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お母ちゃん くれぐれもお元気で・・・

皆様、日々お疲れ様です!


今日は

違う角度から

お話をさせて下さい!


(護介)の思い出と...

介護施設アルアルな!

お話になります


それでは宜しくお願いします

はい!!


今日のテーマは

【介護施設あるある!】

これをお届けいたします!!


さてさて...

以前にも話しましたが

介護保険事業というものは

サービス業に分類されます!


サービス業と言えばもちろん!!

「接遇」これは大事です


でも、ご利用者様=お客様

(様)(さん)などの数ある敬称


◯◯(ちゃん)と言うサービス業

注)それが目的のカフェ等は置いといてww


これは珍しいのではないか?

そしてこれは如何なものか?

時に課題になったり

問題視されたりしています


はい!


ここからは私(護介)の個人的な意見です!


気が進みませんでしたが

AIのアイに

私の過去のデータを動画にしてもらいました

それでは宜しくお願いします!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【動画開始】


あれは…


私がまだ20代の頃...

春の薄い緑が濃さを増し

初夏を迎えようとしていた頃でした


〜〜〜〜◇◆◇◆◇〜〜〜〜

80代の女性、認知症はなく

俺が生まれる前から

一人暮らしをしてきた女性...

(だからこそ、失禁するというだけの理由で要介護認定を受け、施設に入ると決断せざるを得なくなった方だった)


腰は曲がっていない

シャキッと歩く姿が

施設では違和感を感じたくらいだった


白髪は混じっていても

常にまとめられた髪

服装はその姿勢と髪が似合っている


その凛としたTさん


若さしかなかった俺には

近寄りがたいと思ってしまった...


そう..俺は…

未熟な介護職員なだけだった


ーーーーーーーーーーーーーーーー


Tさんは

おしぼりを畳む作業なども手伝ってくれた


「何かしてた方が気が楽なんよ」

他の職員と

楽しく会話している…

耳に入ってきた


しっかりしているからこそ

(失禁)には余計に気を使った


女性職員がさり気なく

パットを変えるだけの介助

Tさんは、これだけで生活できる


(施設の中であれば…)


今思えば...

あの時の俺は

Tさんを避けていたのかもしれない


何度もやってきている

入浴介助やオムツ交換


でも

未熟な男の俺は

Tさんのパット

たった一枚のパット

それすら交換する事ができなかった


そして何よりも

俺が遠くにいる時にこそ

Tさんから感じる視線


見張られ…

試されているようで怖かった…


ーーーーーーーーーーーーーー

そんな距離感のまま

Tさんが施設に来てから3ヶ月程がたった頃



食事介助の時に使うエプロンを

洗って干している時だった


「そんな事、私にまかせりゃよいに…」

そう言うと

俺の手を触れながらエプロンを持っていった


「よく男でこんな仕事して、偉いな」

「いや…なんも偉くはないですよ…」


(ぎこちない…接遇の欠片もない)


「あなた…いくつ?」


「もう少しで22になります」


「何から何まで…びっくりだわ…」


「何がですか?」


「私の息子…特攻で大昔に死んじゃったけどね」


「え?…せん…そうですか?」

(接遇どころか…ただのガキだ…)


「そう…戦争…」

...............


この後、俺は言葉を失ったが


この時を堺に

Tさんと話をするようになった 


そこからは早かった

自然な挨拶、世間話もできた


学校では何も興味がなかったが

Tさんの歴史の話は興味深かった


<><><><><><><><><><>

そしてついに

俺も

(ここまでくれば!)

不安よりも大きい自信があった

「トイレ寄っとこうか?」


返ってきた言葉は

「あんたにだけはされたくない!」


「すみません…他の…職員呼んできます…」  

予想以上の返で…

これだけ言って

女性職員を探しに行った


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翌日

俺は以前のようにエプロンを干していた

 

「昨日はごめんね…」

「あっ!おはようございます」

また避けてた頃の緊張感が戻った


「あんたが…死んだ息子に瓜二つなんよ…年も同じで…」


「え?戦争で亡くした…って言った?」


「ここに来て、あんたを初めて見た時、心臓が止まるかと思ったわ」


「そんなに似てるの?」


「びっくりしたって前にも言うたよ」


「え?言ってないよ〜」


「息子とトイレは行けんよ…」


「なんだ…本当に嫌われたかと思った…」


「そんなことあるか!また洗濯なんぞやって…おかぁちゃんに貸してみ…やっとくから…」


「じゃぁ…おかぁちゃんに…頼んじゃおっかな!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


この日から俺はTさんの事を

(おかぁちゃん)と呼ぶようになった


経緯を知った職員からは共感を得た

経緯を知っても尚、反対した上司


御家族が居れば御家族とも話したかった


俺は(おかぁちゃん)とまた変な距離感のある感じになるより、上司に逆らう事を選んだ


俺を(あんた)と呼ぶ(おかぁちゃん)


ーーー6年間この関係は続いた


3年目に

認知症と診断された(おかぁちゃん)


失禁は増え

髪が乱れるようになった


それでも俺のことを(あんた)と呼んでくれた

俺が(おかぁちゃん)というと

「どした?」と直ぐに反応してくれた


色々忘れても、この関係は続いた


身寄りがなく、いずれ特養へ行く事はわかってた…

6年と3ヶ月


その時が来た

「ちょっと行ってくるな!」

「うん、気をつけてな!行ってらっしゃい」


良くも悪くも

認知症で状況が理解できていない


玄関まで見送った

「おかぁちゃん!気をつけてね!」


俺が言った最後の(おかぁちゃん)


特養の名前が付いた白い大きなワゴン車

乗ってからもずっと手を振ってくれている


(さよならなんて言えない…)

(どうかくれぐれもお元気で…)


心の中で呟いた…

さん、様、殿、ちゃん

私はなんでも良いと思ってしまっています


賛否両論あるのも覚悟の上です


まずは御本人の気持ち

中には、ちゃん付けされてる父、母を不愉快に感じると言う方もいらっしゃると思います


ご本人とご家族の意向が揃って成立する介護



ご本人もご家族も納得しているなら

それが一番だと思っています


遠い昔の選択

今でも間違っていなかったと私は思っている


あれが今生の別となってしまった

お母ちゃんに捧ぐ!!


まだ頑張ってるよ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

本日は、また少し雰囲気の違うブースにお付き合い下さり

ありがとうございました!


この場を借りて

どうしても護介が伝えたいと言うもので...


介護の世界ではこんな素敵な出会い…

そして別れ…

貴重な経験だと私は思っています


また次のブースの準備に取り掛かります

それではまた

お会いしましょう♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] 雰囲気変わって ほっこりするお話でした [一言] 認知症になってしまってホッコリ一転 寂しさも感じる なんとも言えない気持ちになりました 複雑な心境 お察し致します これからも頑張っ…
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