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第二話。学園という日常

現在悠一は車から降りて学校につき廊下を歩いている。誰も彼のことを気にもしないし、それに同級生ですら誰?の状態だ。

悠一は目立つのが嫌いというのはそれは昔のころからだ。実際は父親が死んだときからだ。そのせいで彼は学校では根暗など眼鏡など、まあプラスは言われる方はしていなかった。しかしその中で悠一の唯一の友人がいた。それは


「おいユウも今日は来たのか。珍し…くは無いか、お前さんの場合は結構暇つぶしでここの図書館とか使うもんなって今日は確か開いていないぞ、なんていたって今日は」


「入学式だろう」


「そうだぜ、見ろこれを」


さて。そろそろ紹介しよう。彼の名前は寺島テラジマ ジュンだ、顔からは言えば結構イケメンで髪型は天然パーマなのか非常にパーマのかかった青年だ。部活は写真部で現在悠一にカメラの自慢をしている。ちなみに彼と悠一がなぜ友人なのかというとそれは今度話そう。して準は悠一のことを大事な友と思っており気にかけているのだ。


「それにしてもよ、さっきすげぇもんが来た」


「お前がそんな言うものか?なんだよ一体」


「ああ、あの女神様の弟だよ」


準が女神様と言うのは美幸のことだ。美幸の人気はすごいそれは写真部でも大きく取り上げるものだ。ちなみにこの女神様というあだ名をつけたのは準でもあった。


「ああ……有理さんの」


「そうだよ、まあお前さんは興味がないだろうけどよ。けどすごいぜ、登校にリムジンでよしかも運転手が漫画でみるような老人!今回の入学式じゃあやっぱり一番のスクープって感じはある」


「そうか……だけどお前最近はあっちのこともなんか調べているとか言っていなかったか?」


「もちろんだとも我が友よ!昨日だってオメガマンはやってくれていたよ!ニュース見ていただろう?」


オメガマン。それの説明をするまえにこの世界のことをもう少し話す必要があるようだ。まずはここは地球、日本という国でのお話。してそこでは日夜平和を守るために活動しているヒーローたちがいる、それがオメガマンだ。悪の組織からこの日本を守っている、これがこの世界の常識だ。と、言うことで現在準の中での最大の求めたい真実はそのオメガマンの正体だ、ちなみにオメガマンと言っているが三人いる。


「相変わらずの正義の味方なんだな」


悠一はあまり気にしていない、いや正確にはあまり気にならないのだ。


「相変わらずの反応だね~それじゃあ俺はさきに講堂のほうに行くからな、ユウも来るならこれでも使え」


そして準は悠一に写真部専用のカードを渡した。このカードは講堂の特別席、まあ写真を撮る専用の場所のパスだ。


「いいのか、こんなの」


「ああ、どのみち俺だけだからな今日は……後輩がみんな来なかったからな」


「お前、もしかして」


「ああ、そうなんだ」


「避けられているのか?」


「違うから!?全然違うから。ただ単に面倒でみんな来てないだけだから!」


「……さびしいな、お前も……」


悠一すら慰めることしかできなかったのはこの二人である。


場所は変わり、美幸は一人で歩いていた。しかし先ほどの悠一とは違い今度は全員が振り向くのだ。ちなみに美幸はこの視線が大嫌いなのだ。理由は自分を見ていいのは悠一のみと思っているからだ。


「はぁ~」


そんな美幸の後ろから声をかける女性が一人いた


「お~い、ミユキチ~」


彼女の名は九十九ツクモ アカネだ。容姿から説明すれば美幸との二強ともいえるほどの美貌だ。美幸が清楚のイメージであれば、彼女は可憐と言うイメージであろう。ボーイッシュな活発的ではあるが、しかし女性らしいところもあるという。美幸とは違うタイプだ。


「あら?茜……どうかしたのかしら?」


「いやぁ~さっき、ちょうど正門でミユキチの登校をみていてね。一緒に降りてきた男の子ってもしかして」


「ええ、私の弟よ。茜はどうしてこっちに、今日は生徒会は会長と副会長以外は非番なはずよ」


「そんなの、私の薫ちゃんのために決まっているじゃない」


彼女、茜の弟、それが九十九ツクモ カオルなのだ。先に説明しておくと彼女はブラコンであるしかも近親相姦もいとわない覚悟でだ。ちなみにこれを知っているのは肉親である兄、そして茜本人、美幸の三人だ。


