界中のハンターが集まるアラヴァスタの街道。

Cランクに上がったばかりの2人のハンターは昨日の事件に花を咲かせていた。

「おい、聞いたか?」と、眼鏡をかけた男、コメリーは言う。

「レイチェル・アラヴァスタのことだろ?」

と、茶髪で口元に青いマスクをしている男、ヴァラッサは聞く。

「まあな。っていうかやめようぜ。そのアラヴァスタをつけるところ」

「いやいや。これはウワサだが・・・そう呼ぶと狙われないって聞いたからさ」

「もういいよ。それよりもまた非正規で3人のハンターが挑んだらしい。」

「それで勝ったんだろ?」と、青いマスクをしている男、ヴァラッサは聞く。

「それが・・・足首だけになって帰って来たって話だ」

「おっかねぇ・・・というか賞金が高すぎるのが悪いと思わないか」

「たしか1000億ヴァール(1ヴァール=1000円)だろ?いくら何でもな」と、コメリーはヴァラッサに同意を求めている。

「ああ、いくら何でもな。その上、ランクはダブルS・・・。正規の依頼じゃ誰も彼女を討伐に行けない。ある意味都市に守られている・・・それでついたあだ名がレイチェル・アラヴァスタだよ。知ってたか?」

「いや、初耳だ。そうなのか・・・そのお嬢ちゃんは古龍と呼ばれているドラゴンよりも強いのか?」

「それがわからん。殺したのは父親と母親。それと今回の3人のCランクハンターだけだ」

「じゃあ、何でだよ」と、コメリーは腕を組んで考える。

「言ってはいけない言葉を唱えてしまったらしい」

「古くから伝わる魔力まりょく根源こんげんにまつわる言葉か?」

「ああ、文章で書いて伝えるだけでも死罪・・・」と、ヴァラッサは答える。

「ほら、いたよな。孫に文章で伝えたお婆さん」と、コメリーは言う。

「ああ、いた。今回、殺された父親がその孫だよ」と、ヴァラッサは答える。

「冗談だろ?」

「冗談じゃないからダブルSなんだよ」

「ねぇねぇ、何の話をしているの?」と、黒髪の少女が目隠しをしたまま聞いてくる。

「え?」と、コメリーは黒髪の少女を見る。

まるで時間が止まったかのように動きを止める。

「黒髪の少女、ピンクのワンピース、胸の赤いリボン」と、ヴァラッサも動きを止める。

黒髪の少女、レイチェルはにっこり笑って、

「何の話をしているの?」と、聞く。


「ひっ。寄るな、近づくな、化物ーーーー」と、コメリーは叫ぶ。

「うわぁあああああああああああああああ」と、ヴァラッサも逃げ出す。

「ひどいな~。魔力レヴァン根源ティン」と、レイチェルはつぶやく。


コメリーとヴァラッサは動きが止まった。いや、止められた。


闇が訪れる。さっきまで青空だったのが、突然、星空に。


街灯はつかない。暗闇。光も無ければ音もしない。


コメリーとヴァラッサの呼吸音だけが聞こえる。

「あっ」コメリーは黒い何かに身体が包まれて行く。何もできず喰われた。


「ごめんなさい。」ヴァラッサはそうつぶやいて喰われた。


レヴァテの導きって何?

もっと人間食べればわかるかな~。なかなかうまい人いないし。少女はまた暗闇の中へ消えて行った。

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