第三十二話 孤独な少女、恋を語る
昨日、ローファンタジー部門日間ランキングで46位を取りました!
正直ビックリしていますが、まさかTOP50に入るとは思っても見ませんでした!
これからも頑張りますので、よろしくお願いします!
今回は短めです。
――夢可視点――
私は実は恋をした事がない。
最初に付き合ったのは、男子から告白されて嬉しかったから。
別にその人自身が好きだった訳では一切ない。
まぁ結局その人は私の体目的だったみたいで、拒否したらこんな事を言われた。
「何だよ、簡単にヤらせてくれそうだったから付き合ってやったのにさ」
その人は私が通っていた高校の中では、かなり格好良かった。
だから私とも簡単に付き合えると思ったみたい。
実際彼は色んな子と付き合っていたから、事実なんだろう。
私は高校の中では胸が大きい方で、それが欲しかったようで、
「お前の体だけが欲しかったんだよ」
別れる間際にそんな事を言われた。
私の気持ちは求めていなかったみたい。
むしろ、もっと簡単にさせてくれると思っていたらしい。
簡単に体を許す訳がない。だって、別に好きじゃないし。
私は傷付いて、交際はいいやって思ってしまった。
高校を卒業してから、家計を助ける為にバイトに力を入れた。
将来の夢とかなかった私は、母さんの手助けが出来て逆に嬉しかった。
そのお陰で、男との出会いは無縁だった。
別に彼氏が欲しいとも思っていなかったし、母さんと楽しく暮らせればそれでいい。そんな風にしか考えていなかった。
母さんが殺された際、お金目当てで来た親戚の中で、私を引き取りたいという男がいた。
そいつ、あからさまに私の胸を凝視していた。
この男は生理的に無理だ、こんな奴の養子になったら何されるかわからない。
私の男嫌いはバカな親戚のせいでさらに加速した。
そんな私は、今目の前の男に恋をしつつある。
過去の出来事のせいで、こいつをまだ疑っている節はある。
こいつも体目的で近づいて来たんじゃないか?
私の気持ちなんて、どうでもいいんじゃないか?
そんな風に思ってしまう。
アデルは、簡単に人の心を開かせてしまうような魅力がある。
私だって、相当心を閉ざしていたと思う。それでも、今はこいつに心を許している。
本当に不思議な男だ。
元からイケメンっていうのはあるけど、それだけじゃない。
時折見せる優しい笑顔を見ると、心臓が跳ね上がる。
それにアデルの赤い瞳(変わった瞳の色だよね)を見ると、吸い込まれるような気持ちになる。
私の心ごと、吸い寄せられてしまう、そんな感覚。
あぁ、もうこれは恋をしているって事でいいんじゃないかな。
認めた方が楽になれるかも。
とってもちょろいよね、私。
そう言われてもいいや。
好きなんだ、アデルが。
こんな気持ち、今まで味わった事がない。
こんな気持ち、もう他の男で味わえるとは思えない。
……と思う。
でも何でこんなに惹かれてしまうんだろう?
イケメンだから?
私と同じ孤独を知っているから?
そこはわからない。
だけど孤独を知っている同志だからって理由だけだったら、ここまで好きになっていないよ。
なんだろう、カリスマ的な雰囲気が漂っている。
こいつに「○○しなさい」と命令されたら、従いたくなるような?
社長っていうより王様っぽいよな、こいつ。
ま、そんな訳ないか。
もっと、こいつの事を知りたい。
だから質問をしてみた。
「ねぇアデル、今付き合っている子いるの?」
ちっがぁぁぁぁぁぁぁぁうっ!!
そんなありきたりな質問をするつもりはなかったのに、何でこんな事聞いているんだ私!
これ、いるって言われたら早速失恋じゃん!
お願いします、いないって言ってくれ!
「いませんよ? どうしてですか?」
あっ、よかった。
いないと聞いただけで嬉しかった。
「いや、な。いそうだなぁって思っただけ」
苦しい言い訳だと思う。
まぁでもフリーだとわかっただけでもいいや。
ってか、私はこいつとどうなりたいんだ?
やっぱり付き合いたいんだと思うんだけど、私みたいな女と付き合いたいと思うんだろうか?
……少し気持ちが落ちてきた。
すると、アデルは話しかけてくる。
「えっと、そういう夢可さんは?」
「えっ!? いたら孤独だなんて思わないよ!」
「あぁ、そうですね……ははは」
ん?
アデルの奴、若干顔が赤い?
何かあったかな?
とりあえず、今の私はすぐに付き合おうとは思わない。
こいつの笑顔とかを見るのが楽しいし、嬉しい。
せっかく恋を知ったんだ、ゆっくりと育んでいこう。
ぐいぐい行きすぎて嫌われるなんて、それだけは避けたい。
アデルの事をもっとよく知ってから、告白してみよう。
だから、アデル。
あんたの事をもっと、私に教えてほしい。
私も女なんだなって、改めて思ってしまった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!