「相変わらずねあなたも。だけど弟さんもこちらに入るのね、お願いだから生徒会のような状態にならないでね」


美幸は一度だけ暴走した茜の相手をしているので大変さを体で覚えていた。


「もちろん、大丈夫だって。今日は薫ちゃんの入学式をカメラで収めたら帰るつもりだから、薫ちゃんのためにパーティだからね」


「……一応聞くけど、そのビデオカメラはいくらかしら?」


「150万」


即答ですごい金額である。美幸にははした金ともいえる金額ではあるが、どこの世界に自分の弟の入学式、しかも高校で。テレビ番組で使うカメラを持ってくる人がいるだろうか。


「まあいいわ。どのみちあなたのことだから、特別席でも用意してもらっているんでしょう。九十九君の力で」


茜の兄。九十九ツクモ リュウ、美幸は少し自身からその名前を発したくない言い方をした。理由としては、彼はこの学校で現在副会長をしているのだが問題はここからだ。龍は完全に美幸を狙っているのだ、狙っているの意味はそのまま彼女にしたいのだ。だから彼は美幸のことをカワイ子ちゃんと呼ぶ。彼女はそれが一番の嫌いな理由、美幸にかわいく、そして艶美に、そしてきれいであるのは悠一のみなのだ。


「兄の話はしないほうがいいでしょ……ミユキチてきにも」


「ええ、本当に」


美幸は誰にでも優しいイメージがあるのだが、彼だけは嫌悪しているのだ。まあ好きでもない男に言い寄られても嫌なだけだろうが、しかし


「イケメンなのにね~うちの兄。まあ性格はひどいからちょうどいいのかもしれないけど」


そうなのだ、妹の茜が言うように周りからはイケメンと言われるものが劣るほどのイケメンなのだ。


「そうね、だけど私は嫌いよ」


「ざっくりだね、ミユキチ。まあミユキチもミユキチの好みがあるから私としても言っておくよ、あの愚兄には」


「そう、それでは行きましょうか?私は一般席だから関係ないけど」


「あ、それならこっちにくる?」


「いいのかしら?」


「まあこの席って写真部とかと近くの場所らしくてさ、たぶん写真部にはあの部長さんだけだろうから、大丈夫だよ」


そして二人は一緒に歩き出したのであった。



さて、そろそろ一年生である新入生のほうにも目を向けてみよう。現在幸彦は一人で席についていた。理由としては女子は、イケメンな彼に見とれており、男子は嫉妬の眼でみていたからだ。しかしここで一人だけ声をかけたものがいた。


