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ショタジジイ猊下は先祖返りのハーフエルフ〜超年の差婚、強制されました〜  作者: 下菊みこと


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13/60

愛おしい妻との結婚式

時はあっという間に過ぎて結婚式当日。大聖堂に多くの貴族が集められた。


大人姿になって、タキシードを着てイザベルの元へ行く。


「イザベル!ああ、やっぱり可愛いな」


やっぱりウェディングドレスを着たイザベルは美しい。試着の時よりさらに綺麗に見えるイザベルに、またも惚れ直した。可愛い。美人。綺麗。


「綺麗だ。この世の誰より美しい」


「えへへ。褒め過ぎですよ、聖王猊下」


「本音だ」


イザベルの両手を包むように握り込む。


「もう結婚の書類も提出したし、俺たちはこれから夫婦だ。聖王猊下、ではなく名前で呼んでくれ」


「…ユルリッシュ様?」


「イザベル、可愛い」


そっと頬に口付けする。最初はその光魔法と星辰語の翻訳能力目当てだったが、可愛いし着飾れば美人だし、性格も良さそうだしもう言うことない。


「さあ、行こうか。我が妻の美しい姿を、価値もわからないアホどもの目に焼き付けてやろう」


後悔しても遅いぞ、アホどもめ。


そして俺が先に会場に入り、イザベルも義兄上に連れられてバージンロードを歩く。


俺の目には今、イザベルしか映らない。


「ユルリッシュ様…」


「イザベル。俺が世界一幸せにするから。指輪をはめてもいいか?」


「…はい!今私、もう世界一幸せですっ…!」


「…本当に可愛い」


まだ誓いのキスには早いのに、ついイザベルの額にキスをしてしまう。そして指輪をお互いにつけて、誓いのキスを交わした。


すると万雷の拍手が送られて、ちらりと会場の連中の顔を確認する。


色んな感情が見てとれる。本当に心から祝福する者。羨ましそうに見てくる者、嫉妬からか憎憎しげな目を向けてくる者。


悔しそうな顔や気まずそうな顔の奴は、イザベルを貶めたことのある奴だろう。ざまぁみろアホども!!!見る目のない自分を恨むがいい!!!


そして事前に調べてあった、イザベルの因縁の相手。元婚約者とその浮気相手だった女。…ものすごぉーく、悔しそうな顔をしていた。絵に描いたような嫉妬と後悔剥き出しの顔。ざまぁ!!!


「イザベル」


そっとイザベルだけに聞こえる声で話しかける。


「なんですか?」


イザベルもこそっと小さな声で返してくる。


「あっち」


俺の目線の先を追うイザベル。見た瞬間笑ってしまいそうになりぐっと堪えるイザベルも可愛い。


「ゆ、ユルリッシュ様、笑ってしまいますから!」


「笑ってやれ笑ってやれ。惨めだなぁ、本当に」


「ぐっ…」


「感動し過ぎたふりか?イザベル。猫被りも上手だな、可愛い」


吹き出してしまったのを感動で泣いたフリで誤魔化すイザベル。本当に可愛い。イザベルは一挙一動全て可愛い。誤魔化してる姿が可愛くて、ついイザベルにだけ聞こえる音量の声でからかってしまう。


その後は、大聖堂内の別の部屋に移動して披露宴に移る。結婚式の厳かな雰囲気と違い、和やかなムードで祝福される。


「おめでとうございます」


「ありがとうございます」


みんな口々に俺たちを祝福する。心からの祝福、羨ましそうな祝福、嫉妬に塗れた祝福。どれも今は気分がいい。


「…イザベル」


「…」


ただ。


妻の元婚約者というのは、なんだか許してやる気にはならないなぁ?


「おっと、俺の愛おしい妻を勝手に呼び捨てにしないでもらおうか」


俺の言葉に、自分の失態を自覚したらしい。すぐに謝ってくる男。


「…っ!も、申し訳ありません、聖王猊下。…ご結婚、おめでとうございます」


「ああ、ありがとう。お前がこの素晴らしい女性に〝捨てられてくれた〟おかげで、俺はこんなにも幸せだ」


捨てられたのは、実際にはイザベルの方ということになるんだろう。でも、今ではイザベルの方が立場は上なんだ。この物言いも間違いじゃないだろう?それと、自慢もしておくか。自意識過剰な連中への牽制の意味も含めて。


「イザベルは凄いんだぞ?光魔法をそれはもう素晴らしく使いこなすし、星辰語の翻訳の腕も相当だ。俺はプロポーズを受けてもらえなければ、聖女として認定してもいいと思ったくらいの実力者だ」


大きな声でイザベルを自慢しておく。その言葉に会場はざわざわと騒ぎ出す。すごいとか、それで結婚したのかとか。


「ああ、勘違いしてくれるなよ?それだけで結婚するんじゃない。みてくれ、我が妻は美しいだろう。見た目に違わず心も綺麗だ。羨ましいだろう?」


たしかに、お美しいのは間違いない、そんな声も聞こえてきた。わかってるじゃないか。


まあ、最初は普通に光魔法と星辰語の翻訳能力だけを買った結婚だった。


けど、元々イザベルは可愛らしいし、着飾れば美人だし、性格もいいし。今では本当に、結構好きだ。恋愛感情かと言われると、わからない。でも、お気に入りで間違いない。


そしてイザベルを捨てたアホである奴は、俺の目の前だと言うのに顔を歪めて歯軋りしていた。ざまぁ!!!


「ま、そういうわけで、俺は妻を愛しているからお前はもう妻に近寄るなよ。しっしっ」


そういえば奴ばっかり見ていて隣に立つ奴の婚約者…元浮気相手のご尊顔見てなかったなぁとちらりと見れば、鬼の形相。なんだよ、やっぱりイザベルの方が美人じゃないか。ざまぁみろ!!!


その後は問題も起こらず、穏やかに時間が過ぎた。無事披露宴も終了して、俺はイザベルを休ませてやることにした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 同じ場面を4人の視点を変えて描くの、婚約者とその恋人はまとめて一回でもよかったのでは?ちょっと冗長に感じます。 [一言] 猊下割とゲスくていいですね。若者じゃないですもんね~。
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