プロローグ
ある日夢をみた。
上空一キロほどの場所で凄まじい爆発が起こり、周辺の物を吹き飛ばし被害を拡げていた。
その範囲は半径数キロに及び有無を言わさず蹂躙しつくした。
幸いにもその場所は広大な草原であり被害と言う被害はなく、その爆発による人的被害は全くなかった。
知識の有るものがそれを見たらその現象は人が起こしたものではなく、災害ともよべる物だとは言うまでもなかった。
そしてその爆発は収束し、急激に纏まり....
「あ~あ、異世界に召喚とか転生とかやってみたいよなぁ」とそっと呟く。文字数通りそんな事が普通なら不可能だとわかっているが異世界や魔法、あるいは普通ではあり得ない身体能力で相手と戦闘で向き合う、といったことに強く憧れを抱いている男がいた。
その男の名は小濱大護といい、普通の会社に務め、そつなく仕事をこなしていた。
能力があるにも関わらず仕事にたいしてはやる気を見せず、無難に進め、積極的にやることもなくただ『作業』と割りきりその仕事を終わらせていた。
休日には趣味の料理をして、夜になると知り合いと飲みにいくなどとそれほど珍しい事行動はせず、ある意味無難な人生を送っていた。
そしてそんな人生に嫌気がさしていたのも事実であった。
そんな態度には色々理由があり、半年ほど前に性格の不一致など複数の理由が重なり、離婚し一人になっていた。
子供は元嫁に引き取られそれほど子どもは好きではなかった為悲しいなどと言う感情はたいしてなかった。
むしろ一人になれてこれからは自由に暮らせるなど、能天気に考えこれからの人生に嬉々として臨むが、それなりに連れ添った妻と自分の血を引いている子供が居なくなり、少しの虚無感や虚しさ、あるいは自由になったと思っていた感情になんの感動もなく、むしろそれなりの拘束がある一時の自由が心を保っていたとはおもわなかった。
普段の行動にやる気はなく、そしてそれがある問題に繋がった。
ある日取引先の担当と打ち合わせを行っていた時、淡々とこなしてはいるがどこかやる気のない態度に腹を立て、叱責を受け、それが会社の上司に伝わりまた会社でも叱責を受け、その態度を改めろと忠告をつけたのだった。
元々人受けのいい二枚目を自負しており、取引先の受付が普段は見せない笑顔で対応していたのが勘に障り、本当の理由とは別の内容で憂さ晴らしを行ったのは取引先の他の営業にはわかっているが本人に告げられることはなく、苦々とした気持ちで会社に帰ったのは言うまでもなかった。
さて、その本人はと言うと周りに愚痴ることはなく‥‥しかし腹が立たない訳もなく、苛立ちを表面上では抑え帰路についていた。
いつものように晩酌の為の酒を購入し、晩酌のお供であるつまみを作り、またいつものように小説、あるいは漫画、またあるいはアニメと、二次元に現実逃避し眠りについた。
「っへぶしっ!!」‥‥
「あれっ?」
スカッ、スカッと布団を探す手が空を切り、いつもの用に眠っていた毛布の感触がないのに気がつき上半身を起こし、周りを見渡す‥‥‥‥
そこには何もなかった。
ただ、だだっ広い平原に裸で座っていた。




