愛してるを伝える
「えっと…」
「何度でも言うぞ。俺はイザベルを恋愛対象として見てる。恋愛対象として、イザベルが好きだ」
伝わらないなら、強引にでも伝える。
「わからないなら、強制的にわからせてやる」
俺は、イザベルの両頬に手を添えて私に触れるだけのキスを何度もする。
「ん…っ、え、ユルリッシュ様、んっ…んん…」
「好きだ、イザベル…好きだよ…」
触れるだけの優しいキス。余裕な顔をするけれど、実際にはドキドキしていて心臓が破裂しそう。胸が苦しくて、幸せが溢れ出す。この気持ちが、唇を通して伝わればいいのに。
「イザベル、愛してる」
「ん、んん…」
「イザベルだけなんだ。本気で俺の孤独を埋めようとしてくれた女性は。母への気持ちも、何もかも話せた女性も。全部、イザベルだけなんだ」
本気で愛してる。俺を癒すと、嫌な感情は全部消してやると。そう言ってくれたイザベルが、俺は好きだ。きっとこの世の誰よりも、イザベルを愛してる。
「好きだよ、大好きだ。愛してる」
「んっ、ユルリッシュ様…」
「なに?」
「んん、ユルリッシュ様のお気持ちは伝わりましたから…!」
「なら良かった」
これ以上はイザベルが保たないだろうと唇を解放する。それでもまだ俺の心臓は破裂しそうにドキドキしている。
「愛してるよ、イザベル」
「ユルリッシュ様…」
少し泣きそうな目。でも、嫌だったわけではなさそう。
「ユルリッシュ様…」
「うん」
「私も…ユルリッシュ様が好きです」
「イザベル…!」
「でも…」
目を伏せるイザベル。
「ユルリッシュ様はそんな人じゃないのはわかります。でも、一度裏切られた記憶は消えなくて」
「うん」
「まだ不安なんです。また裏切られたらと思うと怖い」
「…そうか」
「それでも」
イザベルは俺を真っ直ぐに見つめる。
「私は、ユルリッシュ様と愛し合いたい。ユルリッシュ様が好きだから」
「イザベル」
俺はイザベルをぎゅっと抱きしめる。
「愛してる。たとえイザベルが裏切りを怖がって全部は受け止めきれなくても、それでも受け入れてしまうくらいのたくさんの愛を捧ぐよ」
「ふふ、はい」
「イザベルは俺が守る。ずっと愛するし、裏切らない。イザベルは俺の唯一だ」
泣きそうな、でも幸せそうな。そんなイザベルに、ようやくちゃんと伝わったとほっとした。




