プロローグ
私はいつも自分が一番だと信じて疑わなかった。
彼が他を見てるなんて信じられなかった。
彼が私を…………
いつから変わってしまったのか
私には気づけなかった。
気づいた時には、私はもう部屋の床に倒れていた。
そして、その原因を作ったであろう彼をみていた。
彼の顔をしっかり見たのは
見つめ合うのは久々な気がする。
何故か笑えてきたが、今の私は苦笑いだろう。
「なぜ?なぜなの?」
思わずそう声にだしていた。
「君は…それにすら気付けないのだね
そして覚えていない……」
あぁ、そんな悲しそうな顔をしないで
胸が痛むわ。
そして、胸の方に目をやるとお腹から血がでていた。
あ、私刺されてたんだっけ
彼に刺された
復讐?正義感?哀れみ?
「私には分からないわ」
またも苦笑いだろう。
そんな時、扉が開き
「ウィル」
「ウィリアム様」
「ウィリアム」
可愛らしい声が聞こえた。
少し幼い男の子の声。
彼…ウィリアムと同じ位の年齢を感じさせる声。
可愛らしい声の彼女は、ウィリアムの腕を掴む。
少し幼い男の子の彼は、悲痛な表情で私を見る。
もう一人は、おぞましい物をみるような顔で。
「リズ…」
彼がウィルが私を呼ぶ。彼に名前を呼ばれたのは
いつぶりだろうか。
もうすぐ、私は死ぬ気がする。
「あなたに名前を呼ばれるのなんて、いつぶりかしら」
ウィルは、更に顔を歪めた。
「彼女が好きなのかしら?」
ウィルの腕を掴む彼女を見上げる。
「あなたは幸せ?私は何も感じられないわ」
頬から涙が伝ってるきがした。
もう限界…目が重たい。閉じたい。
私が泣いてる姿をみて、ウィルは驚いてる事であろう。
何にも分からなくなってしまったけれども
それだけは分かると確信できる。
そう思ったらとても笑えてくるわね。
泣いてるのに、表情は笑っている
そんな最後を彼らは何と考えるのかしら?
あなたは、私を少しでも好きでいてくれたのかしら?
「…」