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第四話。怪人と悠一と学校と

昔の夢。

静寂な守護神の名を継ぎそして自分の私利私欲のための自己満足を初めたそのトリガー。

悠一は先ほどまで見ていた過去の出来事ストーリーを胸にしまい、そして隣に寝ている美幸を撫でる。そしてそれで彼女は起きてしまったようで悠一はばつ悪そうに、謝罪した


「すまん、美幸起こしてしまったか?」


「いえ、ご主人様……それよりも、もう少しだけ撫でてくれますか?」


その言葉に悠一は無言で撫でる、美幸はそれをまるで至高の宝のように目を細めそして喜びに浸る、しかしそれもつかの間。ドアからノックの音が聞こえる、時間としてはいつも悠一が起きなければいけない時間。美幸が悠一と夜共にした場合は必ず代わりに起こすものがいる、それは


「主様、起きておりますか?」


美幸の弟の幸彦だ。これはいつのなにか出来ていた暗黙の了解である、そして必ず


「安心しなさい幸彦。すでに起きています、いつもように待機をお願い」


「わかった美幸姉さん」


返事は美幸がするのだ。その間にいつもと言っていいほど悠一は美幸の髪の毛を弄っている。理由は昔からの癖とかだ、そしてその受け答えが終わると美幸はベットから這い出る無論服など着ていない。そしていつもの通り一礼を悠一に向けてする


「おはようございます、ご主人様……それではよろしいでしょうか?」


この言葉はいつもそうだ。美幸は悠一を求めた次の朝必ずこれが現実であると確認するための行為、それは接吻キスそして


「ああ、いいぞ」


美幸は裸のまま悠一を抱きしめる、それはそれは強く。まるでその強さが自分の証明のように。そしてキスを一通り終わらせるとそのまま悠一の首を少しだけ噛みながらこう言う。


「ごめんなさい、いつもいつも……悠一」


「……いいさ、お前が不安だと言うのならいつでもしてやる。だから安心して今日一日頼むぞ」


「……はい……ご主人様」


普通の人ならばいっしょにいた時間が長ければそれだけ十分満たさせるはずだ。しかし彼女はその一線を越えてしまい、逆に触れないのならば少しは体制がある分一度甘えるとたかが外れるのである。一種の薬物中毒に使いだろう、それは美幸の場合は薬物ではなく悠一なだけでだ。そして一通り終わらせると美幸はすぐに着替える、もちろんメイド服に。そして


「それでは外でお待ちしておりますので早めの着替えを」


「わかった」


そして悠一は制服に着替えだす、昨日が入学式であり今日が始業式なのだ。悠一は制服を纏いながらデバイスを起動させた


「アリス、起きているな」


[はい、起きていますよ。ちなみにメラナイトの方ならばまだ68%しか回復していませんので使用はできませんよ今日までは]


「だろうな、とそうではない。それよりも少し調べてほしいことがある」


[何なりと]


「昔のAAAのデータからちょっとした情報を集めてほしいことがある。父さんの時代からさらにさかのぼってさらに、爺さんの代までは許可をするから調べてくれ」


[はい、それでどのどうな案件ですか?]


「……悪の組織、いやブロークン・ピースについてだ。早急にだ、まさかうちの技術部が勧誘され攻撃されるとは。正義だろうがなんだろうが……この俺の物を勝手に何かしようとした、すぐに調べろ」


[了解です]


そしてデバイスから出ていた女の子は消える。悠一も着替え替わりそして廊下にでるとメイド服そして執事服の美幸、幸彦が待っていた。


「すまない、少し待たせたか?」


「主様、そのご気遣い感謝痛みりますが、我々にそもそもそのようなことはございません。主君を待つ。これに我々に理由などありませんので」


「その通りですご主人様。それではまいりましょうか」


「そうだな、今日の朝食は」


「はい、言堂さまより鯵だそうです」


ちなみにこの部屋から廊下を歩く際なのだが悠一の後ろに二人という構図を普通の主従関係ならば思うだろう。しかしここで違う点があるそれは幸彦は一歩下がりついてきているが美幸は悠一の隣に絶対にいる。理由は、ほんの昔悠一が思春期真っ盛りなころに一度だけ美幸に「なあ、お前のこといつでも犯していいか?」などと言う冗談をいったのだがそしたら返事が「それでは私はいつでもご主人様の隣いますのでもし私如きで発情していただけたのならばすぐに申し付けください。すぐに準備いたします」と、当時でこの状態で……ちなみにまじめにそのような仕方は一度もない。


