やっと前に進める気がした
「ユルリッシュ様」
「どうした?」
「私、ユルリッシュ様と結婚できてよかったです」
私の言葉にユルリッシュ様は微笑んでくれた。
「俺の方こそイザベルと結婚できてよかった」
「ありがとうございます、ユルリッシュ様」
ユルリッシュ様に再び抱きついた。顔を見て言うのは、ちょっとだけ照れ臭いから。
「ユルリッシュ様。今回の件でスッキリして、ようやくちゃんと前に進める気がしたんです」
「そうか」
「はい。だから…もう一度、改めて言わせてください。私は、ユルリッシュ様が好きです。ユルリッシュ様を…愛して、います」
大事なところでちょっと噛んだ。そんな情け無い告白になってしまったが、ちらりとユルリッシュ様の顔を伺えばすごく幸せそうに笑ってくださった。
「俺もイザベルを愛してる。こんなに幸せな気持ちになるなんて、初めてだ。心が満たされていくようだ。イザベル、ありがとう」
「それは私のセリフです!本当にありがとうございます、ユルリッシュ様。これからもずっと、一緒にいてくださいますか?」
「もちろんだ。絶対離してなんてやらないからな」
そう言って私をぎゅうぎゅうと抱きしめるユルリッシュ様に、私は最高に幸せを感じていた。




