表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/60

求婚される

「その…あの…聖王猊下…」


「うんうん、光栄だろう?」


「は、はい、とても光栄です」


「そうだろうそうだろう」


「ですがその…辞退させていただきます」


聖王猊下の目が点になった。


「…何故だ?」


「その、私は元婚約者に捨てられたばかりでして…今はそんな気にはなれなくて…」


「そんな男、俺が忘れさせてやる」


思わぬ男らしい発言にちょっと固まる。どう見ても子供な聖王猊下が言うと、正直めちゃくちゃ可愛い。油断すると絆されそう。


「それに、星辰語翻訳も私には荷が重いと言いますか…」


「大丈夫だ、安心しろ!ベルという翻訳家の能力は俺も知るところだ!お前ほどの実力があれば、魔法書の翻訳もすぐにできるようになる!光魔法も得意なようだしな!」


そう言われると困る。


「お互い名前も名乗ってませんし…」


「俺はユルリッシュ・ナタナエル!ナタナエル皇国の現皇帝の大叔父で、聖王だ!」


「は、はい」


「お前は?」


「…イザベル・ヤニックです。伯爵家の娘です。ベルという名で星辰語の翻訳家もしています」


聖王猊下はキラキラした目で私を見つめる。


「これでもう不安はないだろう!さあ、俺と結婚しろ!」


「…ええっと」


困った。私はショタコンの趣味はない。


「申し訳ございません。やはり私では荷が重いです…」


「…むう。強情だな。ならばこうしよう」


聖王猊下が私の手を掴み、手の甲に手をかざした。…と思ったらなにやら魔法を発動した。


「え?猊下?」


「うむ。これでいい」


「なにしたんです?」


「星痕をつけた」


「え」


星痕とは、星辰聖王が妻とする相手につける印。浮気防止や危機回避などの色々な魔法を付与される。


「え、消してください!」


「いやだ」


「聖王猊下!?」


「結婚式が楽しみだな」


にっこり笑う聖王猊下。してやられた。もう逃げられないことを悟り、私は頭を抱えることになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