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二人の最強による、日本観光記  作者: ふぁいぶ
第一章 渋谷観光編
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第十八話 リューンハルトへの帰還

渋谷観光編、もう少しで終わりです。


 ――由加理視点――


 強盗に遭遇しちゃったけど、あっくんとアデルさんが刑事さんと協力してあっという間に解決しちゃいました。

 いやぁ、この二人は見事な人外さんです。

 あんな動き、人間にはやっぱり無理だって。

 でも、あっくん格好良かったなぁ。


 そんなこんなでアタシ達は今、渋谷のゲームセンター、《アルアール》に来ています。

 何かあっくんが「TRPGじゃなくなった」とほっとしていたのが少し気になったけど。

 ここでがっつり遊んじゃった!

 現在夜七時、あっくん達が日本にいられるのは残り三十分だけになってしまっていた。

 あっくんは本当色んなゲームを楽しそうにするし、アデルさんはダンス体感ゲームに思いっきりハマっちゃったし。

 ステップを一生懸命楽しそうに踏む魔王様、なかなかシュールだったなぁ!

 でもやっぱりイケメンだからなのか、動き一つ一つが様になっていて、すっごいギャラリーを作っていた。

 後半まるで踊っているかのようにステップを踏んでいたから、見ているアタシも楽しんじゃった。


 あっくんに関しては格闘ゲームをやっていて、十連勝とかしていたなぁ。

 アタシとアデルさんは近くで見ていたけど、腕の動きが早すぎてよく分からない。


「はっはー! 勇者になってよかった事は、反応速度の上昇と正確なレバー操作にボタン入力が出来るようになった事だ!」


 なんて叫んでいた。

 人外になってよかった利点らしい。

 ……あっくんらしい、間違った勇者の力の使い方だね、これ。

 しまいには格闘ゲームの世界大会で常に上位に君臨する人が登場して、接戦の末あっくんが負けてしまった。

 すっごく悔しそうにしていたけど、最後には「良い試合でした」とお互い握手を交わしていたなぁ。


 今は三人で電車に乗ってあっくんの家まで帰っている最中です。

 アデルさんがどうしても電車に乗りたいと言い出したからね。

 すっごい目を輝かせて外の風景を見ているアデルさん、本当に魔王なのか疑いたくなっちゃう。

 そんなアデルさんを落ち着かせようとしているあっくん。

 そしてアタシは、ゲーセンで撮影したプリクラを見て、頬を緩めている。


 最初は三人一緒で撮影したんだ。

 あっくんが真ん中で両脇にアタシとアデルさんを置き、肩を組んでの撮影。

 二枚目は三人で腕組みして格好付けているプリクラ。

 最後の三枚目は、それぞれがお題のポーズを決めているやつ。

 アタシはモデルさん風ポーズ。

 あっくんは勇者風ポーズ。

 そしてアデルさんは魔王風ポーズ。

 二人からは「そんな無茶難題な!?」と言われたけど、気にしない気にしない。

 アタシのポーズはだっちゅうのポーズ。

 ……まぁそこまで胸ないけど。

 あっくんはよくわからないけど、剣を天に掲げているような感じのポーズ。

 最後にアデルさんは、右目を抑えて笑っていた。


「「何処の厨二だよ、それ」」


 アタシとあっくんは綺麗にハモった。

 その後にアタシとあっくんで撮影したんだけど、もうこれ、一生の宝物になりそう。

 一枚目は二人でピースして、二枚目は二人で同じポーズをして撮影したんだ。

 三枚目は、あっくんが背後からアタシを抱き締めてくれているプリクラ……。

 アタシからお願いしたんだけど、すっごい恥ずかしかった。

 でも、何かあっくんに包まれているようで、暖かくて幸せだったなぁ。


(もうこのプリ、スマホに大事に貼らせていただきます!)


 後で学校の友達に自慢してやろうっと。

 自慢の彼氏が出来たって……。

 えへへへへへへへ。


 でも、もうすぐでお別れなんだよなぁ。

 かなり、寂しい……。

 でも、あっくんが決めちゃった事なんだから、変えられないよね。

 うん。

 笑顔でしっかり見送ろう。


 電車は目的地に到着した。

 あっくんとアデルさんとのしばらくのお別れは、もう目の前だ。










 ――アデル視点――


「アタルさんのお父上とお母上、大変お世話になりました」


 私は、心を込めて三人にお礼をする。


「いや、僕も感謝するよ。貴方の魔術のおかげでこうしてアタルが戻ってきてくれたのだからね」


「そうですよ、本当にありがとうございました。これからも、息子と仲良くしてくださいね?」


「もちろんです。初めて出来た人間の親友ですから」


 そして私はアタルさんの方を見る。

 アタルさんとユカリさんが両手を繋いで、別れを惜しんでいる。

 ユカリさんが今にも泣きそうな顔をしていて、アタルさんが困ったような笑顔を浮かべて宥めている格好だ。


「全く、由加理ちゃんとアツアツだな。うちの息子は」


 お父上がため息をついて言った。

 確かに、見ていて何だか私が恥ずかしい気分だ。


「不思議ですねぇ。魔族には恋愛という行動はないのですけど、見ているとこちらが恥ずかしいです」


「アデルさん、あれを見てそのように感じるなら、貴方も恋が出来るはずだよ」


「そ、そうなのでしょうか?」


「そうだよ。理性や道徳を持って生まれた私達は、子孫を残す雌だけでなく、その雌の心も求めた。肉体だけでなくて精神的な繋がりも求めるようになったんだね。貴方のような聡明な人なら、魔族とか人間なんて関係なく恋が出来るはずだよ」


「……なかなか難しい事をおっしゃる」


「ふふ。きっと貴方にも素敵な人は現れるさ」


「だと、いいですね」


 お父上と話していると、ユカリさんが驚くべき行動を取った。

 何と、背伸びをしてアタルさんの頬に唇を付けたのだ。

 何なんだ、あの行為は!

 もう何だか恥ずかしくて、目を覆いたくなるぞ!!

 そして、トドメの一言。

 ユカリさんが自分の唇に人差し指を付けて――


「帰ってきたら、今度はこっちにするね?」


 顔を赤くして言ったその台詞に、アタルさんの顔も真っ赤になっている。

 かくいう私もきっとそうなのだろう。

 うわぁ、すごいものを見てしまったぞ!

 そして、アタルさんはこの世界で見た、ロボットという物のような動きをしながら私の所まで歩いてきた。


「ヨシ、アデルサン、モドロウ」


「言葉がカタコト過ぎですよ、アタルさん」


 こりゃしばらく使い物にならなそうだな。

 私は魔術を発動させ、次元の穴を生成した。

 この穴の先は、もちろんリューンハルトだ。

 私は動かなくなったアタルさんの腕を引っ張りながら、三人に別れを告げた。

 そして、このニホンにも一時の別れを告げた。


「また来ますよ、ニホン。今度はゆっくりとね」


 暖かい風が吹いた。

 まるで私の言葉に答えてくれたかのようだった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

次回は、渋谷観光した後の話を数話書いた後、第二章に突入です

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