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涙の華

作者: 月桂樹

ある人に、贈ります


読んでくれることは、ないだろうけど


付き合うのに、あんなに時間をかけても


別れるのに、時間はそこまでいらない


付き合うのに、多くの言葉を交わしたのに


別れるのに、多くの言葉はいらない



付き合っている事に

心配する事に

好きでいる事に


疲れて、疲れて


溜息をついた


耐えて、耐えて

耐えられなくなって



「別れよう」



送ったメール


会うことは、できなかった


自分の決心が揺らぐから

離れられなくなってしまうから



「…本気?」



嘘でもこんなこと言いたくない


今、あなたは何を考えているの?


聞きたい


でも、聞けない

聞けるわけがない



「本気」



単語でしか返せない


別れたいと思っている気持ちと同じくらいに

別れたくないと心が叫ぶ


でも、私はそれを無視した


涙が止まらないけれど


勝手だけど



「わかった」



答えは簡潔


わかっていた事


あの人の事だから

必ず了承すると思ってた


私は、我が侭だ


別れたいと思いながら

断ってほしいとも思ってたなんて


そして、臆病だ

卑怯者だ



「今までありがとう」



ありふれたつまらない言葉



だけど、そんな言葉しか思いつかない





大好きな人



愛してた人



今までありがとう



愛していました



それだけは本当


信じてほしい



私の事なんか忘れて



私よりもはるかに


素敵な人と出会って



愛し合ってくれればいい



本気で、そう思っている



だけど、それと同時に



忘れてほしくない


付き合ってほしくない



そう、思ってしまう、願ってしまう事を



許して



さようなら



会うことはないでしょう



さようなら



愛して、いました



それだけは


本当なのです



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― 新着の感想 ―
[一言] 本当に切ない作品ですね。 まるで失恋ソングの歌詞を読んでいるようで、作品の世界に引き込まれていきました。
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