「あ、あのう」


幸彦は振り向くとそこには女の子のような顔をしながらも男子の制服を着ている子がいた。


「君は?」


「あ、は、はい。九十九薫っていいます、あの有理君でだいじょうぶだよね」


「ああ、そうだが、君は「男だよ!」……そうではない、一応顔たちは女性だがそういうのもいるだろう。そうではなく、君はもしかして姉の友人の九十九さんの」


「あ、はい。僕のお姉ちゃんですね、九十九茜、茜姉のことでしょうから」


「なるほど。現状俺のこんな状態で声をかけてくれるのはまあ、それぐらいか」


「あはは、なんだかさっきから注目されてるもんね、え、えっと有理君」


「何、そんなものさ。それよりもそんな固く言わないでくれないか、俺のことは幸彦でいい」


「あ、それじゃあ僕も薫でいいよ。だけどまだなのかな、入学式。結構このクラスでたつよね、僕たち」


「そうだな。まあだけどしょうがないんじゃないか、最近は物騒だからね……オメガマンとかもいるしな」


「そ、そそ、そうだね。幸彦君は中学までとか何をやっていたの」


いきなりの話題転換に少し幸彦は疑問をもったがすぐにその疑問はなくし、薫の質問に答えた。


「一応剣道をしているよ。だからこのまま剣道部にはいるつもりさ。薫は?」


「僕はね、一応新体操かな?昔からやっていて体が柔らかいから」


「新体操か。この学校は多いらしいからな部活」


「うん、茜姉からもたまに部活の話はきくよ。まあ大変そうだけどね」


「確かにな……まあうちの姉は入っていないけどね」


そこで少し苦笑をする幸彦。姉の部活の入らない理由が完全に悠一と一緒にいる時間を増やすためとはここでは言えなかった。


「みなさん、大変お待たせしました、それでは移動しますよ」


担任の先生からの声。そして入学式が始まりだした。



入学式が始まると、写真部の部長である準は現在輝いていた。


「やっぱりこれほどの人が多いと、あれだね……アングルとか、大変だね♪」


「随分と楽しそうだな、お前は」


悠一は写真部のところで入学式を楽に見ていた。まあ実際はその高いところで入学式を見たりたまに準の手伝いをしたりと普通に楽しんでいた。


「おお、これはすごいな……あれは女神と戦乙女ヴァルキュリーの弟が二人で一緒とはこれはこれはすごいな……知り合いみたいだなやっぱり。ああ、すまんが悠一こっちにあの「ライトな」すまんな」


「別にいいさ、これぐらいはやらせてくれ。それよりもお前さんのそのあだ名はどうかと思うぞ」


女神とは先ほどの説明したとおり美幸のことである、そして戦乙女ヴァルキュリーというのは茜のことだ。理由は彼女の身体能力は普通の男子よりも上だからだ。


「そうか、副会長さんからもうまいことをいうじゃないかって言われたぞこの前。まああちらさんはあちらさんでお客様でもありますし」


「お客さん?」


「いや、なんでもないぞ悠一。それよりもよ、なんか今年の一年生は普通だな」


「なんだその普通って?大体のやつらが普通っていう平凡だろうが?」


悠一はそういいながら今回の入学式を上から見ていた。してそんなに目立つ人間はやはり幸彦、そして九十九の弟だと悠一は思った。


「だってよ、俺らの代を考えろよ。九十九兄弟に女神様。さらにさらにのお前さんもだな」


「……はい?」


「いや、だってよ。お前って絶対にこの学校じゃ猫かぶっているだろう?つうか完全に俺みたいに仲良くしないとそんな風にはなさねぇしさ。絶対お前は違う意味でああいうやつらと同類だよ」


「……勘弁願いたいな、それにそれを言うならお前とてそうだろう?写真部を創設させた写真部一代目部長さん?」


「かぁ~やっぱり悠一のほうが一枚上手か。おっとそろそろ生徒会長さんのお話やな、とらないとな」


「なんでだ、今回は新入生だけじゃないのか、とるのは?」


「なんでも生徒会の活動報告でも使いたいんやと。だからとらないといけないんだよ」


「大変だなお前も。それじゃあ俺は少し入学式でも見るかな」


そして準はカメラを構え、悠一はリラックスした状態で話聞くのであった。



美幸は現在非常に焦っていた。理由はとなりから聞こえてくる声だった、もちろん普通の人間には誰かが話しているとしかわからないが、しかし彼女にはわかってしまう。それは悠一ということに


「うわぁ~ここは確かに写真部の特性って感じ。全体見れるし、どうかしたのミユキチ?」


「……あ、い、いえなんでもありません。それよりもあなたは弟さんを探さなくていいのかしら?」


「お、そうだった。愛しの薫ちゃんは……あそこだな♪」


体育館の大勢のいるなかすぐに見つけられる彼女の力は偉大である。そして彼女はそのまま自分の弟の勇士を撮りながら見入っていた。


「……助かりましたね、少しだけ」


美幸は隣に悠一がいるのに、近づけないこのもどかしさに完全に精神的に疲れている。自分の弟の入学式よりも悠一なのだ。しかし彼女も彼女で対抗手段がある、それは制服の下に隠しながらつけているロザリオだ。このロザリオは悠一からのプレゼントで、主従関係が始まった10年記念にもらった品物。これを握りしめると少しだけ美幸は悠一に会いたい衝動を抑えることが出来るという、完全な禁断症状の緩和剤の役目。


「はやく、終わればいいのに……」


そんな彼女の呟きは弟を追う姉には聞こえなかったようだった。



結局悠一は手伝いを終えるとそのまま歩いて帰ることにしたのだ。しかしその時、ある出来事が起こってしまった。


「泥棒!!」


そんな声が背後から聞こえてくる。それは颯爽と悠一の隣を風を切って走って行った。旧式のバイクだ。


「……はぁ~番号は覚えたからあとは警察でいいだろう。アリス、連絡よろしく」


[ハイ、マスター。しかしよろしいのですか?]


携帯ごしのAIの声に悠一は一瞬笑う。そしてこう告げた


「まだ、“夜ではないからな”」


と、まるで何かの宣告のように


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