「アジか。いいね、それよりも今日は幸彦は学校はってあるか」


「はい、今日はレクレーション並びに部活紹介ださうです。主様には関係のない話ではありますが」


「確かにな……美幸も部活「私も関係ありません」ああ、そう」


「……大体、私はご主人様と一緒にいるときこそ至福でありそれ以外では何もありません。愚弟、なんど言えばわかるのかしら?」


「……主様を見ながら俺を罵倒するのを辞めてくれないか美幸姉さん」


廊下が終わり食堂に到着。いいにおいのした食卓と言うべきだろうか、すでにテーブルには三人分の食事が並んでいた。


「今日は新鮮な鯵が手に入りましたので、悠一様は焼き魚がお好きでしたので」


そして言堂は悠一の椅子を引く。他の二人は自分で椅子を引き座るそして楽しい談笑ともいえる今日での学校の話だ


「しかし、今日は早く帰れる。いろいろと溜まっているんだよな、新しい工場計画とか新プロジェクトの発足。それに今度の株主総会の流れも予知しないといけないし、学生の本分は勉強だと言うのに」


「そう思うのでしたら悠一様、どうでしょうか今日は久しぶりに私めと軽い試合でも?」


「やめておく、大体爺とまともにやって一日で終わったことなんてないじゃないか。今日は帰って仕事の整理、それに美幸とイチャイチャでもしているさ」


「まったく、悠一様も。美幸、幸彦貴様らも食したらどうだ?主である悠一様はすでに召し上がっている。まあ美幸はそれ所ではないかもしれないがのう……」


言堂の言う通り美幸はずっと悠一の顔を見ながら悶絶しているだけであったのだ。悠一はそれに焦るそぶりも見せずにそのままお茶を飲む。





さて、始業式なんてものは一言いえば退屈でしかない。と、言うわけで彼女、有理美幸だが彼女は現在生徒会としての代表としてそこに優雅に立っている。さらにこの回の終わりには一年生の歓迎会も兼ねており今回は二年生も浮かれているが、この人はどうだろうか。


「だりぃ」


そう述べるのは悠一のほかに誰もいない。現在悠一は一人でいた、もちろん周りにはいろいろな生徒がいたが、悠一は一人でいる。理由はネクラであり誰にも近づかれることがないからだ……ただ一人例外を除いて


「おいおい、相変わらず読書かよ。もう少し真面にこの式に出ようと思わないのかよ?」


そういうのは寺島準だ。ちなみにこの学校の体育館は下の壇上などがあったりするところで、さらに運動できる空間。そして二階に観客席がある、三年生や二年生はここに座るのが定例で大体誰も聞いていない。だからこそ悠一は読書をしていたのだが


「そういうお前は…写真部いいのか?」


「ああ、なんでも今回は部員がやるって副部長からお達しがきてな。今回は非番なんだよ、それよりも相変わらずお前はクラスから変に離れているな」


「うるさい、好きで離れているんだよ。それにしても今回は始まるの遅いな」


「そうだな、だけどまあすぐにはじまるんじゃないの?まあ、面倒なことがない限り大丈夫だろうけど……なんか知らないのか?」


「俺がなんで知っている定なんだよ」


「お前のことなんだからな、なんか知っていてもおかしくはないだろう?それに憶測ぐらいならお前にとって簡単だろう?」


「……簡単でもないさ。それに始まるみたいだぞ」


悠一は指をさすように目線で壇上を向ける、そして始まったようだ。


「それではこれより……始業式を始めます。最初に始まりの言葉、生徒会副会長九十九龍」


「はい」


その声は男らしいがどこか、荒々しい声がかかった。九十九龍、彼はこの学校の男子に恨まれるであろう要素半分とそして尊敬される要素が半分存在するような、簡略として言えばイケメンなのだ。


「これより、始業式を始めます」





さてはて、始業式が終わり部活のある生徒はそのまま部活へ。しかしその部活に所属していない人もいるのだ。一年生はまだ学校の説明を受けているだろう。ゆえに大体この時間に帰るのはそれこそ少ない……だが、彼女の周りにはいつもひとが多いのだ。


