ショタジジイが喜ぶ
妊娠がわかった夜、ユルリッシュ様に報告をすることにした。
「イザベル、おいで」
「はい、ユルリッシュ様」
今日も大人姿のユルリッシュ様が、ベッドに腰掛けて私を呼ぶ。
素直に隣に座れば抱き寄せられ、しばらくのハグ。そして触れるだけの優しいキス。
いつもだったらこの後、大人な流れになるのだけれど…。
「ユルリッシュ様」
「どうした？」
「ご報告があるんです」
私がそう言うと、きょとんとするユルリッシュ様。
「改まってどうした？何か良いことでもあったのか？」
「はい、その…子供ができました」
「子供…？」
頭にはてなマークを浮かべるユルリッシュ様。一拍おいて、ようやっと反応してくれた。
「俺たちの子供か！？」
「はい、ユルリッシュ様」
「イザベル、よくやった！ありがとう、本当にありがとう！こんな幸せなことがあっていいのか！？」
想像以上に喜んでくれるユルリッシュに、私ももっと嬉しくなる。
「ふふ、本当に幸せですね」
「ああ！…ああ、いや、それよりお腹に子供がいるなら無理はさせられないな。イザベル、今日はもう寝よう。どうしよう、寝室は分けた方がいいのか？それとも添い寝くらいなら許されるだろうか？」
「添い寝くらいなら大丈夫ですよ」
「なら、おいで」
ユルリッシュ様と横になる。腕枕されて、優しく抱きしめられる。
「はぁ…イザベルと結婚してから幸せなことばかりだ。ありがとう、イザベル」
「私こそありがとうございます、ユルリッシュ様。ユルリッシュ様との子を授かれるなんて、本当に嬉しいです」
「イザベル…愛してる」
「私も大好きです、ユルリッシュ様」
そして、これも伝えないといけない。
「それであの…ごめんなさい、ユルリッシュ様」
「…どうした？」
「出産までは公務は禁止だそうです」
「そんなの当たり前だろう。お腹に子供がいるんだ。無理はさせられない」
「でも、ユルリッシュ様の負担が増えてしまいます…」
私がそう言うと、ユルリッシュ様は笑った。
「なんだ、そんなこと。俺は一人でも大丈夫だよ。イザベルと子供の安全が一番だ。だから、安心して休んでいてくれ」
「ありがとうございます、ユルリッシュ様」
ユルリッシュ様と結婚出来て、本当に良かった。
