ショタジジイはその夜狼になった
二回目のデートを楽しんだ日の夜。いつものようにお風呂から上がってユルリッシュ様の待つ寝室へ行くと、何故か大人姿のユルリッシュ様がいた。
「あれ?ユルリッシュ様?」
「イザベル、おいで」
手招きをされ、素直に近寄る。ベッドに腰掛けるユルリッシュ様の隣に座ると、そっと触れるだけの口付けをされた。
「え、あの、ユルリッシュ様…?」
大人モードのユルリッシュ様は、それだけで格好良くて色気がすごい。そんなユルリッシュ様が蕩けるような甘い視線を私に送る。
「んっ…」
そしてユルリッシュ様は、私の問いかけには答えず二度三度と唇を奪ってくる。
「ん、んん…」
柔らかな唇。その感触に、身体が熱くなる。ドキドキし過ぎて頭がクラクラする。
「んっ…ふぁ…」
次第に舌が入ってきて歯列をなぞったり、舌同士を絡ませたりする。
「んん…」
「気持ちいいな、イザベル」
舌を絡ませながらそんな意地悪なことを言うユルリッシュ様。私にはそれに答える余裕はない。
「あ、ん…」
そんな長いような短いようなキスを終え、ユルリッシュ様は言った。
「イザベル。…今夜から、お前が欲しい。応えてくれるか?」
私は、キスでこんなに気持ちいいのに最後まで保つだろうかと若干の不安を抱く。とはいえ、ユルリッシュ様に求められるのはすごく嬉しい。
愛する人と一つになれるのは、すごく幸せだ。
「ユルリッシュ様…」
ただ、なんと答えるのが正解かわからないし、気恥ずかしいので行動で示す。
「ん…」
ユルリッシュ様に口付けをする。そしてユルリッシュ様に抱きついた。ユルリッシュ様はそんな私に優しく微笑んで、ベッドに押し倒す。
「食べちゃうぞ」
「はい、ユルリッシュ様」
甘い甘い、生温い温度の夜が始まった。