「有理さん、さようなら」


「さようなら」


そう、美幸だ。彼女の周りにはいつも女性男性とはずに多い、しかも彼女はその者たちの誘いを一度も受けたことはない。ちなみに高校一年生の時無理やり連れて行こうとした男子生徒をそのまま合気道で投げてしまったこともありそういった部類の輩もいないのだ、しかも誘いを断る際も相手のことを考え最善をつくしたように見えるが、実際は違う。


「……それでは私はこれで」


「そうですね、ごめんさない有理さん。それではまた明日」


「はい、それではまた明日」


そして美幸は校門で待っている黒塗りのリムジンに乗り込むのであった。そしてその車は徐々に人気のない所の道に入る。もともと“あの”家はそれほどまでに大きくそして遠い、だからこそあの家にようがない限り使わない道までもあるほどに。そして車は止まる……主を乗せるために。


「……お帰りなさいなさいご主人様」


先ほどまで悠々としていた美幸はまるで主をまつ子犬のような目で彼を見る。そして運転手である老人が彼のバックを持ち美幸は車の中に誘導する。


「お迎えにあがりました悠一様。今日もお早いですね」


「ああ、そうか?いつもと同じように出ていき、お前らも大体いつもと一緒だぞ……」


「それでもです!本来ならば私などがこのような迎えなどに…ご主人様こそが本当ならば」


「はいはい、それぐらいにして爺。お願いするよ」


「はい、分かりました悠一様。これよりお戻りいたしますので」


と、言堂が運転をし始める。そして悠一は美幸からの今日の出来事を聞いていた。


「そうなのですよ……本当にご主人様に時間をかけてしまい」


「俺ではなく生徒全員な。それよりいったいなにかあったのか?随分と時間をかけていた割には何も説明もなかったが?」


「はい、実は……九十九副会長のあの屑が「これ美幸!悠一様の前だぞ!」……申し訳ありません……九十九副会長が新たなるなど、いろいろと挑戦しているので。その影響で少々の遅れ、そして先生方の…迷惑の!」


「はいはい、分かったから。それよりも爺、少しばかり……斜めに動け、それに衝撃に備えろよ美幸……アリス動けるな」


「はい?」


[まさか、このような事態とは]


AIの言葉と同時に車に衝撃が走る。横からくる衝撃、美幸はすぐさまに悠一を守ろうとするがそれよりも先に抱きしめられ守られていた。言堂はすでに回避行動の運転が行われていたおかげで事故にはならなかったが……問題は


「おいおいおいおい、ウソだろ!なんでヨけんだよあのクルマ!ちっ、ショウグンのメイレイでこっちにキたのによ!」


声からしてこれはあれだな、そう


「怪人」


「いっつえくせれんと」


悠一のいやいやそうな顔とそして美幸は抱きつかれているせいでそのまま顔を真っ赤にしている。アリスを起動した悠一は優雅にそしてそれをまったのだ


「ふむ、大体二分か……さてそれまでに家に着くか、それとも逃げ切るか。腕の見せ所だな爺」


「はい、分かりました。しっかりとおつかまりください!」


そして言堂はさらに気合を入れなおし、ギアを上げる。さらにシステム上アリスの加護があるためにそれほど無茶な運転でもない。しかし相手は人ではない……そう怪人なのだ。


この世界に居るべきではない魔物。そう表現されてもおかしくないだろう。正義の味方には必ず悪役が存在する。だからこそその悪役は異形であるのが定石だ。


「しかし、今回はなんで狙われているんだ?この前は確か高級そうな車で狙われたが?」


[今回もその可能性が大ですね。このままでは車での走行は難しいと思いますが?]


「いや、二分で、と言ったが実に優秀のようではないか……“正義の味方とは”ね」


「はい?」


美幸は悠一の言葉でなにか分からなかったが、しかしすぐに正体がわかった。三人組の正義の味方。その名は


「オメガマン」


オメガマンとは、この川木市にいる正義の味方でありこの悪の組織に対する唯一の対処法とこの世界、日本で認められている集団。


「さてはて……正義の味方も来たことだし、爺飛ばせるね、さっさと逃げて部屋にこもろう」


「はい、悠一様」


そして車はそのまま走り出す。今夜のニュースはもちろん正義の味方の活躍でいっぱいとなったのであった。


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