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虐殺される奴と虐殺する奴

 1番高い場所は教会の鐘楼だった。

 鐘楼まで登った後は村のやる気だけは一人前のクソガキを3人連れ、シスターに夜目が効く奇蹟だか魔術を掛けてもらい狙撃銃のスコープを渡す。


「ゴブリンきたら教えろ。

 朝日が登るまで見張り続けろ。1時間で交代するからな。最初はお前だ。見るときはゆっくり左右に動かして、近いところから遠いところに上がっていくんだ。

 良いな?」


 クソガキ共に見方を教える。

 向かって森側は俺。向かって街側はガキ共。ゴブリンの侵攻ルートは基本的に森側だからだ。形だけだが、念の為である。

 2時間ほどするとポールとジブラルタルも上にやって来た。


「バリケードは完成しました。

 現在、即席ですが長槍を作ってもらってます」

「了解。

 ガキ共は下に行って手伝って来い。バンって音聞こえたら敵だ。直ぐに逃げろよ」


 ガキ共に言い聞かせてから解放。

 監視方向は変わらずにガキの場所をポールとジブラルタルの交代で見させる。


「ジブラルタルは街道側。

 ポールは仮眠してろ」

「はい!」

「分かりました」


 ポールは毛布を枕に鐘楼の隅に丸くなる。


「マクミランさんは銃を使うと聞きました!」

「ああ、そうだ。

 詳しいことはこれが終わったら教えてやる。集中して監視しろ」

「はい!」


 俺は暗視双眼鏡を使って監視。サーマルサイトも。

 監視をすること4時間。時計では3時を少し回った頃だった。背中のジブラルタルは時折ズルッと滑っては起きるをくりかえしており限界だった。

 俺ならこのタイミングで仕掛ける。森を集中してみる。音も聞く。


「来た」


 銃は二種類、一丁はSVD。世界最初のセミオートマークスマンライフルだ。もう一つはMG42の現代版MG3だ。


「え?」

「ジブを起こせ。

 ポールは俺の射撃を合図に全員に警告しろ」


 緑色の視界にキラキラと光る二つの球。目玉だ。林端からこちらの様子を伺ってる。

 馬鹿が。


「ジブ!ジブラルタァァル!!

 起きろー!」


 引き金を絞って開戦の合図。ゴブリンのリーダーらしい指示を出していた一回り大きいゴブリンをぶち殺してやった。それに合わせてポールは剣の柄で鐘をガンガン殴り付ける。


「お仕事の時間ですよー!!」


 次々と視界に見えるゴブリンを撃ち殺していく。

 突然の攻撃と何故か死んでいく仲間にゴブリン達は狼狽える。指示を出すゴブリンは片っ端から撃つ。堪んねぇよなぁ!


「おぉい!ジブちゃん!

 さっさと起きろー!」

「お!起きてます!」

「なら近づいて来たゴブリン片っ端から撃てよ!そら、照明上がるぞ!」


 グレネードランチャーから照明弾を発射。周囲が煌々と光る。ゴブリン達は全て曝け出される。残りは20近くだ。


「三分の一をヤッたぞ!」


 ハッハッハッと笑い立ち上がる。


「聞けゴブリン共!

 今から全員ぶち殺す!逃げても無駄だ!何故なら俺がぶち殺すからだ!」


 叫びながら撃ち殺していく。ゴブリンは逃げる事もせずこちらに向かって来る。恐怖に駆られながらも復讐の怒りに燃えている。

 狙撃銃じゃ狙いにくい程に近づく頃にはゴブリンは既に10を切っていた。此処まで10分と経っていない。銃をMGに持ち替えるのだ。ヒトラーの電動ノコギリと恐れられた化け物連射力を目の前にゴブリン達は何も出来ずに死ぬだろう。


 引き金を引けばゲボボボと吐き出される一筋の光。曳光弾多めで撃っているのでゴブリン達も途切れ途切れに飛んでくる光りが通過した場所は仲間が死ぬという認識が出来るはずだ。

 撫でるような動きでMGを動かす。一撫でしただけでゴブリンは残り1匹になる。残った1匹はへたり込んで動かない。動けない。


「見ろ、へたり込んでやがる」


 銃身から湯気を出して仄かに赤いMGを脇に置く。

 ゴブリンはガクガク震えている。ふむ、やはりいっぱいのゴブリンなんてこんなものか。鐘楼から飛び降りて五点接地で落着。そのままゴブリンの下にかけて行く。

 ゴブリンは俺が走って来るのを認めると慌てて這って逃げようとした。腰に提げたM45を引き抜いて奴の尻を撃つ。ゴブリンは悲鳴を上げてその場で転げ回るのでそのまま背中をスタンプ。


「よぉ!ゴブリン!

 初めましてだな!」


 ゴブリンは知能がある。子供より低いがちゃんと知能がある。独自の言語を持つし個体によっては多種族の言葉を理解出来る。ゴブリンエンペラーだかキングとか言うレベルになると魔族と呼ばれる高等知能を持つ人間に友好的な魔物共と同盟を組んで取引をする。

 だが、この個体はダメだ。


「仲間はまだいるか?」


 ゴブゴブ。


「何言ってんのかわかんねぇよ!

 じゃーな来世はまともな種族に生まれろよ!」


 ウハハハと笑って頭を撃ち抜いてやる。他にゴブリンは居ねぇかな?MG3やSVDを置いて来てしまった。仕方ないのでプリセットから適当にアサルトライフルを選んで取り出す。

 AKS-74Uだ。


「クリンコフ。良いねぇ!」


 右手に持って村の周りを30分ほど彷徨いてみるが、遂に残ったゴブリンを見つけることはできなかった。あーあ、全滅か。

 だが、楽しかった。


「うむ。満足には足らんが良しと言う所か?」


 ガハハっ!勝ったぞ!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 徐々にエンジンかかってきていつものセンセの作風に。安心して見ていられるね。
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