第六十四話 浮かれポンチな二人の最強
――アタル視点――
「あっくん、やったね!」
「うん、夢の国のペアチケット、ゲットできたね」
「えへへ、楽しみだよ!」
由香里ちゃんが、僕の腕に抱き着いてくる。
ふぉぉぉぉっ!
由香里ちゃんの胸が腕に当たってる!!
ありがとうございます、ありがとうございます!!
もうね、この感触のおかげで僕は最強から無敵になれる感じがします!
例え周囲の男達の視線に恨み辛み、殺気がこもっていようと、無敵の僕には一切通用しないのだぁ!
「流石に今回じゃいけないから、また一か月後かな?」
「それがいいかもね! 有効期限は――あっ、来月でも全然いけるね!」
「なら来月にしよう」
「うん、そうしよっ!」
由香里ちゃんが微笑んでくれる。
本当、こんな素敵な女の子が、僕の事を想ってくれていたなんてとっても嬉しいんだ。
大事にしないとなぁ。
それと、愛想つかれないように、早くあっちの世界を平和にしないとね!
やる事は山積みだけど、由香里ちゃんへの想いがあれば乗り切れる! はず。
さてさて、アデルさんの方はどうかな?
結構田中さんと上手くいっているように思えるんだけど、二人共恋愛初心者なのか、あまり自らアプローチをしたりしないんだよね。
と、どうやらアデルさんが夢の国のペアチケットを渡したみたいだ。
どんな会話をしているか、勇者イアーで盗み聞きしてやろうじゃないか!
「そ、そのさ、アデル。このチケットを私にくれたって事は、私と夢の国に、行きたいって、事だ、よな?」
「……はい、是非とも夢可さんと一緒に行きたいです」
「いいのか、だって私だぞ? 本当に私で、いいの?」
田中さんって、何か自己肯定が低いよね。
確かに見た目はちょっとヤンキー入ってるけど、今の表情なんてめっちゃくちゃ乙女な顔してるよ?
それにスタイルだって滅茶苦茶いいし、全然モテると思うんだけど。
アデルさんは充分、田中さんにぞっこんだよ。
さて、アデルさんは何て言うかな?
「私は、貴女以外を誘うつもりはありません。貴女と行きたいです」
「っ!! ……うん、私も、お前と行きたい」
「よかったです」
出た!
アデルさん必殺、《女にトドメを刺す微笑み》!
モロに直撃を食らった田中さん、顔を真っ赤にして俯いてしまったぁ!
いやぁ、ありゃ破壊力抜群だわ!
何だよ何だよ、甘ったるい雰囲気出してるじゃない!
もうさ、さっさと付き合っちゃいなよ。
きっとお似合いだって!
すると、由香里ちゃんもそんな二人を見て、僕と同じ感想を抱いたようだ。
「二人共、凄くお似合いだね」
「うん、そうだね。早く付き合っちゃいなよって思うよ」
「本当だね。でも、いいなぁ」
「ん? 何を羨ましがってるの?」
「……田中さんの胸の大きさ、アタシも欲しかったなぁ」
「んんんんっ!?」
いや、あのね、由香里ちゃん。
君のように清楚で超可愛い子が、あんな凶悪なものをぶら下げてみなさい!
最強無敵の勇者は簡単に陥落しますよ!?
それどころかきっと僕、抑えきれずに襲いまくりますよ!?
これ以上僕の理性を粉々にしそうなものは付けないで頂きたい。
今のままでいてください。
「そのさ、田中さん程の胸を持っちゃったら、僕が大変になるから、そのままでいて……」
「えっ、大変な事って、どうなっちゃうの?」
「……もれなく最強の勇者から最強の狼さんになります」
「……それ、見てみたいかも」
「やめて、本当にやめて! 由香里ちゃんにだけは嫌われたくないから!」
「ええええ? 嫌わないよ、どんなあっくんでも、アタシはずっと好きだから」
もう何なんだよ、僕の彼女さん。
まるで胸をより押し当てるかのように腕にしがみ付いて、にししと笑ってくるんですけど!
めっちゃ可愛い、めっちゃ小悪魔!
この子、絶対エッチでしょ!
大歓迎だけどさ!
「さ、さぁ! 次に行こうよ! 由香里ちゃんの教室に行きたいな」
「うん、いいよ。アデルさん、田中さん。案内しますね!」
「はい、よろしくお願いします」
「お、おう」
僕達は、由香里ちゃんの教室へ向かう事となった。
――???視点――
おいおい、マジか。
あれが安藤さんの彼氏かよ。
見るからにわかる、マジでイケメンだ。
イケメンってだけじゃない、奴は何かよくわからないけど不思議な程の威圧感がある。
ただ者じゃない、あれはヤバい奴だ。
一緒にいる長身の金髪イケメンも、同様に凄まじい威圧感がある。
何だよ、あの二人。
きっと俺だけじゃ手も足も出ない、自然とそう思ってしまった。
安藤さんの前で彼氏をボコボコにする?
出来る訳がない、逆にボコボコにされちまう。
となったらどうするべきか。
計画としては安藤さんと彼氏の二人を攫う予定だったけど、安藤さんだけを攫って、奴をおびき寄せた方が良さそうだ。
そうだ、それがいい。
ははは、あの安藤さんとヤれるなんて思うと、今からでも勃起してしまう。
彼氏の前で犯すというのも、想像するだけで逝っちまいそうだ。
なんて、安藤さんを見ながら妄想していた、その時だった。
安藤さんの彼氏と、長身金髪イケメンが同時に俺の方に振り向いた!
俺は瞬間的に物陰に隠れて、その場を去った。
危なかった、何故二人共俺に気が付いたんだ。
もしかしたら、バトル漫画みたいに俺の気配がわかるのか?
いやいや、そんな訳あるか!
とにかく、あの二人はヤバすぎる。
ならどうにかして安藤さんをあの二人から引き離し、誘い出して攫わないと……。
俺は頭の中で、安藤さんだけを誘い出す計画を組み立て始めた。
異世界ファンタジー「田舎者弓使い、聖弓を狙う ――村一番の弓使いの英雄譚――」
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よければそちらもお読みください!
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